2019年2月26日火曜日

門限ズと鳥取旅2月編


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 実はめい(吉野さつき、アートマネジメント)さんのみ1日早く鳥取に到着。昨年起きた予算削減を受けて、大幅な内容変更、スケジュールの変更などが発生しており、それらを整理していく。必要なところ、不必要なところをより分け、なんとか実施が可能な方向へまとめ直す。
 ことめやにて『はじめてのアートプロジェクト』のトークに来ているかないみきさんにお会いしました。アーティスト同士が情報共有しながら滞在できるこのような場所があるからこそできている企画でもあります。ありがとう、ことめや。

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午前中、吉野さんと県の文化政策課の方々と打ち合わせ。昨年のアートマネジメント講座を受け、県内のアート団体を結ぶ講座ができないかという企画が上がり、3月に急遽開催することになりました。(こちらはまずは内々の悩みや情報を共有する性質からクローズドのものになっています)アーティストレジデンスを行っている県内のアート団体の皆さん是非ご参加ください。
午後木野は一回学校へ戻り入試の準備を。(お仕事です)、じょほんこ(倉品淳子、演劇)さんが合流し、わらべ館へ向かいます。
夜の演劇ワークショップのタイトルは「はじまりは、午后の授業」
小説銀河鉄道の出だしであり、印象的なシーンです。倉吉からも参加してくださった方も。大変盛り上がりました。音楽のノム(野村誠)も登場し、伴奏をしてくれました。
ウォームアップとして行った木を切るゲーム(のちに「ジョ!バン!ニ!」ゲームに変更)。
朗読に合わせて動いてみる作業。
朗読の内容を目の見えない相手に伝えてあげるように身体を操る作業。
朗読ではなく、個人的な学校時代の思い出を話しその話を元に動いてみる作業にも発展。
最終的には参加者の皆さんで小グループを作り、小作品を作ることまでを行ってみました。
もちろん演劇経験者の方もいますが、経験に関係なく、どんどんアイデアが生まれ、あれよあれよと短い芝居が生まれていきました。学校の記憶というものは世代により少しずつ異なることを利用したグループもあれば、逆にみんなが「ある、ある」とうなづいちゃうところもありました。
 この中で話題になったのは鳥取の多様性です。子連れのママも、障がいを持つ人も、外国籍の人も、学生から会社帰りの人まで様々な人が集まっています。そしてみんなで楽しんでいる。こうしていろんな人が舞台に上がるのはいいねえとじょほんこさん。
いろんな考えがあるから面白い、そういう濃ゆい人たちがいる鳥取なんです。

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午前中に制作やスケジュールなどのミーティングを。
午後はHOAPITALEプロジェクト(旧横田医院)にてリサーチの8mmビデオと音楽・演劇で何ができるかを試みました。題してHOSPITALE×鳥取銀河鉄道祭『鳥取の8ミリフィルムで即興作曲&演劇 試演会』。
mmフィルムはこれまでHOAPITALEプロジェクト・すみおれアーカイブスで3年近く収集をしており、この先どのようにアーカイブした資料を生かしていくかが課題になっています。ウェブ上での公開なども将来的に考えていますが、パフォーマンスとして新しい切り口、見方を作り出すことができないかということでお願いしてみました。
鳥取西部で昨年収集したものと合わせ、昭和3050年代の少し昔の鳥取の情景が蘇ります。
ものすごい煙を出して走る汽車や、家族の団欒、聖神社のまつり、砂丘、運動会など様々な場所が映し出されて来ますが、その何が出てくるかわからない映像にその場でセリフや音をつけ、さらに観客も巻き込んでいくというもので、なんとその巻き込まれたお客さん、一緒に演じ始めるのでした。
途中途中に銀河鉄道の関連ワードも登場、11月までにもう少しトライアルは必要ですが、可能性を感じます。
夜にはことめやにて音楽ワークショップ「いつの間にか、銀河ステーション」
ノムさんのリードで、様々な楽器を持ちながら演奏体験をしていきました。さらに小説の中から言葉を選び、それに1音1音音階を入れていきながら謎の歌『いつの間にか、銀河ステーション』を作りました。(現在facebookにあげられています)これはこのまま『鳥取銀河鉄道(仮)』のテーマソングになるのでしょうか。ちなみにその時に上がった言葉は
すきっと立つ
                        窓からあたま
                        おかしな気持ち
                        ジョバンニはその
                        すすきの風
                        ぱいにひかって
これだけ見ると何が何だか、そもそもこれは銀河鉄道なのかわかりません。でも銀河鉄道なのです。
鳥取銀河鉄道祭は、鳥取に住む人たちと鳥取における銀河鉄道を作っていく旅なのです。宮沢賢治は案外包容力が大きいので、それでも銀河鉄道に戻っていくのです。終わった後みんなで鍋をつつきつつ、鳥取話で盛り上がりました。

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この日は米子に大移動。4月に行う米子公演プラネタリウム劇場『音とカラダで銀河鉄道』の会場、米子児童文化センターでのリハーサルなのです。この日は水星を見る星を見る会が開催される日だったので、それも一緒に体験させていただきました。ここの解説員の森山さんにお手伝いいただき、様々なプラネタリウムの映像や、音の響き、光の使い方のトライアルを行いました。森山さんの話しかけ方が非常にうまく、子供達も反応しているし、ぜひ午后の授業の先生のセリフをやっていただきたい!と皆で思ったのでした。そう、この本番日のプラネタリウムは特別上映。この日だけの銀河鉄道バージョンです。お話に出てくる様々な星を見てみたりもしますので、ぜひお越しください。

終了後tottoのインタビューを受け、翌日もリハーサルというけっこうハードな毎日が続いています。

面白おかしい感じのクリエーションのようですが、アートとしての鳥取の普通の暮らしに着目していく作業です。普段の生活を少し違った目で見てみることやちょっとした工夫をしてみること、そういう小さな積み重ねは普段気がつかないで通り過ぎてしまうけれども、とても大切なものだったのではないか。経済活動の利益には換算されにくい小さい活動は地味だったり、見えにくかったりしますが、そういうものに気がつくことができる感度を持つ豊かさ。
アートという言葉はもともと技術という意味でした。特別な人が行うすごい芸術もあるかもしれませんが、生きる上で大切なことはお互いに認め合うことができるようになることです。
様々なリサーチを通じて、また参加者の皆さんとの話を通じてそんなことを考えます。

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来月の森まもりの森の中とのコラボレーションについての打ち合わせとプラネタリウム実験ののち、鳥取市内へ戻って来て最後に行われたのがダンスワークショップ「活字も踊る?活版所」
                ミニ活版印刷機からそれぞれの部品のかたちや動きで面白いところを選んで体でやってみる。
                それらを組み合わせて人間活版印刷工場を作ってみる
                身体で活字を作ってみる
                活字の森
                よお、虫眼鏡くん
最後の「よお、虫眼鏡くん」はジョバンニの同僚の言葉なのですが、これがダンスになるのです。これは言葉では説明できないです。と、いうわけで、どんなことしているのだろうと思った方はぜひ3月のワークショップにいらしてください。みんなのアイデアを取り入れながらシーンが生まれてくる過程を見て見ましょう。

3月の予定
音楽ワークショップ「新・新世界交響楽」
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に出てくる「新世界交響楽」は、ドヴォルザークの交響曲「新世界より」を指すと思われます。ノム(作曲家・ピアニストの野村誠)のナビゲートで、ドヴォルザークの「新世界」をヒントにしながら、自由な発想で、新しい「新世界交響楽」をつくってみましょう。
日 時|2019年3月15() 18:30-20:30
会 場|わらべ館いべんとほーる(鳥取市西町3丁目202)

 演劇ワークショップ「振り向けば、ザネリ!」
「ラッコの上着が来るよ!」と言っていつもジョバンニの心をかき乱すザネリ。
ザネリってどんな人? 何でいつもちょっかい出してくるの? このザネリのキャラクターとセリフを使ってじょほんこ
じょほんこ(演出家・俳優の倉品淳子)のナビゲートでいろんなシーンを創作します!※動きやすい服装、動きやすい靴でご参加ください。
         日 時|2019316() 10:00-12:30
         会 場|パレットとっとり市民交流ホール(鳥取市弥生町323)

 ダンスワークショップ「鳥を捕る人」
エンちゃん(振付家・ダンサー)のナビゲートで、「鳥を捕る人」の場面からダンスを作るワークショップです。ジョバンニとカムパネルラが乗った銀河鉄道の車内にふらりと現れた鳥捕りの男。列車の中と外を自在に移動する予測不能な動き、舞い降りる鷺を捕まえるその手腕、砂糖菓子のような雁の脚「銀河鉄道の夜」作中、最も謎めいた「鳥を捕る人」に登場するいろんな要素を、皆さんと共にイメージを働かせて動きに変え、ひとつのシーンを作ってみます。動きやすい服装、動きやすい靴(できれば裸足になれる状態)でご参加ください。
         日 時|2019316() 14:30-15:30
         会 場|わらべ館エントランスホール (鳥取市西町3丁目202)

とりアート西部地区イベント森まもりの森のなか鳥取銀河鉄道祭
 とりアート西部地区アフターイベントに門限ズメンバー(遠田誠、倉品淳子、野村誠、吉野さつき)が参入。地元アーティスト森まもりの仲間たちとセッションを繰り広げます。普段は子供達限定の森まもりワールドですが今回は大人も子供もみんなで体験してみましょう。
         日 時|2019317日(日)13:45-
         会 場|米子児童文化センター多目的室



2019年2月18日月曜日

鳥取銀河鉄道祭2月3月の予定


鳥取銀河鉄道祭はとりアート2019のメイン事業です。
宮沢賢治の名作「銀河鉄道の夜」をもとに1年かけて鳥取の日々の暮らしのきらめきを作品にしていきます。
米子公演 プラネタリウム劇場「音とカラダで銀河鉄道」
日時:4月27日(土)午後4時、午後7時、4月28日(日)午前11時、午後4時
場所:米子児童文化センタープラネタリウム室
料金:大学生・一般310円、高校生以下・70歳以上無料
説明:プラネタリウムと音楽劇のコラボレーション
27日(土)午後8時~屋外にて「門限ズと星を見る会」実施、当日自由参加。

鳥取公演 祝祭的移動型音楽劇「鳥取銀河鉄道(仮) 」
日時:11月2、3、4日
場所:とりぎん文化会館とその周辺
説明:鳥取での本公演はとりぎん文化会館とその周辺での移動型音楽劇。作品に出てくるお祭も同時に開催します。


『鳥取銀河鉄道祭』クリエーション・ワークショップがスタートします。
 2019年とりアートメイン事業『鳥取銀河鉄道祭』を作るための音楽、演劇、ダンスのワークショップがいよいよスタートします。宮沢賢治の名作『銀河鉄道の夜』を元にナビゲーターの門限ズと一緒に1年をかけて作品を作ります。経験、年齢、障がいの有無は問いません。いろんな人のいろんな声を、音を、からだを取り入れながら鳥取でしか見ることができない鳥取ならではの銀河鉄道の物語を作ります。初めてでも、銀河鉄道を読んだことがなくても大丈夫。宮沢賢治は「すべての人が芸術家である」と言います。一緒に銀河鉄道の旅に出ませんか?

 とりアートとは:鳥取県総合芸術文化祭。メイン事業は毎年東中西部で持ち回りで開催してきたが、2019年は鳥取県内の芸術文化に関わる人や場所をつなぐため県内を横断しながら作品制作を行っている。本公演は201911234日とりぎん文化会館周辺で開催予定。
 門限ズとは:ノム(作曲家・ピアニストの野村誠)、エンちゃん(振付家・ダンサーの遠田誠)、じょほんこ(演出家・俳優の倉品淳子)、めい(アートマネジメント、愛知大学教授の吉野さつき)の4人が、お互いのジャンルを超えてアートの可能性を真剣に考えながら遊ぶ異ジャンルコラボバンド。

門限ズと銀河鉄道をめぐるワークショップ
門限ズをナビゲーターに迎え、宮沢賢治『銀河鉄道の夜』をテーマに全く新しい演劇・音楽・ダンスを創作していく連続ワークショップ。1年かけてみんなで創作したワンシーン、曲、動きが、201911月にひとつの音楽劇になります。参加費はいずれも無料です。
[演劇ワークショップ「はじまりは、午后の授業」]
「ではみなさんは、そういうふうに川だと言われたり、乳の流れたあとだと言われたりしていたこのぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか」
じょほんこ(演出家・俳優の倉品淳子)のナビゲートで、この作品の冒頭のシーンを、門限ズが自由な解釈でとらえなおして、ジョバンニの学校を作ります。※動きやすい服装、動きやすい靴でご参加ください。
日 時|
2019222() 18:30-20:30
会 場|わらべ館いべんとほーる(鳥取市西町3丁目202)

[音楽ワークショップ「いつの間にか、銀河ステーション」]
 ノム(作曲家・ピアニストの野村誠)のナビゲートで、楽器を鳴らしたり、声やカラダを使ったりしながら、音楽の楽しさを味わうワークショップです。みなさんのちょっとしたアイディアを紡いで、ノムがその場で楽曲にしていき、気がつくと、いつの間にか銀河ステーションの音楽ができあがっているのです。
日 時|2019223()17:00-19:00
会 場|ことめや(鳥取市瓦町527)
 [ダンスワークショップ「活字も踊る?活版所」]
 エンちゃん(振付家・ダンサーの遠田誠)のナビゲートで、ジョバンニがアルバイトをする活版所の場面からダンスを作るワークショップです。活版所の中は何やらあやしげな雰囲気。例えば昼間なのにたくさん並んだ電燈、反転して読みにくい文字、ピンセットでつままれる粟粒くらいの活字、活版所に登場するいろんな要素から、イメージを膨らませて動きに変えていきます。動きやすい服装、動きやすい靴でご参加ください。
日 時|2019225()18:30-20:30
会 場|わらべ館いべんとほーる(鳥取市西町3丁目202)

HOSPITALE×鳥取銀河鉄道祭
『鳥取の8ミリフィルムで即興作曲&演劇 試演会』
 HOSPITALEプロジェクト「すみおれアーカイヴス」がこれまで集めてきたかつての鳥取を記録した大量の8ミリフィルム。それらを上映しながら、門限ズのノムとじょほんこが、ともに即興でパフォーマンスを作る試みを行います。当日は会場の全員で創作を行うパートもありますので、お楽しみに。また、13時から18時まで同フロアのすみおれ図書室も開放されています。
日 時|2019223()14-16
会 場|旧横田医院(鳥取市栄町403)
出 演|門限ズ(野村誠、倉品淳子、吉野さつき)


なお、来月は以下のワークショップを予定しています。
315()316() (詳細後日)
  音楽ワークショップ「新・新世界交響楽」
  ダンスワークショップ「鳥を捕る人」
  演劇ワークショップ「振り向けば、ザネリ!」
317
とりアート西部地区イベント森まもりの森のなか鳥取銀河鉄道祭
 とりアート西部地区アフターイベントに門限ズメンバーが参入。地元アーティスト森まもりの仲間たちとセッションを繰り広げます。普段は子供達限定の森まもりワールドですが今回は大人も子供もみんなで体験してみましょう。13時から森まもりの森の中のコンサートもあります。
201931714:45頃から、米子市児童文化センター

               
カフェ・ミルキーウェイ
 『鳥取銀河鉄道祭』について相談する会を鳥取市内にて開催しています。だいたい毎週。ふらりと立ち寄ってくださいね。
35() 312() 319() 326()
いずれも7時頃からを予定しています。場所等決まりましたらまたお知らせします。


主催:鳥取銀河鉄道祭実行委員会、鳥取総合芸術文化祭実行委員会、鳥取県
問い合わせ、参加申し込み:鳥取銀河鉄道祭実行委員会 gingatetsudou.tottori@gmail.com / 080-3890-0371(野口)
詳細はこちらhttps://scrapbox.io/gingatetsudou-tottori/