2016年12月31日土曜日

2016年

2016年
今年は大きく変化する一年でした。
鳥取へと移住することになり、多くの人に出会いました。
そしてそんなに必然的にはなれることになる人も出てきます。それでもまたいつか出会うものと思っています。今年の作品"Mobius"は様々な人の縁がずっと円を描いていて、つながることなく、しかしお互いに影響しあいながらあり続ける星の様な作品でした。いのちはいつかつきますが、大きな流れに押し流されながらもその気配とともにあり続けていくことを作品が進化していく過程で見てきました。この作品は今から5年前に作ろうと思っていた作品のエンディングに考えていた構想と昨年のソロをもとにしています。生き続けるとこういうこともあるのかと実感します。

大学での仕事はまだまだ慣れず、先生方にご迷惑をおかけしています。もしかしたらずっとなれないままなのかもしれません。なにぶん私は半年後くらいまでのことしか考えることができないで生きてきました。5年後10年後を考えて生きて生きたことがないということも今年初めて知りました。どこまで勤めていけるのかしらと思いながら、とにかく一生懸命進んでいくだけです。

鳥取大の前任佐分利先生より、ぽろぽろと話していた作品制作の流れを文章化しなさいと言われ、おそらくそれは今後やっていく必要があるだろうと考えられました。というのも、自分の言葉で自分の踊りを語ることができる人が少ない。それがたとえ支離滅裂に見えてよくわからなくとも、それでも何か、そして誰かの手がかりになるかもしれないため、やはり記してみるべきではないか。

昨年の項目を読み返してみると

「一生が全てつながっていてそのまま作品みたいと思う。
一つの論文というのはあまり重要でなくてその積み重ねていった結果として見えてくるものであり、そのうちのひとしずくに過ぎない。さらに自分は大きい宇宙のお星様の一つで(柳宗悦は微塵という)いてもいなくても、してもしなくてもあまり差はなく、しかしたくさんもらってしまった愛情のお返しとして一瞬光ってみようかとする作業だなあと思いました。(あ、アマノガワだ。)私の作品は気がつけば全てつながっていて、この論文も拙いなりにつながっていて、死ぬ時までの(もしくはもっと先への)予言の書みたくなっていくのだなあと思うのです。」

と書いていました。
修士論文はまだ3分の1くらいしか公開されていないですが、確かに予言の書のようになっており、修士実技(そんなものはないのですが)であった「ダンスハ體育ナリ」と合わせてこの5年位で私がしなければいけないことを語っているような気がします。
修士論文を書いていく過程で私は、物事に「必ず正しいはない」という当たり前のことを知りました。政治や報道や様々な力関係で常に「正しい」や「良い」の概念は変わっていきます。一作家として時代の流れを感じ、おかしいと思った時には警告する。それが役割だとすれば文章で書くか作品にするかの違いでしかなく、研究者であり振付家である立場として双方から行っていくべきだろうと考えました。

「ダンスとはなんなのでしょう」と学生が聞きます。
「既成のダンスにとらわれず新しいダンスを作るのですよ」と私は答えます。
「ダンスとはあくまで手段であって、そのもとに何を明らかにしたいかがあるはずです。身体を使ってそれを考え、どんな手段を使っても最終的に表現すればそれでいい。」

明らかにしなければならない何かがなければ何も生まれない。
生み出す必要がない人はそのままで構わない。
その方が幸せなこともある。
それでも表さねばならない人のために芸術というものはあるのだということにも気がつきました。世の中が成熟し、皆そこそこ自由かつ豊かな生活を送れるようになり、それでも満たされない何かを感じているから、皆何かを表現したい。でも本当に人の心を打つようなものは切実に訴えかけるものである必要があり、何らかの犠牲を払わねば出来上がらない。それでも訴えねばならないものがあるだろうか、それが作家となるかならないかの境目ではないかと思いました。

得るものと失うものはほぼ同数。

また一年年をとります。多くのものを得、また失います。それでもまだ生きていく。そんな2016年でした。
心穏やかに健やかに。また良き年となりますように。
木野彩子




各作品の詳細は載せませんがまず、簡単に箇条書きにて。各作品の詳細はこのHP上のラベルで検索してみてください。http://saikokino.blogspot.jp

また大学に務めることになったのを機にウェブページを作りました。全作品は網羅できていませんが、こちらも是非ご覧ください。木野による作品解説項目を作りました。https://saikokino.jimdo.com

◎作品

ダンスハ體育ナリ@TPAM ダンスアーカイブプロジェクト BankART studio NYK 3Fホール

Mobius 鳥取@HOSPITALE(旧横田医院)

Mobius 東京@求道会館
 En attendant,,,,,
Mobius シカゴ@Hamlin Park Theater
 About Rachel

   
◎音楽とのセッション
音楽とダンス、ハーブの時間@森のテラス(東京)
 ピアノ:池田千夏、ハーブ:ジプシーカフェ葉花(八代真由美、金子優子)

Sound and Cultivation@レストランCultivate(三重)
 音楽:大岡英介、Ryotaro、映像:仙石彬人、ダンス:阿竹花子

◎その他
修士論文「コミュニティダンスの歴史的原点と概念の再構成に関する研究〜日英の現状からみたプロモーション再考のために〜」

第1章、第2章分を再構成して「コミュニティダンスの日英の現状から見たプロモーション再考」として鳥取大学紀要に載せました。

SPAC enfant ANGELS 振付アシスタントワーク
 2年の時を経てメルランニヤカム氏と静岡の子供達のアフリカンコンテンポラリーダンス作品が完成しました。(昨年はワークインプログレスとしての公演でした)前編タカセの夢から7年。今年は大学との掛け持ちでなんとか乗り切りましたが、ここからは子どもたちに委ねていきたいと考えています。



2016年12月5日月曜日

Mobius東京 映像

映像の中川さんよりダイジェスト映像が届きました。
3作品(加藤さん作品も含め)別物なのだけれど、緩やかにつながっているこの不思議な構成をいろいろ模索して作ってくれました。ありがとうございます。

2013年の洞窟ダンス

今回かなり忘れていたが大岡さんが掘り起こしてくれた映像。
ダイジェスト版ですが、3年前とは。
懐かしいことです。

ちょうど昨日美香さんの洞窟ダンスを思い出していたんだよなということでまさかの洞窟つながりです。

Sound and Art Cultivation






Sound and Art Cultivation

三重県松阪にあるレストランカルティベイトさんにて踊りました。











以上2枚は仙石さんが撮ってくれてたもの。でもあの操作をしながらいつの間に!!!


カルティベイトは松坂にあるレストランとアートスペースです。小物などかわいいものが並んでいます。








 この模様はどうやって出ているかというと超アナログです。でも3台使いこなすんだからすごいことです。
おいしいごはんごちそうさまでした。

2016年11月15日火曜日

ゆーくいについて

奉納の舞も素敵なものがあるけれど、今回私が見なければいけなかったのはこの「ゆーくい(世乞い)」と呼ばれる儀式。

1日目の奉納終了後、皆で根原家にいき、庭で巻歌を歌いながらぐるぐる円になって歩き回った挙句、家の中にいる子供(場合によってはそこそこの青年(30代))を抱え胴上げをしたのち、男性女性の2つのグループに分かれ、向かい合って歌い合うガーリィ(願礼)を行う。(この辺りカオス)
その後おうちに上がらせていただき、お酒(泡盛)と塩、ニンニクとタコをいただき、次のお家へ行く。

これを3グループに分かれそれぞれ5−10件(東、西、仲筋それぞれの役員の家を回るらしい)一晩かけて行う。が、最近はさすがに辛くなってきて夜中に2時くらいには終わって一回小休止を入れるようになっている。(なお、最後の根字さんちではその後飲み会だそうで、ご家族は毎年大騒ぎのようだ)で、5時頃からゆーくい止め(つまりその年最後のゆーくい)、御嶽へ戻り最後の巻歌とガーリィ、そして朝方の神事が始まる。


そう、朝まで続く祭り。
そして朝の神事が終わると日が昇ってくる。

普段私はそんなに早起きではないけれど、こうして静かに朝を待つと、日の光とともに音が増えていくのがわかる。鶏や牛といった動物たちの鳴き声。人々が目覚め活動を始めるまで。
時々夜明けを待ちながら、こういうちょっとした感謝の時を私たちは忘れてしまっていたりする。ほんのちょっと厳かで、しゃべるのを止めたくなるようないとおしい時。

そんな時間を共有するような踊りを作りたいと最近思う。
(すでに透明な家具で4時間半というのは経験済みだし、ヴェクサシオンのような朝までとかもあるんだけれど、これはガチで)

日はまたのぼる。


笑いについて

種子取祭は2日に分けて行われる奉納がメイン。
島を3つに割り、玻座間(さらに東と西に別れる)が1日目、仲筋が2日目を担当。庭での演目は両日同じだが、それぞれの舞台で行う狂言、舞は別のもので80近い演目が上演される。

狂言。
そうお芝居がメインにある。セリフは全て竹富の言葉なので、私のような新参者には解読不可。「芸能の原風景」なる台本集を購入、あらすじなどを把握する。なお、会長さんの挨拶などもすべて島の言葉ですることになっているらしいが、あまりにも使っていないので、覚えるのが大変で、紙に書いてきたり、途中で標準語(と言っても沖縄訛り)になってたり苦労している様子がうかがえる。

私自身の作品には笑いの要素はひとかけらもないが、私の周りにはなぜかユーモアの要素に長けた人が集まってくる。教えた子たちも皆。羨ましい限りだが、こればっかりは教えられるものではないので、きっと私を反面教師にして学んでいくのだろうと感じる。人に見せる作品を作る上でユーモアのセンスは大切だと思う。単純に何かしでかせばいいということではない。何をしても大丈夫という安心感と信頼関係がなければ生まれない。そして多分対象に対する何らかの愛情のようなもの。

今回1日目に「ボーイズ」なる70代以上の男性5人の音楽劇が登場。これは66年ぶりの復刻だという。音楽劇だというが歌ってるんだか叫んでいるんだかだんだんよくわからなくなってきながら、皆を笑いに導く。60年も一緒にいりゃあ、もう息もぴったりだよね、何やってもいいよねとやりたい放題。でもそういう関係性はちょっと素敵だと思う。
とりあえずお年寄りたちがすごい元気だという衝撃。
翌日の新聞記事にまで載ってしまったおじいちゃんたち。かなり可愛い。

島へ行ってきました

静岡の子供達が大道芸フェスティバルで盛り上がっている頃、私は竹富島という島にいました。

この竹富島、種子取祭という民俗芸能にかかわるなら是非一度は見るべきだと前から言われていた有名なお祭りがあります(正しくは1年じゅう何らかの儀式が続いており、祈りのクライマックスのようにこのお祭りがあります。この島自体が祈りの島であると言った方がいいかもしれません)

静を作成する時に習い始めた「綾子舞」を教えてくれていた民俗舞踊研究者須藤武子さんが10何年かぶりに行くというので(高齢ということもあり、体調がなかなか優れず、昨年も諦めていた)同行させていただき、様々なお話を伺いました。

静に限らず、私は舞踊には本来祈る気持ちがなければ成立しないと考えており、それが神であれ、仏であれ、自然であれ宗教行為に近いものなのではないかと考えています。ここにはない何者かの存在を感じながらそのために舞うのが本来で、観客のために踊るようになったのはごく最近なのではないか。
そして本来は神に見せるためのものとして技芸を磨くようになり、それが伝承されるような仕組みも生まれていった。
もちろん現在も素晴らしい民俗芸能があり、神楽など大変素晴らしいのですが、私はその元を知りたい。ここ数年数ある芸能の中でも特に集団での熱狂を生み出すものを中心に観に行くようになりました。コミュニティを形成し、継続していけるのは芸能の持つ力ゆえ。民俗芸能の残る土地は大抵島や、山間部など非常に不便なところです。でもそのような生きるのに困難な場所だからこそ祈ることを続けることができたのではないか。

残念なことに学校があるため9日間にわたる全ての日程に参加できるわけではありません。一番盛り上がる奉納の2日前より見させていただきました。
竹富島は石垣島よりさらに南。人口360人の小さな島です。
島では米は作れません。かつては隣の島まで出稼ぎならぬ出稲作をしていたのだそうで、粟を食べていたとのこと。その名残でついたら「いいやち」なる粟餅のようなものを作るところからスタートです。
泊めていただいた民宿の方がとてもよくしてくれて色々教えていただきました。

港のそばのゆがふ館では島の歴史を学ぶことができます。(後から聞いた情報だと映像資料がたくさん残っているそうで、それを是非見たいと思っています)

竹富島は景観保護をしているので家並みがとても美しく(特に祭りのため道路にも砂が撒かれる)、観光客も多数います。某Hグループのリゾートホテルも建ち、石垣島にLCCが来るようになった影響もあり、観光業はかなりの潤いを見せています。若い人の移住も増えているようで、(しかし某Hリゾートさんの従業員は石垣から毎日フェリーで通うのだそうです)活気を感じましたが、かつては2000人くらいが住んでいたというので、大分少なくなっているとは言えそうです。
小中学校は島内にありますが、高校からは石垣(あるいは沖縄など)に行かねばならない、そして帰ってこない、というのも大きく影響しています。(これは鳥取でも同じようなことが言えそうです)

人口が減ると祭りの継続が難しくなるのですが、現在のところ石垣、東京などにある竹富の郷友会の皆さんが参加したり、支援して続けているとのこと。狂言の衣装などそれなりにお金もかかるため、観客の寄付(お花代というのでしょうか)や郷友会のサポート、そして村の税金などとは別に集めているみんなの出資でなんとか持ちこたえてはいますが、なかなか厳しいのだそうです。(お話を聞いた方には「人頭税じゃないけれどさあ」と言われる)

ただ、このお祭りに参加するために多くの竹富人たちが島に戻ってくることもあり、この祭りをなんとか継続していこうという意識が見えます。この辺りについては鳥取大の家中先生がきっとまとめてくれるだろうということで、置いておき、祭りについて次は書こうと思います。




今後の予定(2016.11.15)






Amanogawaプロジェクト鳥取編

10月21日地震に遭遇した鳥取県民、しかし落ち着き払っており、大きな混乱もなく、現在はほぼ通常状態に戻ったと言えます。
が、それは本当だろうか。倉吉には今も50人近い避難生活を送る人がいて、ブルーシートで冬は越せるのか?など問題は山積み。
ボランティアセンターに行って話を伺うと、我慢強くシャイな鳥取県民は遠慮してしまって要求やお願いをまず言い出さないと施設の方。「いえ、亀裂入っているんだけれど、大家に倒れてないから大丈夫と言われた」(主婦)「下手に修理頼むと予算が出ないかもしれないから、こういうところ(公民館前)の工事とかは後回しになっちゃうんだよね」(右の亀裂の公民館の方)などなかなかすごいことになっています。死者のでなかった今回の地震。それはなぜか。そして本当のところの被害は実はその亀裂のように後からじわじわ出てくるものなのではないか。(11月15日現在)
少しずつ通いながら撮りためていこうと考えています。




ダンスハ體育ナリの続編について

現在、再来年2月に発表できるように頑張ろう計画が進んでいますが、鳥取大学地域学部の教養科目として「グローバル時代の大学」で1時間担当し、お話させていただきます。
明治期の運動会、体操の変遷をたどりながら、オリンピックまで話を膨らませて「体育」がスポーツへと変わりつつある流れを学びます。
今回はダンス関係者ではないため、大野さんのお話はありませんが、西洋的近代的身体を作り上げるために生まれた体操にフォーカスを当て、日本人の「揃った動き好き」について考える内容を目指しています。


一般の方向けには来年1月Hospitaleにてレクチャーを予定しています。


(上の写真は「新しい朝が来たーラジオ体操の50年の歩み」より)




2016年10月24日月曜日

鳥取の地震について

鳥取でまさかの地震が発生して3日ほど。
私の住む東部地域では、ほぼ日常と変わらぬ生活になっている(もともと震度5なので、大きな被害も出ていない)が、汽車で1時間ほどの中部では今も避難生活を送る人も出ている。実際の倒壊具合は、東日本大震災、熊本地震を思えばかなり少ないが、元々古い建物が多いエリアだけに、コンクリートのひび割れ、剝がれ落ち、歪みなどが生じており、ぱっと見よりも被害は深刻と言えそうです。
地震そのものも怖いけれども、それに伴う観光客の減少の方が問題になっているらしいです。みなさん、応援よろしくお願いします。鳥取遊びに来てください。

それにしてもなぜ死者が出ないのか(いいことだけれど)と考えさせられるこの鳥取地震。2000年の西部地震もそうなのですが、これだけの規模の被害を受けつつ、たくましい鳥取県民。助け合い精神が養われているせいなのか。
鳥取県民曰く「人がいないから」、いえいえ、きっと何かがあるはずです。


鳥取に赴任したからにはAmanogawa鳥取を行わねばならないと考えていた矢先に今回の地震。鳥取について学ぶいい機会かもしれません。

2016年10月9日日曜日

音楽とダンス、ハーブの時間@森のテラス Sound and Herb vol.4

音楽とダンス、ハーブの時間@森のテラス Sound and Herb vol.4

 昨年森のテラスで開催したイベントが今年も開催されます。見て、聴いて、味わって、緑に触れてしまう、そんな緩やかな会です。のんびりしたテラスでの1日をお過ごしください。


日時:201610813時開場13時半開演
料金:2500円(フレッシュハーブティーつき)
ご予約、お問合せ:kinokoticket@gmail.com(席数に限りがございます。ご予約をお勧めいたします。)


池田千夏:大阪府出身。ピアノ弾き。高校の頃より作曲も始める。ジャズ、即興音楽に傾倒し上京、全オリジナルのピアノトリオを結成、独自のアコースティックな音世界を作る。現在はソロ、デュオなどでも活動中。

木野彩子:踊子。もとは振付家。即興音楽とダンスの可能性を追求するうちに振付から離れてしまう。あんまり考えないでただ踊りなさいと勧められる。札幌東京パリロンドンぐるぐる回って現在はなぜか鳥取。http://saikokino.jimdo.com


ジプシーカフェ葉花:植物の力を身近にをテーマにハーブのある暮らしを提案するユニット。アロマセラピストの八代眞由美、ハーブコーディネーターの金子優子による、ハーブティーとハンドマッサージのミニ講座もお楽しみいただけます。

Dance New Air2016と連携しています。
Dance New Air 2016
2016101日(土)~10日(月・祝) 
2年に一度のダンスの祭典。青山がダンスに染まる10日間!
会場:スパイラルホール、東京ウィメンズプラザ、シアター・イメージフォーラム 他
プログラム:山田うん、伊藤キム/フィジカルシアターカンパニーGEROKENTARO!!/東京ELECTROCK STAIRS、ヴェルテダンス(チェコ共和国)、向井山朋子(オランダ/日本/イタリア)、カンパニー・アドリアンM/クレールB(フランス) 他
http://dancenewair.tokyo
連携特典
「該当公演タイトル」公演のチケットとDNA2016のプログラム(パフォーマンス、ダンスフィルム 他)のチケット計5枚でミナ ペルホネン特製フェスティバルTシャツをプレゼント。詳細はこちら 






今回のテーマ:食事に使われる身近なハーブについて
前半
それぞれのハーブに関するミニ講義とともに10分程度の即興パフォーマンス
⑴オリーブ:オリーブはオリンピックの時の勝者に渡される冠にも使われているそう(わたしは月桂樹だと思っていたのですが、月桂樹は芸術面限定だそう)ということでオリーブの冠とともに。
⑵タイム:夏の夜の夢のタイターニアのベッドという言葉もありましたが、脱線しすぎとカットに。贈り物として使われた逸話から小箱とともに。
⑶ローズマリー:ローズマリーウォーターは若返りの水と言われ、70歳代のハンガリーの女王が隣国の王子にプロポーズされたという言い伝えがあるのだとか。と、いうわけで水で清めさせていただきました。
実際には小物から動くというよりはその匂いと味とお話しが動きを作り出すきっかけになっています。

休憩:これらの食材を使って作ったパン(ローズマリーを発酵して作ったパン)にオリーブオイルを使って食べてみましょう。
オイルにはタイム、ローズマリーの他唐辛子、にんにくなどを詰め保存しておくとパスタなどにも使えて便利です。

後半
口直しに配られたレモンバーベナのお茶をもとに長めの即興、雨が上がったのでテラスへも出て。

最後に池田さん楽曲「みどりのゆび」に合わせて、ハンドマッサージ講座を。

盛りだくさんの1日になりました。
なお、衣装、毎回好評ですが金子さん作です。金子さんはオーガニックコットンを扱っていて、衣装制作の他小物なども作っています。
今回写真を撮るという重大なことを忘れており、一切記録がないという失態をおかしてしまいました。残念です。。。








Mobiusシカゴ photos

Mobiusのシカゴ版はここにいない人のためのダンスになりました。
舞台中央に置かれた椅子の意味を踊り手も、演奏家も、静かに感じるそんな会だったと思います。映像も送っていただいたのですが、近々vimeo に出すとか出さないとか言っているので、詳細決まりましたらリンクを貼ります。

プレパフォーマンスとして別室でパフォーマンスを行ったMitsuさん。日米ハーフで日本にも3年住んでいたし日本語も話せます。なぜかユーグとも友達。

本来は劇場の部分にお客さんに座っていただき、そのウィング(袖幕)を利用して4つの部屋を作りました。鳥取の各部屋で起きたことを話し、そして踊ります。
 屋上部分で起こったことも健在
 そして気が付いたでしょうか。ダンサ−4人なのです。



で、この後に私は語ります。
しかもここにはいないダンサーとして、ここにはないチェロの音ともに。(About Rachel)

そんな感じで記念写真もパチリ。
ちなみに写真はカーラの彼(Jeremy O'Donnell)さん。すごいいい人。


Mobiusシカゴ プログラムノーツ

Mobiusの元々のコンセプトとして円形から四角い劇場へといかに変化していくかという考え方があり、鳥取のプログラムノーツにはそのように記載されています。またEdgeを上演する予定でした。
が、様々な諸事情により、今回はまた新しい作品として以下のような形で上演しました。
A5サイズの印刷で半分に折っているため、このようになっています。
作ってくれたのはCMCのKayさん。優秀なマネージャーさんですが、もともとはCMCで踊っていたそうです。(その当時の写真がスタジオに飾ってあります)ありがとうございます!







2016年10月1日土曜日

シカゴから帰ってきました。

シカゴからの長旅から帰ってきました。
帰っていきなり会議があるのでとにかく一回鳥取に帰り、ガンガンこなしていきます。

シカゴではかなり波乱万丈でした。
というのも、そもそもMobiusと木野ソロと言われていたので、自分の代表作であるEdgeをやろうと思って準備をしていました。が、出発前々日、ダンサーの一人が1日出られなくなるという連絡を受けて、木野が1日踊るという形でできないかと言われ、なんとかしなきゃと衣装を買い足し、何が起きても対応できるように、全部持っていくという形をとっていました。劇場状態もわからないので、裸電球セット(Hospitaleでも活躍)、LED、水ボトル、蓄光ペイント、白リノ、テープに至るまで全部担いで向かうことにしました。

リハーサル開始前日も会場下見をし、劇場が劇場ではなかったのでまず衝撃を受け、ウィング(袖幕)を小部屋に見立て、観客席のあった階段を音楽家専用スペースにしたてなんとか考えをまとめました。現地でできること、できないことを考えるのも仕事だろう。

リハーサルの日に顔をあわせるとダンサーの一人が来ていなくて聞いてみると、彼女は参加しないことになったわ、とのこと。彩子が踊るんだったらという判断だそうで、振付家の許可もないままキャンセルが出されることに。え、彼女が踊りたいのであれば、私は手伝うし、彼女のための作品でもあるんだけれどということで話したものの、動かず、仕方がないので4人用に作品を作り直すことに。
そして環境を考えるとどう頑張ってもEdgeを行うには無理があるため、諦めて、何か違うことをしようと考え直すことに。
各ダンサーに鳥取の部屋で見たこと、したことを言語化していくという作業をしてもらいながら、離れた土地の質感をいかに再現していくかという作業をしながら、「わからない」というダンサーたちにここにいない彼女だったらなんと言うだろうかという設定で話したことを元に、木野が彼女の役割をのりうつって演じるソロ作品へと展開させることを思いつき、Mobius本体と同じ動きを使いながらソロ作品として作り上げ、しかもそれをくっつけてしまうという荒技を繰り広げました。

さらにプログラムを見たら、オリジナルのダンサーの名前が消えていて、クリエーションプロセスがすべて消えてしまう気がしたので、彼女について語ることで名前を残し、そしていつかちゃんと5人で踊ることができるように祈ろうと思いました。

鳥取で思わず参加してしまったユリアちゃんを天使に見立て、野外テラスへと消えていったダンサーたちに重ね合わせ、「天使を見たの」と話しながら、すべてがつながっていく瞬間を味わいました。

あの時彼女が選んだ部屋がたまたま図書室であったこと、そして私たちが滞在したフラットの前に小さな本箱があり、そこに置かれていた小さな本には何も書かれていなかったこと、彼女が今回参加できなかったこと、その理由、そもそも病院という場所でのクリエーションであったこと、さらにその発展先は教会堂であったこと、阿弥陀様に会ってしまったこと、
不在の椅子の意味がすべて円を描くかのようにまとまっていったのでした。

私はこれまでもいろんな作品を手がけてきましたが、今回ほどいろんな巡り合わせによるものはなかったです。さりげなくこの夏私は天使たちを見たのというとAngelsにかかっていてそれもちょっとすごい。
またいつかさらなる形でお見せしなければいけません。
なぜならまだプルミエを迎えることができていないからです。(これについてはまた後で。これの方が深刻な問題だと私は捉えています)



帰ってきたらアリース(IchI、バイオリニスト)からのメールが。Sutraで日本に来ているそうです。これは何としても会いに行かねばなりません。


2016年9月12日月曜日

上から見るか下から見るか

修士論文を書いている時にふと劇場形態の変遷についてみることになった。
ルイ14世の頃は皆が同じ高さで、王様を囲って円のようになって歩くような踊りであったらしい。その中心で王様は太陽として輝くのだそうだ(それゆえ、彼は太陽王と呼ばれるようになった)。
ついでにいうと当時バレエは身体を鍛えるのに欠かせないもので、うまい踊り手は強いという意味も含んでいた。どうしてもルイ14世はおどりバカ的なイメージを持たれてしまうが、そんなことはなかったらしい。
そのようなフォーメーションダンスも見る人と見られる人に分かれるようになる。観客が登場することでだんだん見えが良くなるように工夫され、結果的に見る人は見下ろす形になったという。そのうちルイ14世も踊らなくなり(お年のせいでしょうか、自分は踊らず人に踊らせ見る側にまわる)、うまい舞踊家を作り出すことを考えるようになっていったという流れ。(職業舞踊家の誕生)
俗に言う額縁舞台(プロセニアム)になるのはもう少し後の話。同じ高さから上から見下ろすようになり、前(正面)ができ、暗闇にまぎれていく。

今回病院だったこともあり生と死が大きなテーマになっていて、それはまた後日書かねばならないが、もう一つ視線について考えていた。
小部屋の部屋はひとつを見ると他の部屋で何が起きているかはわからない。
見えることが全てではなく、見えないからこそ私たちは想像する。
また私たちはその見るという行為によってすでに対象を取捨選択している。実際の生活でも2つのことを同時にできない(できる人もいるけれど)。同じように同時並行で物事は進むが、常にすれ違ったままかもしれない。
写真や映像は私はこういう風に見ていますといって切り取る。でもそれは一つの見方であり、もしかしたらその場にいるあなたはまったく違うものを見ることになる。
パフォーミングアーツやライブの音楽、ダンス、演劇などは毎日変化していくが、同じ時に見ていたとしても見ているものはまったく異なるかもしれない。

だから終わった後に話したり、考えたり、人と過ごすとより面白い。
そして私が考えた意図なんてはるか超えたところでまったく異なる何かを発見してくれる人に出会ってしまえたらちょっと嬉しい。

刺激を受け取るだけではなく、想像力が必要になるからちょっと疲れるけれど、見えることは全てではない。そして見えないことの中に本当に大切なものはあったりする。


その昔まだ学生だった頃、高校時代の友人と舞台装置の話をしていた時に「夏の夜の夢」だったら上から見下ろす感じいいよねと話したことを覚えている。(その時の友人2人は二人とも照明家になった。当時から見せ方のプロだったとも言えるし、既にそういう傾向があったのかと最近思う)観客は神様のように上から見下ろす。神様の目線。いつか惑星ダンスを作るんだったら上からと下からと両方の視線を作りたいと思っていた。今回は短く終わってしまったけれど、重要なポイントだと私は思う。コンテンポラリーダンスとはものの見方、捉え方。もちろんいろんな人がいていいけれど、箱女くらいからずっと同じようなことを言っているような気がする。


Mobius東京 プログラムノーツ

東京編
求道会館
創立者近角常観が浄土真宗の信仰に基づき、仏教によって結ばれる人々の交流を願い建設した教会堂。優れた歴史的建造物として東京都の指定有形文化財になっている。http://www.kyudo-kaikan.org
1階の講堂、2階のアーチ型回廊の両方を用いて作品を展開し、シカゴ公演へとつなぎます。原型となる”En attendant,,,,,”(2015,木野彩子ソロ),CMCレジデントアーティスト加藤文子によるダンス作品も合わせての公演。
出演: Chicago Moving Company
    森重靖宗(チェロ),
    横山祐太(トランペット),
    木野彩子
照明:加藤泉
映像撮影:中川泰伸
協力;吉福敦子、蔀健、日本基督教団巣鴨教会
鳥取編映像:佐々木友輔(鳥取大学地域学部附属芸術文化センター)
日時:2016.9.2 7:30PM(開場は開演の15分前)
場所:東京都文京区本郷6丁目205号(本郷3丁目駅徒歩7分)
料金:3000円(学生2500,当日500円増)
主催:Chicago Moving Company/木野彩子
supported by MacArthur Foundation(マッカーサー財団国際交流基金)、芸術文化振興基金 

此岸より
 blue fish -reveal-
  (シカゴ市文化庁助成2017春初演予定blue fishより抜粋)
  振付・出演加藤文子
音楽: Christian Walfarth, György Ligeti
blue fish。深海に住むその存在さえ未知の魚。福島の原発事故から5年。原発再稼働、2020年東京オリンピック、憲法改正案。経済成長の為に続く自然破壊と命の犠牲。人もまた自然。こころとからだはどこまでバランスが保てるだろう。転換をもたらす動きのチカラを信じて。
彼岸より
 En attendante,,,,,2015
構成、出演:木野彩子
楽曲提供:上地正彦(Amanogawaのテーマ)
Freistil( Berlin Tantz fabrik)、カトルカール(東京セッションハウス)で上演した作品をMobiusの原型ということで再構成しました。構成上森重靖宗(チェロ)に出演いただきます。
 Mobius
 2階:HOSPITALEの部屋の記憶を辿るということ。(音楽構成:森重靖宗)
  個室:加藤文子
  図書室:レイチェル バンディング
  地球儀のある部屋:カーラ ベルトゥチェンコ
  配膳室:ジェシー ヤング
  滑車のある部屋:プレシャス ジェニングス
  地から呼ぶ声:横山祐太(トランペット)

1階:Mobius ここにはない彼方の世界

Mobius鳥取 photo and film


映像:佐々木友輔(鳥取大学芸術文化センター)



写真:田中良子




Mobius鳥取 プログラムノーツ

Mobius
 Dance and Music series
 collaboration betweenChicago Moving company and 木野彩子 

HOSPITALE 鳥取
2016.8.27/28 6:30PM

求道会館 東京
2016.9.2 7:30PM

Hamlin Park Theater シカゴ 
2016.9.22/23 
ごあいさつ
 私は踊る時に何者かに動かされていると感じてきました。それが音楽の時もあればその場所の持つ雰囲気であったりもし、おそらく人によってはそれを神といい、私の中のもう一人の自分といい、私は常にそんななにものかとともに生きてきました。
 演劇が人との対話と言葉の力により社会とは何かを生み出していく作業であるならば、ダンスはそのような感じ取ってしまったなにものかを表していく、そんなものです。目に見えない、言葉にならない何かを私はずっと見つめています。

 メビウスの帯(輪、Möbius strip)はドイツ人のアウグスト・フェルディナント・メビウスが思いついた一回転ねじってある帯です。ご存知の通り永久に続く円運動です。フランス人のチェリストHugues Vincentとのトライアルで、彼のアルバムメビウスの鳥から名付けられました。(なお、そのアルバムで共演している鉢屋真紀さんとも作品を作ることになっています)四谷3丁目の小さな喫茶店から始まった音楽とダンスの関係性を探るこのシリーズは上地正彦(ピアノ、バスクラリネット)、中沢れい(ダンス)などを巻き込み、これまでフランス、ドイツ、札幌など転々と移動しながらパフォーマンスをしてきました。音楽家だけが音を出しているわけではない。ダンサーの声や足音や、衣装の擦れる音もまた音楽だ。ダンサーだけが踊っているわけではない。音楽家もまたそこに存在し時には動くこともある。そして相互に影響を与え合っている。ニーチェが指摘するまでもなく、音楽とダンスの関係性はおそらく永遠に切っても切れない縁と言えることでしょう。交わらないからこそ永遠に続く。メビウスの表と裏は追いかけあっても決して出会うことがないようにこのDance and Musicはずっと考え続けていくのだと思います。

 さて、この企画書を書いて提出し、一安心した頃、気がつきました。Mobiusと書いていることに。点々がない。Möbius stripはドイツ語でした(Huguesはベルリン在住なのです)。永遠回帰しそびれたこの帯はどこにつながっているのか。鳥取、東京、シカゴと3つの会場の場所の力を借りながら、メビウスの輪のおそらく真ん中に向かって覗き込んでみます。石炭袋の中のような真っ黒の闇に向かって、おーいと呼び続けるそれもまたダンスなのです。

 ダンスの見方に答えなどありません。
 思いついたことを感じたことをそのまま受けとめて、もしできれば私に聞かせてください。その言葉がもしかしたらこの帯の謎をとく鍵になるかもしれません。


木野彩子
 

鳥取編
HOSPITALEプロジェクト
鳥取市中心地にある横田病院跡地をアートギャラリーとして活用、展覧会、パフォーマンス、ワークショップなどを開催している。

 病院内の小部屋を移動しながら見ていきます。ワークインプログレスとしての公演。(東京、シカゴ公演の原型となります)

 出演: Chicago Moving Company,
やぶくみこ(パーカッション),
森重靖宗(チェロ),
横山祐太(トランペット),
 構成、照明デザイン:木野彩子
 映像撮影:佐々木友輔(鳥取大学地域学部附属芸術文化センター)
 写真記録:田中良子
 協力:赤井あずみ、藤木美里(HOSPITALEプロジェクト)

 日時:2016.8.27/28 6:30PM(開場開演同時刻)
 場所:鳥取県鳥取市栄町403(鳥取駅徒歩7分)
 料金:1500円(当日2000円)

関連企画 
アメリカとシカゴのダンス事情について聞くトークイベントを開催。
2016.8.24 7:00PM場所:HOSPITALE













東京編
求道会館
創立者近角常観が浄土真宗の信仰に基づき、仏教によって結ばれる人々の交流を願い建設した教会堂。優れた歴史的建造物として東京都の指定有形文化財になっている。
1階の講堂、2階のアーチ型回廊の両方を用いて作品を展開し、シカゴ公演へとつなぎます。原型となる”En attendant,,,,,”(2015,木野彩子ソロ),シカゴ在住のCMCレジデントアーティスト加藤文子によるダンス作品”Blue Fish”も合わせての公演。
 出演: Chicago Moving Company
    森重靖宗(チェロ),
    横山祐太(トランペット),
    木野彩子
 照明:加藤泉
 楽曲提供:上地正彦「Amanogawaのテーマ」
 映像撮影:中川泰伸
 協力:蔀健、日本基督教団巣鴨教会、
  日時:2016.9.2 7:30PM(開場は開演の15分前)
  場所:東京都文京区本郷6丁目20番5号 求道会館(本郷3丁目駅徒歩7分)
  料金:3000円(学生2500円,当日500円増)

シカゴ(アメリカ)編
 円形、半円形と変化をしながら最終的には劇場にての公演を行う。木野の代表作となる”Edge”(2003,2010),CMCダンサーによるダンス作品も合わせて3作品の公演。木野にとって初のアメリカ公演。
 出演:Chicago Moving Company
    やぶくみこ(パーカッション)
    横山祐太(トランペット),
    木野彩子
 日時:2016.9.22/23 7:30PM
 場所:Hamlin Park Theater


主催:Chicago Moving Company/木野彩子
共催:鳥取大学地域学属芸術文化センター
   Hospitaleプロジェクト
supported by MacArthur Foundation(マッカーサー財団国際交流基金)
   芸術文化振興基金 





出演者プロフィール
Chicago Moving Company (CMC) 
Karla Beltchenko, Rachel Bunting, Precious Jennings, Ayako Kato, Jessie Young
 今年 43周年を迎えるChicago Moving Company (1972年、前芸術監督ナナ・シャインフラッグにより発足)は、シカゴで最も著名なカンパニーのひとつ。NYタイムズ紙で「大胆、且つ荘厳...桁違いのエネルギー」と評される。その革新的な芸術性とパワフルなパフォーマンスにより、現在までにNational Endowment for the Artsより4度の振付奨励金、Chicago Dance CoalitionLifetime Award, 及び2014年のNew Stages for Dance Award等を受賞。またベルリン、サルバドール(ブラジル)、ウランバートル(モンゴル)等にツアー、シカゴ・シンフォニーとの共演、シカゴ大学オリエンタル・インスティテュート、ロヨラ大学等より委嘱され、コラボレーションを行う。2007年より、モンゴルとの文化交流を芸術評議会、またダンサーを通じ展開。ウランバートルへのツアーを始め、2013年には、モンゴル人ダンサーOdbayar Batsuuriを国際アーティスト・イン・レジデンスとして受け入れた。2013年、CMCは年間を通じ様々な40周年記念イベントを実施し、国内外の著名なカンパニーがプロデュースされるDance Center Columbia College のシーズンにて記念公演を行う。今回の木野彩子との交換は、2016MacArthur Foundation International Connections Fund (マッカーサー財団国際交流基金)の受賞によって実現。本作品は、新芸術監督カーラ・ベルチェンコ率いるCMC初の国際委嘱作品となる。1995年以来、CMCはアーツ・パートナー・イン・レジデンスとしてHamlin Park Theaterにて活動を続け、地域貢献を目標としたダンス施設として、たゆみない発展を続けている。

カーラ・ベルトチェンコ Karla Beltchenko

舞踊家、振付家。Chicago Moving Company芸術監督。2010年よりChicago Moving Companyメンバー。2015年英国ロンドンにて、Trinity Laban Conservatoryより芸術学修士を取得。米国、イギリス、イタリアにて作品を発表。ダンスビデオ作品に傾倒し、実験的スタイルにて作品を発表。NET (Network of Ensemble Theatres)の主催によりシカゴ現代美術館、シカゴ・コロンビア大学において行われたMovement Exploration in the Cinematic Mediumにてプレゼンテーションを行う。


レイチェル・バンティング Rachel Bunting
舞踊家・振付家。2002年よりChicago Moving Companyメンバー。シカゴ・コロンビア大学演劇学科講師。フェルデンクライス認定講師。2004年よりダンスカンパニーThe Humans芸術監督。イメージの世界を現実として動きで顕す独特の作品世界はMagic Realismと高く評される。Movement Researchジュッドソン教会パフォーマンス(ニューヨーク)、ニューヨークThe Joyce Theater、The Dance Center Columbia College Chicago主催A.W.A.R.D.Show!等にて作品を発表。2011年Chicago Dancemakers Forum ラボ・アーティスト・アワード受賞。2004年よりChicago Moving Company Hamlin Park Fieldhouse劇場アーティスト・イン・レジデンス。

プレシャス・ジェニングス Precious Jennings

アイオワ州出身。舞踊家・振付家。2009年よりChicago Moving Companyメンバー。シカゴ・コロンビア大学演劇学科講師。ヨガ講師。マッサージセラピスト。2004年よりThe Humansと、またニューヨーク在住のK.J.Holmes、シカゴにて加藤文子、Julia Rae Antonick等とダンサーとしてコラボレーションを行う。2015年、Links Hall LinkUPアーティスト・イン・レジデンスを受賞。近年、Body-Mind Centering (tm) や、演劇の Lucid Body(ルーシッド・ボディ) Technique、及び Grotowski (グロトフスキ)に基づく手法を取り入れ、ヴォーカル、演劇身体表現、解剖学の知識を発展させたダンス作品の制作に取り組んでいる。

ジェシー・ヤング Jessie Young

舞踊家、振付家。写真家。イリノイ大学アバナ・シャンペーン校ダンス学科芸術学修士。写真、ビデオの手法を取り入れ、アスレチックな作品づくりを行う。現在までにFringeArts (フィラデルフィア), The Current Sessions (ニューヨーク), Festival International de Teatro Susana Alexander (メキシコ), Fleet Moves Dance Festival (マサチューセッツ州ケープ・コッド), The Domestic Performance Agency (ニューヨーク) 等にて作品を発表。 ダンサーとして、11を超えるカンパニーと米国内外で公演を行う。jessie-young.com

加藤文子 Ayako Kato

舞踊家、振付家。キュレーター。1998年よりAyako Kato/Art Union Humanscape芸術監督。ミシガン大学ダンス学科芸術学修士。現在、米国シカゴ在住。人間の心身に内在する自然、自己と他者の重力の感得に着目し目に見えない物を動き・舞踊を通し顕す。現在までに振付40作品を創作。50を超える音楽家との即興コラボレーションは100回を超え、米国、日本、ヨーロッパにて発表。その舞踊作品は、NYタイムズ、シカゴ・トリビューン紙等にて高い評価を受けていいる。2010年よりChicago Moving Company Hamlin Park Fieldhouse劇場アーティスト・イン・レジデンス。www.artunionhumanscape.net



森重靖宗(チェロ)www.mori-shige.com(鳥取・東京)
チェロ奏者、即興演奏家。東京在住国内外の数多くの音楽家や舞踏家等と共演。アコースティック楽器の可能性を広げて奏でられるその様々な音響は、繊細かつ豊かで独特である。時に自作曲のチェロによる弾き語りや、ピアノを使った演奏なども行う。灰野敬二率いるバンド「不失者」ではエレキベースを演奏。

横山祐太(トランペット)(鳥取・東京・シカゴ)
  トランペット奏者。即興演奏を主体に札幌にて活動中。ヨーロッパ、アジアなど、国内外のミュージシャンとライブやツアーを行う。音楽家以外にもダンサーや舞踏家との共演も多く、田仲ハル、小山彰太等と共演。

やぶくみこ(パーカッション)http://mukubaynooto.jimdo.com (鳥取・シカゴ)
  打楽器奏者/作曲家、岸和田生まれ京都在住。ジャワガムラン、ダルブッカ、瓦などのを演奏する。演劇やダンスとのコラボレーションや環境と対話する即興音楽を中心 に活動中。淡路島にて瓦の音楽プロジェクト進行中。京都のガムラングループスカル・グンディス主宰。


木野彩子(振付・構成)http://saikokino.jimdo.com 
  札幌生まれ。幼少よりモダンダンスを始める。お茶の水女子大学にて舞踊教育学を専攻。卒業後は牧野京子のもとで学び、ソロを中心に自らの身体と向かい合った作品作りを行う。”Edge”Yokohama solo duo competition2003横浜市芸術文化振興財団賞を受賞。以降日韓ダンスコンタクト、ネクストウェーブダンスなど横浜、東京、ソウルで作品発表を行なう。 2004年より文化庁在外派遣研修員としてパリで研修、2005年よりロンドンにてRussell Maliphant Companyのダンサーとして活動。 The Place Prize 2008のコミッションをうけて制作した作品”IchI”は好評をえた。2009年より神奈川と札幌を拠点に日本での活動をはじめる。川崎市アートセンタークリエイションサポート事業対象アーティストとしてワークショップとダイアログから映像を制作するAMANOGAWAプロジェクトをたちあげ、現在も全国各地へ運ぶべく活動を続けている。

指導者として大学短大で身体表現教育に携わる他、子育て世代及びシニア向けワークショップ、中高生向けワークショップを展開、ダンスを一般へと広める活動を行っている。静岡舞台芸術センター(SPAC)のSPAC enfantプロジェクトタカセの夢””Angels”2010年よりカメルーン人振付家メルランニヤカムの振付アシスタントとして参加している。

2016年より鳥取大学芸術文化センター講師。