2020年6月4日木曜日

「7日間ブックカバーチャレンジ」その3

「7日間ブックカバーチャレンジ」その3
結構選ぶのが難しいのですがやはり入れておいたほうがいいのかなと思い、載せておきます。
安部公房「箱男」(写真は縁あっていただいた1973年のもの)

安部公房も結構好きで、個人的には「壁」をよく読んでいたのですが、こちらで3種類の作品ができました。
ギャラリーパフォーマンス(赤レンガギャラリー)、「キノハコノコ」(岡本太郎美術館、映像ヒグマ春男さんとの共同制作、インスタレーション)、「箱女」(赤レンガホール版die pratze版、映像城戸晃一さんとの共同制作、舞台作品)。
ロッカーに入ったスーツ姿の女がずっと出てこない、最終的にはいつの間にか消えてしまう。(消えない版もある。お前は引田天功かと言うツッコミ多数)「消滅の美学」に憧れます。夢なんです。今も昔も。

私の中ではスーパーファンタジーワールドで好きなのですが、箱女は上演のたびにビデオとロッカー1台ずつダメにするし、ヨーロッパでやろうとしたらあの規格サイズのロッカーがなくて、上演できなかった(わざわざ輸送するほどのものでもない)りしているうちに、身体の柔軟性が厳しくなってきて、再演できなくなっている作品です。
最強に引きこもり(そんなわけで城戸さんは命の恩人です。本当にありがとう)だったら、最強にファンタジーなものが生まれる。このコロナのような状況だからこそ、そういう作品が生まれるかもしれないとも思います。
なお、現在は授業も夏至祭の準備もしているし、日常生活は送れているので大人にはなったとは言えますが、思考的には全人生を通じて「箱女」時代を上回る引きこもり真っ暗闇期にいます。次の飛躍は何処へ?

安部公房については「砂の女」を鳥取にいる間にぜひ作ってくれと言われています。宿題ですね。

「箱女」の参考に。ダンコレ20年に合わせて「閉所空間のコンセプチュアルダンス」について書いてと言う依頼を受けて書いた文章。なお、私の年についての表題が「引きこもりを打ち破る力」であったことも載せておきます。文字通り。

振付が身体の状態を規定する運動を作るのならば、環境を制限し「せざるをえない」身体を作ることも振付といえるのではないか。縛られるからこそ表現は生まれる。Edgeも箱女もそのようにして生まれた。
私は狭い所で踊る人と思われるらしく今回閉所空間のコンセプチュアルダンスについてというテーマを与えられた。狭い所で踊れば踊るほど私の踊りには青い空が見えるという。その逆説こそが私の特性ではないか。コンセプトはねらって作るものではなく、後から見えてきてしまうものだ。作家の意図を超えるものを作るために、私はそのときの私をそのまま出すだけである。
劇場空間とはすべての人に等しく与えられた箱であり、その中で作家達は「表現」しようと格闘している。しかし観客は既に箱の中に巻き込まれていて、しかもそれぞれの価値観で見ていることを忘れがちだ。箱から出ても箱。
「ここもけっきょくは閉ざされた空間の一部であることに変わりはなさそうだ。」(安部公房「箱男」)
劇場も、世界も、また一つの箱にすぎない。


「7日間ブックカバーチャレンジ」とは、「読書文化の普及に貢献するためのチャレンジ」で、参加方法は「好きな本を1日1冊、7日間投稿する」というもの。ルールは次の通りです。
①本についての説明はナシでOK。
②表紙画像だけアップ。
③毎日1人のFB友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いする。

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