2020年6月8日月曜日

芸術入門へ寄せられた学生さんへのコメントへの返答

芸術入門へ寄せられた学生さんへのコメントへの返答
生と死について。
私が皆さんと同年代の時「ノストラダムスの大予言」というのがあり、私が大学を卒業する頃地球は滅亡すると言われていました。私は密かにそうなったらいいなと思って、(ダンサーとしての仕事の話がきたせいもありますが)一般的な就職活動をしなかった(同級生は皆普通に就職しましたが就職氷河期とも言われていました)、そんなちょっと呑気な時代でした。
ただ、地球は滅亡しなかったのですが、私自身は既に死んだ身として余生を生きている、そんな感覚を感じています。生きている間にするべきことはした、そう思ったら、あとは何をしてもいいのではないか。
いつ死んでもいいと思ったら、少しでもこの人の役に立てたらいいなとか、みんなが幸せになれるにはどうしたらいいかなと考え始め、できることが増えました。「若い頃の苦労は買ってでもしろ」と言いますが、辛いことや悲しいことは、いつか誰かを救うことにつながります。同じように悩む人はこの世の中にきっといるはずだからです。

今、もしそういう仲間に出会えていなかったとしても、日本全国、世界と広げていけばおそらくいます。もしかしたら次の世代かもしれませんが、その人たちが生きやすくしていくためにできることがあるはずです。
その昔私の師はこんなことを言いました。演劇は時間を超える。ダンスは空間を超える。演劇に限らず、小説や論文(研究)は過去から受け取り、そして未来へと託すことができる。言葉を介して時間を超えて人と繋がることができる。ダンスは言葉がないから残らない。その代わりダイレクトに今世界中の人と繋がることができる。
多くの芸術家(と呼ばれるマイノリティ)は出会いを夢見て海外へと飛び出していきました。もちろん世界を見に行ってもいいですが、今は日本にいても出会うことが可能になっている。さらにこの日本の中にも、鳥取の中にも孤立し、どうしたらいいか分からなくて困っている人がいるかもしれません。それに気がつけるのは当事者ならではで、傷つきやすい人は気が付きやすかったりします。

今日はダンスではないですがユーリノルシュテルンのアニメーションをご紹介します。おそらくこのコロナで公開になっているのだと思いますが、ちょっと素敵なお話なので。
これと同時に本ですが「ハリネズミの願い」もあわせて。(私的にはこちらの本の方が推し)
ハリネズミは身体がハリだらけなので、嬉しくなって抱きしめようとしたら相手を傷つけてしまったりします。不安になって引きこもっていたりしますが、本当はただただ大好きな気持ちがうまく表せないだけだったりします。
芸術家の多くはそういうぶきっちょさんで怖がりで、自分なりに傷つきながら模索している人たちだったりします。普通とは少し違うものの見方をしていたりするので、一般的な幸せのかたちにはならないかもしれませんが、それが新しい時代の見方になるかもしれない。

ダンスも映画も美術も、背景を知った上で自分の感性で見てみたら、きっとわかることが増えるはずです。人間は進化しているように見えてそんなに変わっていません。
芸術も研究もちょっと人と違うものの見方に気がついてしまった孤独な人のためにあると私は思っています。


おまけ
音声をパワーポイントに録音し自動再生で見られる番組のようなものを作るのですが、1回行ったあと確認したら録音ができていないことが判明。やり直しをすることに。
内容は多少違う(ライブで語るので、その時のノリ具合で学生アンケートへのコメントやこまかな内容は変動する)はずなのだけれど、見事に52分20秒。体内時計の感覚なのか同じ時間で再録音。職業的な新しい適応みたいなものを感じる。

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