2009年12月31日木曜日

煉獄とは

えらい時間があいてしまいましたがロメオさんの神曲第2部についてかこうと思います。
煉獄とはキリスト者として罪の贖いを受けて救済を約束されていながら、小罪および罰の償いが残っているため、浄化を必要とする者のためにある場所(fromうぃき、ごめんなさいね、ちゃんと調べていなくて)とあります。
描かれているのはごく一般的な、しかし裕福な父、母、子供のいる家庭。アシュフォードさんがいっていた日本では上演できなさそうというのはセクシャルな表現(性的虐待を思わせるイメージさせる表現)とあまりにセットが大掛かりすぎてどうやってもっていくんだ?日本の小さな劇場機構でできるのか?という意味だったようなのですが、いずれにしてもこの救いのない描写は、このタイトルによって救われるという構造があります。
これは演劇である。リアルではない、という前置きがあるからこそ見ることができる。
さらにこのような家庭はどこにでもあり得るかもしれない。しかしそれらはすべて煉獄の中での浄化の過程である。どんなことも、どんなつらいこともすべては浄化の過程とみることでどれだけ救われるだろうか。
地獄編の方がまだ作品そのものの救い効果は高く、だからこそ煉獄編だけ見るのはお勧めできないということだったようで、かなりずっしりとこたえて帰ってきたのでした。
私の知人の演出家は最高傑作といっていましたが、それは同感で、これだけ全く異なるアプローチを連作でみせる手腕には脱帽です。そして、非常に美しい。


なお、見ながらまちゃみ(大学の同級生)の三島論を思い出しました。なつかしい。

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