2012年4月29日日曜日

即興のめざすところ

最近、即興と作品化について考えている。
最終的に即興はなにを目指すのだろうか。どこへ向かうのだろうか。
即興ダンスあるいは即興音楽の友人をよく見に行くが、もちろんそのたびたびごとに、いろいろな組み合わせがあり、新しい出会いがある。ただ、新しい出会いを楽しむだけであれば継続していく意味みたいなものが見えてこない。
即興の中にもある種のパターンがあり、それを利用してうまくまとめてしまっているのではないかと考える。何となく最後うまく盛り上げといて落とす(終わる)とか。

終わりといえば終わる瞬間というのがある。
確実にあ、終わったねというのがわかる瞬間がある。
でもそれに気がつける人と気がつけない人がいる。
複数人でセッションしていると終われた人と終りそびれた(というか本人はまだ続いているつもり)人に分かれることもあり、なかなか終ることができなかったりする。
でもこの感覚、この感触というのはとても重要なことではないかと思う。
ちなみに親切な(本人はそういうつもりはないのかもしれないが)人だと「そろそろ終わりだと思うんだけれど、どうおもう?」という雰囲気があったりする。
でも本当はそういう???の時間がなしに、お互いに、いまのだねという瞬間を共有できなきゃと思う。
でもその瞬間を共有できた人というのは実はそんなに多くない。

ここにあるべき音、ここにあるべき身体、かたち、そういうものをきちんと作り出せるようと思って私は即興の踊りを踊る。しかしそれが即興の最終目的なのかは疑問である。
ただ、そのきちんと終る瞬間は大切にしたい気がした。



杉劇リコーダーず定期演奏会

2010年、かめりあに参加してくださった杉劇リコーダーず(「こどもたちがうまれるとき」)はその後再演を重ねに重ね、はては新潟までいってしまい、その間にもどんどん人が増え、今年も定期演奏会を開くということで見に行くことに。
子供たちはまた大きくなり、(小学生の1年は大きい)さのくん(作品内でひとりぼっちになる役どころで名演技だったためspacのみなさんに横浜のタカセ君とよばれた)はなんと中学生に。その分新しい子供たちも入り、またまたパワーアップしていました。
リコーダーに限らず、朗読、ダンスなんでもやってみてしまう、そして度胸の良さ、なかなかないグループです。
既に3回目の定期演奏会(来年)も決定とのこと。今後も楽しみです。
子供たちにまた踊りつくってぇーーーとお願いされてしまったのでまたなにか考えなければいけなさそうです。

おまけですが吉沢先生の演奏シーンが3部にあり、さすがです。プロとはそうあるべきだなあと思ったりしました。


2012年4月25日水曜日

チラシができあがりました

巣鴨教会用チラシが出来上がりました。配送作業にはいっていますが、一人でやっている仕事なので、ちょっと時間がかかっております。
少々おまちくださいませ。

6月1日19:30
6月2日18:30
巣鴨教会にて


表面をみると切手の部分にさりげなく遊びが。これは見た人だけのお楽しみ。




2012年4月24日火曜日

静岡オーディション

静岡より帰ってきました。
今回はタカセの夢オーディションでいってきました。もちろんニヤカムさんも一緒です。ニヤカムさんは3日の滞在、、、。かなり短期間でちょっとしんどそうでした。(ちなみに帰ったらフラッシュモブの振り付けをするのだといって練習していました。私もさりげにおぼえました。400人が踊るのだとか)

今回は2年間のくくりなので、年齢的にもできる子が限られてしまったところはありますが、その分やる気のある子が集まったのではないかと思います。
昨年までのメンバーのほとんど(7人)が受験・卒業で抜けるため大幅入れ替わり、大幅若返りをしました。
2年前中1でちびっ子3人組(実際に作品内でもそういうシーンがある)のタカセ・シズ・ミユの三人がお兄さんお姉さんになり、次なるちびっ子たちをひっぱっていきます。
前回の作品だとちびっ子タカセを強い女の子たちが守る!というかんじもあったのですが、今度はどのようになるのでしょうか。

まずはビデオを見ながらもとの形を覚え、おそらく少しずつそれぞれのキャラクターにあわせてかわってくことでしょう。また新しい冒険が始まります。


前回メンバーのみきちゃん、なっちゃんが顔をのぞかせにきてくれて、久々に再会。今度は静岡県民劇団で大人に交じって芝居にでることになったのだとか。また、どっちかというとひかえめだったるーたんは演劇コースのある学校に入ってばりばりがんばっているとか。
それぞれの一歩を踏み出す春になったようです。


また夏休みに!

2012年4月20日金曜日

再び静岡へ

学校仕事をおえ(ちなみに今日は久々にラジオ体操を踊りました。おさらいのため、第一第二ともに、朝からずっとまわってました)、今から静岡いってきます。また子供たちとの出会いがまっています。オーディションはいつ、何回やっても緊張します。
ニヤカムさんも久しぶり!
太陽のような人がまたやってきます。いざ!


追記
オーディションは午後からで、ニヤカムさんは時差ぼけと疲れがあるので、午前中は舞台芸術公園でのんびり、ぜいたくなときをすごす。うぐいすがないてます。ニヤカムさんはアフリカからきたらしい。脚がむくんで大変だそう。

2012年4月17日火曜日

SENTIVAL!開幕しました

今回巣鴨教会パフォーマンスはSENTIVAL!という小劇場演劇のフェスティバルに誘われて行います。
4月から7月まで延々と続くフェスティバルが昨日開幕しました。
オープニングにあたるユニークポイントさんの「白痴」を拝見しその後トーク!に参加しました。ちなみにユーストリームでその模様は出たらしいのですが、ダンサーに話させてはいけません。情けない限り。
ただ、以前からちょっと気になっていた演出家さんにもお会いできたのはよかったです。
ダンスの演目はほとんどないのですが、気になるのはフェルデンクライスメソッドのクラスがあります。フェルデンクライス、パリでクラスを受けていたジョゼクラスのベースです。ラッセルさんも。ダンサー向けに分かりやすくなっている状態で習ったとはいえ、できれば日本語でも触れておきたいなあと思っていた身としてはちょっとうれしい出会いでした。ちなみに俗にいうダンスクラスとは違ってそのクラスの大半が床に寝たまま進行します。ラッセルカンパニーでもアレックスとかは半分寝てるかんじでさぼっていたっけ。ともあれ、ちゃんとすれば面白いワークです。ダンサーの皆様にはお勧めです。

結構地方から出てくる団体も多く、できるかぎり足を運ぼうと思っています。みなさん仲がよく、助け合いながらこのフェスティバルを作り上げてきたことがよくわかります。(ちなみに私は初めての参加)手作り感満載です。久しぶりに小劇場系演劇をみるなあとおもいました。

SENTIVAL!についてはhttp://sentival.blog43.fc2.com/をご参照ください。
読めないかもですが、チラシの裏面をのせておきます。でも私の項目は締め切りに間に合わず、タイトルもないまま。。。写真も前の写真です。

2012年4月9日月曜日

セゾン文化財団の創造型劇場におけるプロデューサーのための基礎講座

舞台芸術に関わるアーティストさんにはぜひご紹介したいと思ってのせておきます。
セゾン文化財団の創造型劇場における芸術監督、プロデューサーのための基礎講座
http://www.saison.or.jp/search_past/search_past_02.html
こんなものがあったことすら知りませんでしたが、
おそらく多くの若手芸術家の人が持っておくべき視点だと思います。

日本では芸術監督といえば萬斎さんとか蜷川さんとか、野田さんとかビッグネームが何となく浮かびますが、様々な形態が考えられると思うのです。
もっと若い世代が劇場とともに考え、ともに発信していく事業に関わっていくべきで、それは舞台作品を作るというだけでなく、学校教育や観光といった地域の事情とともに舞台芸術がどのように関われるかを考える必要があって、それ故にその土地にしかないオリジナルなシステムが生まれてくるのだと思います。

実際に現場で作ってきた人の当時の話はとても興味深く(でも実はまだ途中までしか読めていません)、また今をかえていかねば今後の生き残る道はないと思うだけに、参考になります。
この2年アルテリオのサポートを受けながら、すこしずつ地域のためにできることを考えてきました。静岡の事例なども間近でみさせていただいています。

今まで日本にはそういう人がいなかった。
ではそれを作り出そうという。
振付家、舞踊団、劇団、劇場、そういうものが社会にある意味を真剣に考え、説明し、動かしてきた人の言葉です。
海外から帰ってくるとき、日本厳しい、収入どうしよう、様々に思いましたが、それと同時にでもその状況を変えなきゃいけないんじゃんとも思いました。私が教えた子供たちが帰ってきても大丈夫と思える場所にしていかなければ、どこでも生きていけると思えるようにしていかなければとも。私はかなり恵まれて生き延びれていますが、それがすごいラッキーな事なのではなく、ある程度当たり前になっていかねばいけないはずで、そのためにも今の間に自分の道を切り開く努力をしなければいけない。
と、一応元教員としては思いました。ダンサーになってしまった教え子たちもいる事だし。

途中倒れたり、公演中止になったりいろいろしていますが、それでもちゃんとがんばらねばと思います。


そんなことを考えるのは年のせいかも知れません。
今度お世話になるSentival!2012の鳴海さん(第7劇場という劇団の座長でもある)も、地方都市T市で地元発信型の劇場をつくっていきたいというような話をしていました。実際には大分先の話ですが、そういう先の事を考えるようになったり、方向性のようなことを考えるようになったりというのは最近の事です。

つい先日、30歳の若手ダンサーに周りがどんどんやめていって(結婚、子育てなどライフステージの変化に伴い)不安になるという話をされて、ここに35歳のさらに不安定な人がいるんだけれどなと思いつつ、気がつけば一山こえていたのだということを知りました。
幸か不幸か(世間一般的には不幸な方だと思う)気がつかないうちに通り過ぎ、周りのお言葉に甘えてなんとかいきのびてきました。でもそろそろちゃんと自分の力で生きる力を養わねばなりません。

では私は何ができるのだろうか。とりあえず巣鴨です。

2012年4月8日日曜日

イースターと花まつりと。

本日4月8日日曜日。
6月にお世話になる巣鴨教会さんではイースターの礼拝が。
キリストが十字架にかけられ生き返ったという復活節のお祭りでした。ゆでたまごに絵を描いたりするのですが、最近は卵アレルギーの子がふえているということで、卵型ケースに入ったチョコレートをいただきました。(兄弟で片方が食べられない・食べれるというような事がおき、配慮しているそうです)

その後友人のパフォーマンスをみにシアターXへ。
障害を持つ子供たち(年齢層は幅広い)とダンサーのワークショップから作られた作品を見ました。(ケイタケイさん主宰の月の石というグループ)その横はお寺なので、当然のごとく花まつりでお花がたくさん備えられていました。(お釈迦様の誕生日というやつです。その昔つとめていた仏教系の学校では入学式の日か翌日に花まつりの儀式を行っていました。甘茶をかけます)

ちょうど東京は桜が満開になり、よくはれた良い日になりました。

2012年4月6日金曜日

神大 身体表現法

なぜか経営学部にある身体表現法なる授業を担当しています。
海外でも通用するボディランゲージ・表現を学ぶとともに、異文化を知るという講座で、英語フランス語がよくわからないまま行って4年以上過ごしてしまった私が担当するにふさわしい(?)授業。美術とダンス(身体表現)の両方を6回ずつ受けることになっていて、そのうちダンスは様々なジャンルを1回ずつ扱うことになっています。
今年は
①ストレッチ・体ほぐし
②クラシックバレエ
西洋舞踊の基本となる重心位置、立ち方、理想を追求していく構造など
③モダンダンスからコンテンポラリーダンス
クラシックからの解放と脱力、重力を利用して自由に動いていくこと
④舞踏
体の質感についての日本的アプローチ、伝えるということを中心に
⑤あなたとおどる1日本のおどり(盆踊りなどを中心に)
立ち方の違い、日本人の体について考える
⑥あなたとおどる2サルサ
相手がいるダンス、相手を動かすということ、相手を感じるということ、コンタクトインプロビゼーションの初歩

でいこうと計画中。
ちなみに昨年はストレッチ、バレエ、コンテンポラリー、舞踏、カポエラ、サルサでした。

で、サルサ。
急遽習い始めました。
面白いんですけれどね。なにせ体の使い方が全く違うので、なかなか大変なのです。そういう違いを体験してもらう、またそこから自分の興味を選んでもらうというのはとても大切なこと。がんばって練習します。
昔アレックスに振り回されていた頃をおもいだすー。
うちのカンパニーにいたキューバ人ダンサーはタンゴもチャチャチャもサルサも全部一緒になってしまう。。。で、しょっちゅうぐるぐるまわされていた(サルサは基本的に女性はすべて受け身)のでした。ある意味本格的。なにせアレックスは元キューバ国立舞踊団。
でも私は初心者なので、少しずつ。ご興味のある方はぜひご一緒に。

2012年4月5日木曜日

TIO

Tokyo Improvisor Orchestra
先月10日(なんとAMANOGAWA収録の前日)40人くらいの即興音楽家のオーケストラとともに踊ってきました。実はAMANOGAWAのドタバタでこのブログにあげれていなかったのですが、レビューもあるそうで、ご紹介しておきます。

http://news-ombaroque.blogspot.jp/2012/03/tokyo-improvisers-orchestra.html

主宰のMiyaさんはBankart 野村誠ゼミで一緒だった仲。ちなみに私は当時働いているついでにアシスタントとして派遣されていたのでした。ワークショップについてのワークショップ(笑)そもそもワークショップとは何なのかなど話すとても面白い会でした。
岡本希輔さんというコントラバス(コントラチェロ)さんとはユーグ(フランス人チェリスト)つながりで知り合い、茶会記で踊っていたところを声かけていただきました。
本当はオーケストラなので音楽の人だけなのですが、なぜかダンスも2人ほど。佐渡島君(オイリュトミスト)と一緒に踊ることになりました。(なお、リカルドさんによればロンドン、ベルリンなどではダンスはあまりないそう。ダンスの場合はダンスメインで音楽の人は一人とか二人とか。ダンスがオーケストラの中に混じっているというのは珍しいと絶賛されました。)
リカルドさんはオーケストラの中にまざっちゃったダンサー2人のために特別なサイン(歩く・私の中ではマルシェ)をつくってくださり、彩子用いすを用意してくれました。(でも本番では佐渡島君にとられてしまった、、、)そういうわけで、ダンサーもいるTIOがスタートしました。

なお、TIOは今後定期的に開催していくようです。現在の予定では次は7月。ご興味のある方、ぜひご覧くださいませ。

なお、
http://news-ombaroque.blogspot.jp/2012/03/tokyo-improvisers-orchestra.html
ライターの北里義之さんが前回のコンサートのレビューを書いてくださったので、ご参考まで。

2012年4月3日火曜日

現代舞踊について

全国舞踊コンクール創作部門決勝をみる。

神戸(all japan dance festival)からもはなれてしばらくたち、コンクールとはあまり縁がなく暮らしているが、はたと思い立ち見に行くことにした。

現代舞踊はモダンダンスあるいはコンテンポラリーダンスと訳される。英語的に両者に差はないが、日本では確実に別のものとされていて、モダンダンスは古いものと考えられている。(ちなみにラッセルさんなどもモダン部門で表彰されたりしていたので、本当に英国的には差はないと思う)何が違うのか。
私なりに考えるその差異は見る人の視点をどの程考えているかではないかと考えている。
つまり作者のいいたいことを一方的に伝える、圧倒させるところに主軸をおくか、それぞれの人の考え方にゆだねられるよう多様性を持たせるかの違い。
多様性を認めるということはその分曖昧になったり弱くなることもあるかもしれない。

もしくは身体論、あるいは作品の構造そのものにフォーカスを当てそれらをぶっ壊す新しい概念を打ち立てるもの。
これらは面白い、面白くないとかいう次元とは全く異なる考え方かもしれない。

こういう世界に対し何を持って「よい」といえるのだろうか。
多くのコンペティションは疑問を持ちながら、続いてきた。たくさんの審査員の方とお話をし、それぞれのコンペティションの目指すところ、また、方向性などいろいろ伺ってきたし、それぞれに納得できる理由をみてきた。それでも優劣を付ける必要性があるのかなど考えさせられる。バニョレが出会いの場になってかなりの年月になる。私自身もそのようなコンペの恩恵にあずかった身ではあるが、本当に必要なのだろうか。改めて思う。
また、ここで優れているといわれてその後どこにつながるというのだろうか。

6分の中にすべてを込めるというのは本当に難しい。
そして作品というのは本来、その見せ方、提示の仕方から問われるべきであり、6分という一律の時間枠で決めることではない。
今回私の作品は映像化し、展示という形態をとったこともあり、余計に気にかかった。
大切なことは多くの人の目に触れさせ、またそこからのつながりを生み出していくことではないか。そういう意味でとても閉じたコンクールで残念な気がした。

それでも、コンクールがあることで上演する機会が増えるという声もある。
競い合うことでレベルが向上するという声もある。
競い合うことが本当によいことなのか、そして何を目指すのかという気が私はするが。


余談だが、ものすごい短い時間の作品、短い打ち合わせ時間だろうにもかかわらず、照明ががんばっていて、驚いた。かなりの数のスペシャルライト(その作品のための特別なサスなど)を用意していて、それも驚いた。それはものすごいことだと思う。おつかれさまでした。