2012年12月31日月曜日

2012年

2012年

本当にいろんなことがありました。
そしてこんなに踊り続けた・つくり続けたのもなかなかありません。

今年1月に行うはずだった公演が中止せざるをえなくなった後、その時につくるはずだったパーツをそれぞればらばらにして実現化させようとしたら、それぞれ変化していって全く異なるものになっていきました。



「Amanogawa project」
一般の方とボディワークと話し合いを通じて映像をつくっていく。過程を大切にし、映像とテキスト、写真など記録を展示する。(川崎市アートセンター)

「Never let me go」
車掌と車掌の影によるデュエットからイメージしたソロ作品。(映像制作を川崎市アートセンターにて。初演はシアターX、宮澤賢治をテーマにした国際舞台芸術祭にて)

「からたち」
  Amanogawa projectの皆さんに協力いただき、巣鴨教会の歴史と個人の記憶と歴史を重ね合わせて作品を制作。(巣鴨教会、Sentival!の一環として)

「Piece」
銀河鉄道に組み込む予定であった田中徳崇さん(ドラム)とのデュオ(1+1=3)を4人に拡大して発表。(赤レンガ倉庫1号館10年10色)

「しづ」
静御前の舞を題材に八木美知依さん(箏)、三浦あさ子さん(照明)、宮村泉さん(衣装)とのコラボレーション(KAAT在外派遣研修員による現代舞踊公演)

これらは全く異なるもののようですが、今までつくってきたものの延長線上にあり、とても興味深いです。UTCPの講演の際に自分の作品の変化を分析していったのですが、私という人間の過渡期にあるということにも気づかされました。


これらの作品制作の間にも様々な場所で即興のパフォーマンスを行いました。特に今年は音楽との関係を意識していたように思います。

私はなぜ踊るのだろうかという単純な問いから、派生して様々な試みを行っていますが、今年の感覚では暗闇の向こうにいるあなた(観客)のためにというのが一番すっきりするきがしています。観客とかくと大きな集団のようですが、暗闇のなかで私もあなたも一人になる、その瞬間につながるために私は踊っているような気がします。

いつかとどきますように。


この1年多くの人に出会いました。
そして多くの人とおわかれしました。
私は多くのことを忘れてしまいますが(そしてアドレスデータも消えてしまう)、それでも同じ時間を過ごしたことを大切に。そのかけらをすこしずつ感じながら、また来年も歩いていきたいと思います。

今年もありがとうございました。
来年もよろしくおねがいします。



来年の目標
とりあえずパソコンを壊したり、携帯をなくしたり、アドレスとんだのそのままにしたりしないようがんばろう。
それでも忘れないでいてくれる優秀な友人達に感謝しよう。





翁について

観世能楽堂に能楽の講演をききにいく。
その日のテーマは「翁」について。
いくつか興味深い話しが出てきたのでメモ。

翁は能にあって、能にあらず。
舞台上で面を着け外すという演目はこの作品のみ。つまりその瞬間役者が神化する。おそらく田楽の色が最も残っている。

少年と翁
年をとること→死に近づく→神に近づく。そういう意味で少年(若い)と翁が尊ばれたのではないか

翁と三番叟
白い翁とその後舞われる黒い翁(狂言師が舞う三番叟)。黒いのは白い翁のパロディなのか、こちらが原型なのではないか。
伊勢大神楽でも芸についてかならず囃子てがいる。まねながら、ちゃかし、笑いを取る。(三番叟は笑いをとるかんじじゃないけれど)笑いがどれだけ日本の芸能にとって大切であったか。また笑いは福を呼ぶという。

いろいろでてきて面白い。
というか翁をみなければならない。
(そのときにも実演があったが抜粋だったので正式な舞はみれていない)
正月の演目ということで、非常に気にかかっている。


しかし「しづ」の延長上とはいえ、花祭、大神楽、翁などなど日本のお祭りを見続けている。正月再び最後までみれなかった花祭へ。防寒具、カイロ、準備そなえていってきます。


Huguesリハ

Hugues 日本にやってきました。
既にリハーサルスタート。
某川崎の体育館でいろいろ試してみます。

そもそもユーグと知り合ったのは8年(もっと?)くらい前のことだけれど、あまりにも長いこと一緒に活動をしていないので、どんなかな?ということもあって即興のトライアルを何度か、またテーマを決めていくつか。

自分が思っている以上に顔の表情がいろんなことを物語っているらしく、指摘される。物語性があるほうが、私は動きを生み出しやすいようだ。ユーグもものすごくそれを覚えているらしい。

久しぶりにいろんな話しをする。(英語、話すのも久しぶりだ。ユーグは現在日本語勉強中でかなりの日本語を覚えているが、意思疎通はやはり英語になる)
スカイプとかで話しもできるのだけれど、会って話すとやっぱり違うねえと。文明の利器はすばらしいけれど、やはり実際の存在を超えることはできないということかもしれない。


その後茶会記忘年会に。
茶会記もいつもお世話になっています。(今回の札幌用リハーサルにも場所をお借りしたりしています。福地さんありがとう!)
来年、また踊らせていただきます。よろしくお願いします。



伊勢大神楽

長らくブログのアップができないまま、年末になってしまい、慌ただしい日々をすごしています。本当は年賀状をかかねばならないのだけれど、その前にあまりにも膨大なロスした住所録の復旧作業をここ数日おこなっており、このデータが出来上がったらメールになってしまうかもしれないけれどおくれるだろうか、と考えているところ。皆様、本当に申し訳ないです。
最近の出来事のなかでいくつかあげるとすれば、愛知桑名まで伊勢大神楽なるお祭りをみにいってきました。それもクリスマスイブに。

伊勢という名前がついているものの、実際には伊勢ではなく、代神楽といって伊勢参りをするかわりに各家々にまわって門付け芸をしている人たちで、様々な演目(獅子舞、曲芸)があるものを一同に集めて行うのが、なぜかクリスマスイブ。
国の重要無形文化財。http://www.ise-daikagura.or.jp/

日本の原型はどんなものだろうということを考え、いろいろみていくと本当に面白い。


2012年12月11日火曜日

といちゃん

といちゃんは大学時代からの親友。
最近は「からたち」「piece」と立て続けに木野作品に出演(ダンサーというよりは後見人)木野作品を見る人としてもものすごく重要な位置を占めている。
別にいつもいっしょというわけではないが、たまたま戸井ちゃんが札幌にいっていた5年間の間に私もヨーロッパにいっていて、帰ってきたらまたあったこともあり、比較的よくあっている人。その戸井ちゃんが実家(愛媛)に帰るという。

東京の生活は家賃の負担も大きい。35を過ぎ、将来的なことを考えて一度仕事を辞めて(リセット)みようという決断をした。
私はそれを引き止めることはできないし、その気持ちがとてもよくわかる。
この年になると何のために生きているのだろうということもよく考える。
そしてこの生きている時間は限られている。
仕事であったり、家庭であったりそれぞれの持つ世界で今できることを一つ一つ積み上げていくしかないのだけれど。
そのために一回リセット。年を取ると動きづらくなるけれど、ここで勇気を持って踏み切ったその勇気がすばらしいと思う。

距離は離れるけれど、みんなつながっている。
同窓会の時の言葉。
愛媛にも遊びにいきます!
でもきっとその前にもう1回くらいあいましょうー


お茶っこプチ同窓会

お茶大同期は20人。(これでも他の学年と比べてとても多い。本当は15人定員)
その中には学校の先生になった子もいるし、ばりばりキャリアウーマンもいるし、ママさんもいるし本当に様々。なかなか集まることもないのだが、木野親友、といちゃんが愛媛に帰るということで急遽集合した。
急遽なもんで人数は限られるけれど、それでもパワフル。とても楽しい時を過ごす。
そのうちの一人はるちゃんの息子は私に似ているらしい。
この私たちの感覚があたりまえだと思っていたら、社会人になったり、ママになってみたら、すごい特殊だということに気づかされたという。私や某Mに比べればまあふつうだとおもっていたら、世間的にはすごい特殊で変人らしいという、、、

しかし切れ者の私の友人達は上手い具合にきりぬけている。しかもそのたぐいまれなるバイタリティで周りを感化している。

いまはこどもも小さいのであまり踊ったり踊りを見に行ったりできていないとのこと。でもいつか一緒にまた踊りましょう。


東大講演いってきました

いろいろ縁あって東京大学駒場キャンパスにて講演をしてきました。
「越境する身体」

お越し下さった皆さんも幅広く、ボディイメージの研究者さん、人類学を専門に研究しながら書道をなさっている方、演劇をやっていてボディワークのため中国拳法を学ぶ方、コンテンポラリーダンスを学ぶ高校生も。皆様本当にありがとうございます。

講演の内容は3時間
1時間半ほどコンテンポラリーダンスについてきのの作品を見ながら解説をしていき、
後半ワークショップを行い、自分の身体について目を向けるという内容でした。手はどこからのびているのか、どこまでのびるのかなどというのを実際に見せつつお話していきます。
後半のワークショップではAMANOGAWAプロジェクトやゆるのびで行っていたマッサージ、ロールアップロールダウンという作業を2人組で行い、その後ゆっくりあるきました。(2種、体内に意識を向けた状態とイメージを用いたもの)
面白いことに感想も様々で、あっという間の3時間。予想以上に早かったです。

感想紙に書いてもらえばよかった!

帰りがけに
自分の身体のことって自分一人じゃわからないものですね、人に触られたりすることではじめてわかるんだって改めて感じました。といわれ、なるほどと。私も考えさせられました。

内藤さん、UTCPの皆さんありがとうございました!

ちなみに次回は山崎広太さん、2月16日。私の即興師匠みたいなところもあるので、見に(はやしに?)いこうかと思っています。




2012年12月8日土曜日

札幌にて

札幌帰ってきました。
メインは踊りにいくぜ札幌に参加する教文ダンス部チームの作品をみに。
他にも来年1月のパフォーマンスの下見、打ち合わせ、ちらしまきなども込みで。
ついでに様々な縁がありながら、今回お借りできなかった奥井ギャラリー(なんと高校時代の先生のとこだ)、レッドベリー、コンカリ、パトス、あけぼのなどいくつか周りご挨拶。
北海道は大雪で、私が乗った便の一本あとが欠航になったり、かなり厳しい感じでした。でもいろんな人に会えて楽しい時間。怒濤の2日でした。
札幌市資料館です。パフォーマンス場所。

明日は東大

札幌から帰ってきてほっと一息、する間もなく明日はなんと東大駒場にて講演とワークショップを行います。無料。お時間ある方ぜひお越し下さい。
木野作品がどうしてうまれてきたのか、私は今何に引っかかっているか、きちんと整理して話せるよう、画策中。
東大駒場は大学時代に何度かおじゃましており、しかしいろいろ新しい建物ができていて衝撃的。

2012年12月5日水曜日

札幌へgo

明日あさってと札幌へ一回帰ります。
日曜日用の準備がまだできていなくてちょっとまずいことになっています。
ワークショップ付きなので、何をしようか画策中。
とりあえずは踊りにいくぜモードをon。

2012年12月3日月曜日

しづ終了しました

「しづ」無事終了しました。
見に来てくださった皆様、ありがとうございました。

タイトルとプログラムにのっている和歌だけではわからないかもしれませんが、静御前の舞をもとにしています。
「しづやしづ」の和歌は鶴岡八幡宮で頼朝(敵)に請われてまうことになった際によんだ歌とされています。敵のことを歌うとはと激情した頼朝を北条政子がおさめたといいます。実ははじめ通常の奉納の舞を舞ったのですが、それはたいしたことはなく、2曲目のこの舞は思いが募ったのか本当にすばらしかったらしい。
伝説になるくらいだからよほどすばらしかったのだと思うのですが、そもそも白拍子舞とはどのようなものだったのかといえば残ってはおらず(史料をもとに復元を試みている方々はいますが)、今の時代だったらどんなものだろうと考えてみたという次第です。

八木さんと初めてパフォーマンスしたのが2010年、今回再びいろいろ試してみて、3回の公演の間にも様々に変化させていきました。私自身の振りは意外にも結構決まっていて、しかし間合いなどは八木さんとの対話のように少しずつ変化していきます。とても面白い経験でした。


能狂言の世界を思えば、まだまだ甘い点もあるとは思いますが、ライブ感を生かしつつ、作品化する試みとしてはなかなか悪くないと思います。

ただ、身体性についてはまだまだ課題が多く、長期戦で積み上げていかねばなりません。ラッセルさんのもとでいろいろ試していたことは宿題として今ものこされています。日本人としての美しさ、私の中にあるものをきちんと見えるようにしていく作業。
これからも続けていこうと思います。

感想などもお待ちしております。

2012年12月1日土曜日

しづ初日終了しました

しづ初日を迎えました。
今日は朝からリハーサル、ゲネ、本番と繰り返し、その度ごとに新しい何かを発見し、間合いをみつけ踊りました。
今日の本番はえらく衣装が絡まってしまい、ちょっと反省。そして激しいところはもう一押しいけるのではないかと思いつつ、ちょっと迷いが出た自分。それも反省。
もっと遊べる。
明日は2本番。八木さんの音の中、およがせていただきます。

チケットは品薄とのこと。明日いらっしゃる方は、予約あるいは一度確認の連絡を入れた方が確実です。劇場にてお待ちいたしております。