2014年2月11日火曜日

静の皆様

静の皆様

今回公演「静」に関わってくださった皆様、本当にありがとうございました。
この作品は2010年より少しずつ進行してきたプログラムであり、多くの方の協力により成り立っています。ここにお礼申し上げます。

◎八木美知依さん
今回の主役!あの箏の音色なしには静は生まれなかったと思います。また、最後の終り方は「しづ」のときより、すべては箏の曲の一部としておさめてきました。これも八木さんの強さゆえのこと。(ご本人は舞台上に歩いて出るなんて!とびっくりしていましたが)
今回「水晶の夢」と若宮シーンの音楽を新しくつくってくださいました。歌詞もまた美しいです。ありがとうございました。

◎Mark.E.Rappaportさん
八木さんの旦那さまでジャズ業界では知らない人のいない批評家さんでもあります。今回八木さんのPAをかねて参加いただいただけでなく、チラシの作成などにもご協力いただきました。木野の英語はかなり問題ありなので、チェックしていただいたり、本当に助けられました。心強かったです。

◎三浦あさ子さん
木野作品には「かめりあ」より関わってくださっています。今回アルテリオでの照明トライアルなどもふまえた内容となっており、ここまでみてきていただけたこと、様々なアドバイスをうけたことが生かされていたように思います。
倉庫ということもあり、照明はシンプル、最小限にとは話していましたが、とても美しい空間でした。まさかこんなに全面使うことになろうとはと思ったことでしょう。ありがとうございます。

◎古谷さん
照明は一人でできるものではなく、必ず助ける人が必要です。今回初めてお会いしましたが、強力な助っ人さんでした。またゆっくりおはなしできる時を楽しみにしています。

◎宮村泉さん
「しづ」のときの衣装をつくってくださった宮村さん。今回も八木さんがきているドレスは宮村さんがそのときに作成してくださったものです。私の衣装も本当に美しかったのですが、今回倉庫空間になったこと、また静は「賤」とする存在であったことをふまえ、衣装をかえることにしました。
しかしながら、宮村さんの長い裾のイメージはもっと絡まっていくべきではないか、もっと身動きが取れなくなっていってしまうものではないか(道成寺の蛇などのイメージも含まれます)と思い、発展させて一つのシーンを形成することになりました。
とても美しいイメージをくださりありがとうございます。

◎小熊栄さん
写真家の小熊さん、よくライブハウスなどにも見に来てくださっています。今回前日まで新潟、翌日から岡山という忙しい中きてくださり、すてきな写真をたくさんとってくださいました。ありがとうございます。

◎古里麻衣さん
「Amanogawa」「からたち」シリーズでも手伝ってくださっている古里さんが今回も撮影してくださいました。いつもスタッフと兼用のようになってしまい、いろいろ振り回してしまっていますが、とても優しい写真を撮ってくださいます。ありがとうございます。

◎たきしまひろよしさん、いりべしんさん
いつもbankart公演をとっていらっしゃるたきしまさんに今回の映像撮影をお願いしました。思えばbankartでアルバイトをしている時からよく知っており長い付き合いです。柱があり、しかもダンサーがあちこちに移動していくタイプの公演は撮影が難しいだけに、いろいろ苦労させました。そして大雪のなかちゃんと帰れたでしょうか。心配です。
いりべさんは白州の時からつながっていて、懐かしい!うれしいことです。

◎蔀くん、石井くん
白州つながりで手伝いにきてくれた二人。この作品は布のことなどもあり結構手伝い人員が必要で、とても助かりました。白州は2006年のことなので、よくぞと思います。

◎富士栄さん
土曜日のお手伝いが急遽不足し、急にお願いをしてきていただきました。なんとあの雪の中!大変なことになりました(なお、本当は仕事があるはずだったのが雪のせいで中止になったそうです)。Amanogawaも参加してくれていましたが、舞台慣れしていることもあり、てきぱきと動いてくださって、撤収も大幅に時間短縮できました。心強い存在です。

◎内藤さん
いつも写真をとってくださっている内藤さんは今回車をだしてくださったり、受付を担当してくださったり、裏まわりをお願いしました。この緊急事態(警報がでているのに信じらんない!だそうです)に公演をするなんて!といいながらもしっかり支えてくださり、本当に感謝しています。様々な事情があり舞台監督をおかずに開いている公演なので、スタッフの皆さんの協力がなければ成り立ちません。
皆様ありがとうございました!

静プログラムノーツ

静プログラムノーツ

本日はご来場いただき誠にありがとうございます。
伝説の白拍子、静御前とはどのような人であったのかに想いをはせながら、作品作りを行ってきました。
白拍子というものが伝承されておらず、私の作品もあくまで一つのアイデアでしかありませんが、もしも静という人がこの現代によみがえったならととらえなおしてみました。
愛する人を想うがゆえに蛇となり、鐘にとりついてしまう道成寺の白拍子や、愛する人を待ちつづけ白河のように髪が真っ白になってしまった檜垣の白拍子、中世の様々な女性の姿をみてきて、私が静からうけたのは一人で生きていく覚悟と強さでした。
最終的に吉野山で義経と別れたあと再び会うことはなく、その子供も殺されてしまい、頼る人もなく静は悲しみの中なくなったと思われます。
しかしながらその強さは日本全国で伝説として語り継がれることとなります。
白拍子は遊女のように時代を経るにつれて身を落としていきます。しかし元々は神に祈るために踊ってきました。静は鶴岡八幡宮で何を踊ったのか。それを探そうとする試みです。

この作品は2010年ギャラリー招山(由比ケ浜)でのパフォーマンスと「しづ」(2012 神奈川芸術劇場大スタジオ 文化庁新進芸術家海外研修員による現代舞踊公演)をふまえて作成しました。関わり支えてくださった皆様に御礼申し上げます。                                                                             
                                                                                   
                                                                                                                        木野彩子








白拍子とは
もともとは拍子とともに歌う歌、その後その歌に合わせて踊る踊り、またその踊りを踊る職業の総称をさすようになった。
    多久助が申(し)けるは、通憲入道、舞の手の中に興ある事どもをえらびて、いその禅師といひける女に教(へ)てまはせけり。白き水干に、鞘巻を差させ、烏帽子をひき入(れ)たりければ、男舞とぞいひける。禅師がむすめ、静と云(ひ)ける、この芸をつげり。これ白拍子の根本なり。仏神の本縁をうたふ。(『徒然草』)
とあり、曲舞のように神仏のありがたさを謡いつつといたものであり、男装の舞であったようである。

   白拍子舞とはどのようなものだったのか


白拍子にあわせて踊られた踊り。
まず一声(和歌朗詠など)があり
舞台を一周した後
白拍子の謡舞があり
最後に「セメ」と呼ばれる足拍子を踏むシーンがあったと言われている。
静が鶴岡八幡宮で舞った際には「しんむしやうの曲」を謡ったが、その場にそぐわないと思った工藤佑経が「セメ」とよばれる終わりの急な調子の鼓をうったので、静は「君が代の」とあげたという。(『義経記巻6』)
『今様之書』には右のような記述がある。
(沖本幸子『白拍子舞から幸若舞へ』国文学解釈と鑑賞74(10),2009

(本来ここに図が載るはずですがウェブにあがらないようなので後日つけます)



 能「道成寺」「檜垣」には白拍子がシテとして登場し、乱(蘭)拍子を踏む。この乱拍子は当時の白拍子が舞っていたところから取り入れられたという説もある。

◎ 静御前とは
 悲劇の英雄源義経の愛人。99人の巫女が降らせることができなかった雨を降らしたと言われる舞の名人。吉野山での義経との別れは能「吉野静」に表されており、気の強い女性であったらしい。
 鎌倉幕府(頼朝)にとらわれた後、鶴岡八幡宮で舞うことになった際、
「しづやしづ しづのおだまき くりかえし むかしをいまに なすよしもがな」
「よしのやま みねのしらゆき ふみわけて いりにしひとの あとぞこいしき」
と義経を恋う歌を歌い、頼朝を怒らせたという逸話も知られている(『吾妻鏡』)。





日時:           27日(金)21:30開演、 
28日(土)20:00 開演(両日とも開場は15分前)
場所:          BankART Studio NYK 3Cギャラリー
神奈川県横浜市中区海岸通3丁目9
料金:          3000円、TPAM パスホルター/学生 2500円(要予約)

構成出演:                    木野彩子
音楽出演:                    八木美知依(17絃箏、21絃箏、歌)
照明:                          三浦あさ子
オリジナル衣装デザイン:   宮村 泉
音響効果:                     Mark. E. Rappaport
記録写真:                     小熊 栄、古里麻衣
記録映像:                     たきしまひろよし(PLASTIC RAINS
協力:               Mark. E. Rappaport、内藤久義、蔀 健、石井順也、富士栄秀也
スタジオマキノ、日本基督教団巣鴨教会
BankART Studio NYK



主催:          キノコチケット/木野彩子 kinokoticket@gmail.com
                   2014 TPAM Showcase 参加作品 [www.tpam.or.jp]     




静について



お越し下さった皆様本当にありがとうございました。
ご存知のとおり、2日目2月8日は20数年ぶりの記録的大雪となり、多くの交通機関が麻痺という過酷な状況でした。しかしながら、この場所、このメンバーが集えることはなかなかないため決行させていただきました。
交通機関の麻痺などにより来られなかった方、途中まで向かったけれどあきらめた方も多くいらっしゃいました。本当にすみません。
しかしながら、雪の効果(窓の外が白く見える)や風音の効果などもあり、緊張感と相まって私たちの中では本当に忘れられない舞台となりました。
レンガ倉庫がみえません。このあと更なる猛吹雪になって積雪27cmとか。ちなみにあまりの雪で家に入れませんでした。八木さんは家から出られなくてすごい困ったそうです。


このような機会に立ち会っていただいた20名を超えるお客様、きちんとお帰りになれたのかが心配ですが、ありがとうございました。
見に来られなかった方のためにも舞台写真をいくつかのせておきます。
またいつかご覧いただけるよう今後もがんばっていきたいと思います。





写真:小熊栄
Photo
Photo
Photo写真:古里麻衣

近々正式に送られてくるはずなので、そのときにまた。
雪の窓の前にみんなで集合写真。





静 
写真:内藤久義

日時:201427日(金)21:30開演、2月8日(土)20:00開演(開場は15分前)
場所: Bankart  Studio NYK 3Cギャラリー 神奈川県横浜市中区海岸通3丁目9 
料金:3000円、TPAMパスホルダー、学生2500(要予約)
構成、出演:木野彩子
音楽、出演:八木美知依(17絃箏、21絃箏、歌)
照明:三浦あさ子




「静」公演のご案内

いつもお世話になっております。
このたびTPAMショーケース参加作品として「静」を上演することになりました。
「静」というタイトルは有名な白拍子静御前よりつけさせていただきました。
日本中世における男装の舞である白拍子舞は巫女と遊女という両極の女性像を内在しており、舞踊の根源を探るうえでとても興味深い事例だと考えます。しかしながら現在伝承されてはいません。資料や民俗芸能へのリサーチを元に現代における白拍子の舞を創り出そうと考えました。昨年神奈川芸術劇場にて発表した20分作品「しづ」を元に、音楽に国内外で活躍する箏奏者八木美知依さんと照明三浦あさ子さんを招き、祈りのダンスをBankART NYK 3階の倉庫空間に浮かびあがらせます。

TPAMショーケース参加作品です。ダンコレ期間に開くことにしたため、超レイトショーとなっております。ご注意ください。
TPAMのページはこちら

English 
http://www.tpam.or.jp/2014/program/showing/tpamshowcase/saiko_kino/?lang=en



なお、こちらは昨年KAAT版「しづ」の写真です。
写真:Mark.E.Rapapport




2014年2月5日水曜日

静リハ⑥@BankART

静リハ
いよいよ本番がせまってきて、今日はBankART3階でのリハーサルとなりました。
八木さん、Markさん、三浦さんも一緒です。
私は踊るのでいっぱいいっぱいでしたが、八木さんがちゃんと写真も撮ってくださっていました!八木さん新曲「水晶の夢」というタイトルなのですね!すてき。
ちなみにその歌とは別にこの作品のための曲(歌ではなく箏のみの曲)もあり、それもなかなかすてきなのです。
http://michiyo-yagi.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-feac.html

BankARTは昔のバイト先でもあり、懐かしい場所でもあります。
でかい。
そしてこのぽつんと感。
「しづ」のあとこの作品に適した場所はどこだろう?という話しになり、倉庫という言葉がぽつんとあがったとこから1年。倉庫、たしかに。そして音の響きも凄まじく、衝撃的な迫力です。やはりこの場所は正解だったと。実現めざしてがんばります。

でも実はコンクリの床のせいもあり結構身体はきつく、お風呂に入らねば。(土だらけのせいもあります。。。)あと数日しっかりメンテナンスしながらのりきろうとおもいます。



三浦さんと八木さんより、木野さんちゃんとたべてるの!?と心配の声が。食べてます。すごい食べてます。この作品は本当に体力勝負の色彩がみえてきました。。。