2013年9月29日日曜日

バミ祭り2013


9月28日 バミ祭り@両国門天ホール

マリンバ奏者の方波見智子さんにさそわれて即興で踊ってきました。
両国門天初めての参加。ちなみに門天は前回のバミ祭りの直後に閉館、移転しました。
門天の天は天井の天で、高い天井とスタンウェイのピアノが特色だったのですが、両国門天は天井が低く、手を挙げると灯体に触ってしまうというダンサー的にはちょっと悲しい状況(涙)ジャンプ封印です。
しかしながら会自体はクラシックから現代音楽、即興までバラエティにとんだ内容でした。

1日めは千野さん(ピアノ)とバミさんのデュオ即興2セット。
個人的にはじめのセット、と最後の1曲がよかったと思っています。
千野さんは音源はきいていましたが、今回、いい意味で裏切られ、うむむとうならされました。ピアノは上地くんはじめかなりきいているし、友人も多いのですが、音数の少ないところでの響き、揺らぎなどの表現力はさすがだなあと。

ピアノは打楽器でもあるので、弦のバイオリンがきけなかったのが残念ですが、これはいつか実現するだろうと思い楽しみにしています!

2日めは
巣鴨教会でお世話になった香取あささんとバミさんのデュオ、マリンバトリオのクラシックチームと即興系とで全然違う展開になりました。
プログラムにはなかったのですが、バラフォン(マリンバの原型なのです)と木野ダンスの短めデュオなどもまぜかなり盛りだくさんの内容でした。
盆猫にらさわさんにお会いできなかったのが残念でしたが(体調不良で今回はお休み、、、昨年のバミ祭りでご一緒しています)たきなみさん(尺八、1回めのTIOでご一緒)と再会したりと楽しい会になりました。

お越し下さった皆様ありがとうございます!



「からだのじかん」@阿佐ヶ谷美術専門学校


「からだのじかん」@阿佐ヶ谷美術専門学校
美術(イメージクリエーション学科)の学生さん向けの特別ワークショップを行いました。

実は3年めになるこの企画。
普段コンピューターや絵画などアトリエにこもりきりな3年生の身体(とこころ)をほぐそうというF先生のこころづかい。3時間のワークを3回という特殊な時間枠(場所の確保の問題があり、増えたり減ったりしている)ですが、高校以来で動いた!とか、すごい筋肉痛になった!とか逆立ちはじめてチャレンジした!とかちょっとしたおどろきが楽しめる回にしています。

身体を知るということでマッサージやストレッチも行いますが、今年の学生さんはとてもアクティブな印象だったので、強引にシーンをつくったり、それをつなぎ合わせてみたり、映像にとってみたりとなかなかハードな展開になりました。

生きるということは「からだ」からはなれることはできません。
でもその「からだ」を忘れてしまいがち。
「からだ」に意識を向けてみることで、気がつけることもあるはず。

余談ですが
振付家に必要なセンスはダンサーの感覚とは別で発想やひらめきがダンサーのそれとは異なることが大切だと思っています。(実際振付家は建築家、庭園技師、美術家、映像作家など様々なジャンルからきています。日本でも昨年JCDN踊りにいくぜに参加していたカミイケさんは(舞台)美術家でした。)もしかしたらここにいる子達がダンスに目覚めたりしてなどと思ったりします。


2013年9月25日水曜日

保育士研修会にいってきました

某短大の非常勤講師を務める関係で、近くの市の保育士さんの研修会にいってきました。メインの指導は先輩の先生がつとめ、そのサポートなどをしつつ、保育士の方から様々なお話を聞きます。
今回のテーマは「ふれあい遊び」でした。

保育士の先生方はもちろん子どもの扱いになれています。なのでふれあい遊びなんてお手のものだと思います。
が、最近1歳などの低年齢児でも名前を呼びかけたりしても反応がないようなケースがあるのだそうです。(だんだんと反応をするものだということを園での活動を通じて学んでいくので、半年ほど経過した今はよくなったそうです)親子のスキンシップ、ふれあいが少なくなっているのではないか?そんな声を聞きました。なので、ふれあい遊びで家で簡単にできるものをお父さん、お母さんにお伝えしていきたいとのお話でした。
中高生でもコミュニケーションがとれない、苦手という子どもが増えているといいます。直接話せないからネットでつながっている。携帯電話が話せない学生さんも増えています。それらはもしかしたら赤ちゃんの頃の親子のふれあいでかわっていくかもしれないのではないかと少し思いました。
現在小学校、中学校ではからだほぐしやダンスの授業が必修になりからだを通したコミュニケーションを学ぶことになっています。でももしかしたらそのさらに前の段階でどれだけふれあうことができるか、自分は愛されているという実感をえることができるかでコミュニケーション能力というのは大きく変わるのではないかと考えられます。

正直共働き家庭も多い中、なかなか子どもと遊ぶ時間をつくる余裕はありません。ご飯つくっている間DVDをみててもらうというのが当たり前となってきています。
その矛盾、どうしていくのがいいのだろうと考えます。



コールシャンティさん

コールシャンティさんは巣鴨教会で活動する合唱団さん。
少人数ですが、地道にコツコツがんばっています。12月に巣鴨教会で公演を行う際に1曲(2曲?)歌ってもらおうということになり、曲目を決める話し合いがここ数週間続いています。
ちょっとヘビーな難曲もあったのですが、期間が短いこともあり、シンプルなキリエになりそうです。難曲についてはまたいつかやりたいねえ、ちょっと思い浮かぶようだと指揮者の先生も話しており、いつかの野望となりました。

社会人(仕事後にくる社会人1年生から50代60代の幅広い年齢層、これもシャンティさんが長い歴史をもっているためです)なので練習が頻繁にできるわけでもなく、1曲を仕上げるのには長い時間がかかります。なので来年の定期演奏会を見越しつつ曲も選んでいきます。既に歌ったことのある曲であっても、歌えば歌うほど新しい世界が見えてくるわけで、追求は終わりがありません。

ビクトリアが専門ですが、野外コンサートで歌うことも多いので日本語の歌詞の曲もよく歌います。今回は島唄、花、手紙。熱い方々です。

ちなみに今週末は三崎でエストニア語の歌をうたってくるのだそうです。マグロ食べてきます!って。私はバミ祭りで伺えず残念です。

永井美里さんのスタジオにいってきました。

元相模大野友だち永井美里さん(AAPA)のスタジオにいってきました。相模大野から北千住(大分移動しましたね!)へと移り、UR住宅を改良してスタジオをつくり、そのお披露目会です。
大きくはありませんが、駅からも近く、団地の中にあるため、子ども達などもたくさんいそうないいエリアです。(近くに商店街もあって住むのもよさそう)
小柄ですが芯の強いいい踊り手さんです。
多分教えるのも上手いと思う。というのもクラシックバレエからはいってシステマティックにコンテンポラリーダンスを学んでいる(ロンドンで学んでいた、私と違ってちゃんと学校にいっていたので、しっかりしています)のできちんと見せつつ教えることができる、しかもバランスよくという人です。
低価格設定なので、お近くの方はぜひどうぞ。おすすめです。
http://minori.aapa.jp

うちのエリアからだと交通費がレッスン代より高くなるという情けない事情によりむずかしいのですが、、、

2013年9月20日金曜日

言葉をこえる表現

ダンスは言葉を用いない
だから世界共通
言葉を超えることができる

とよくいう。
実際に英語がほとんどしゃべれない状態からダンサーとして生活できるようになってしまったわけだからそうなのだろう。

でも言葉を超えるはダンスの力量でというのではなく、受け取る人の感性があればある程度の共通理解はできるし、言葉はなくてもなんとかなるという感じを私は持っている。
しかし言葉があった方が便利だし、やはり本は読めた方がいいのも事実。(実際日本に帰ってきてから本を読む量は確実に増えた。海外ではほとんどよんでいなかった)なので教える学生さんには英語などの語学の勉強をしたほうがいいよという。


現在「タカセの夢」では振付アシスタントとしてかれこれ4年働いている。が、これはそもそも通訳の人を探していたが、私は通訳というほどは話せないからということでこのような形になった。実際元教員だし、海外経験もあるしということでよんでいただいたわけだが、実際訳をしつつ、詳しい説明を加えたり、アイディアを出したりすることもあるのでその名称がぴったりくると私も思う。
ニヤカムさんの話す英語は比較的シンプルなせいもあるが、最近は同時通訳に近い感じで話すことができるようになってきている。初めて見た人にはかなり驚かれる。ある程度英語ができる人には特に。私が勝手に話しているのかというと実はそうでもなくて、ニヤカムさんのいおうとしていることが波動でわかってしまい、そのまま話していくと大体あっていく(たまにあ、違ったということもあり訂正する)というもので、私自身の言葉は実はあまり入っていない。
つまり自分の意思で言っている言葉ではない言葉がつらつらとでてきているということだ。自分で話しているわけではないので、油断すると忘れてしまうから常にメモをとる。さらにすべてをきいてから訳そうとするとリズムに乗れないせいか上手くできないらしい。

これはある種の言霊のようなものではないかと思ったりもする。

この不思議な感覚を1年に約1ヶ月集中的に行っていて、(しかしはじめの頃はこんなにでてきていなかったし、もう少し木野なりの解説を付け加えていた。最近は子ども達がかなりレベルアップしたためそれがいらなくなってきたせいかもしれない)自分なのに自分じゃない感覚を味わうと、神懸かりの巫女さんとか、恐山の霊媒師とかそういうものに興味を覚える。近いのではないだろうか。あり得ないことではない。


ニヤカムさんのせいだけではなく、親しかった友人にフランス人で英語を話す人が多かったせいか私にとってフレンチイングリッシュは聞き取りやすいらしい。でも今のところ同時通訳のようなあのような訳は他の人ではできていない。

これはニヤカムさんの言葉を超える表現力によるものなのだろうか。それとも訓練すれば他の人でもできるようになる私の特殊技能なのだろうか。

   


キリスト教モード

私は同時並行で物事を進めるのがとにかく苦手で、電話をかけながら家事をするとか、スマートフォンを操りながら歩くとかそういうことはほとんどできません。さらに音楽を聴きつつ歩くのも実は結構危険なくらい、どんくさいところがあります。

現在教えの仕事と札幌企画(2種)と11月のハンダ作品のリハーサルと12月の巣鴨教会の準備を同時並行で行っていますが、私には少し(いえ、とても)手に余るようで、いろいろご迷惑をおかけしております。



ただ、ハンダ作品「告知」と12月巣鴨教会は同じキリスト教系(厳密にいうと違うのですが)なので、少し助かっていて、今はひたすらキリスト教の本と音楽をきく生活になっています。2つの作品はセレクトしている曲(パレストリーナかビクトリアか)もかなり近いのです。

12月は昨年「からたち」という作品をつくっているので、それを再演するべく考えていたのですが、コールシャンティさんというかなり面白い合唱団さんに出会ってしまったこともあり、改訂することにしました。しかしこの1年かれこれ巣鴨教会に足を運んでいると(毎週はさすがに行けないのですが)、キリスト教あるいは宗教全体についての疑問なども出てきて、今の調べもの生活に入っています。

私自身は特定の宗教を信じていなく、過去に仏教校につとめていたこともあり、仏教はある程度知ってはいました。ちなみに巣鴨教会の信者の方にもそういう方がいらして、仏教徒の照らし合わせも伺え興味深かったです。比較しながら様々な宗教をみていくのはなかなか面白いです。

昨年牧師さんはダビデ王の記述をあげ、舞踊とキリスト教のお話をしてくれました。(キリスト教下では舞踊が禁止されているイメージが強いのですが、そういう事ばかりではないのです)日本でも踊り念仏や盆踊りの例を挙げるまでもなく宗教と踊りは近い関係にあります。そして白拍子。
なので多分最終的に一つの円のようにつながっていくのではないかと思っているのですが、たまたまなのか神様の声なのか今はキリスト教を学ぶの時期のようです。ただ今のペースだと12月にはとても間に合いそうになく、心臓に悪い状態が続いています。牧師さんはじめとして一生かけて学び考えている人がいるわけだから当たり前なのですが。

がんばろう、、、。


ユーグ到着(でもそのまま北海道へ)

1月のdance and musicできて、すっかり札幌好きになったユーグは今回弟(とその友だち)のエレクトリックバンドをつれて来日、すぐさま札幌へ旅立ちました。
今回は横山裕太くんというTIOでご一緒しているトランぺッターさんと釧路もいっちゃうツアーです。札幌の公演はこちら。


9. 21(土)
Hugues Vincent ユーグ・ヴァンサン(electronics, cello)
Vincent Laubeuf ヴァンサン・ロブッフ(computer, electronics) Polo ポロ(computer)
+田仲ハル(舞踏+横山祐太(tp)
19:30開場 20:00開演 2500円(1drink付き)
会場:CONTE Dance & Bodyworks Center

9. 25(水)
BOLITZ japan tour 2013 with YOKOYAMA Yuta
Bolitz ボリッツ: Hugues Vincent ユーグ・ヴァンサン(electronics, cello)
Vincent Laubeuf ヴァンサン・ロブッフ(computer, electronics) Polo ポロ(computer)
+横山祐太(tp) 主催: くう&NMA
19:30開場 20:00開演 前売2500円(当日3000円)別途飲物代500円必
会場:Coo くう 札幌市中央区南1西20(南大通沿い 北向き)アウルビルB1


で、その行く前にチラシ渡しがてら話しをし、今回のdance and music の方針等を話しました。なかなか準備が間に合っていませんが、がんばります。オービタルも、まだまだ拡大中。

2013年9月19日木曜日

蜂谷真紀さんとalma en musique

蜂谷真紀さんはTIO(Tokyo Improvisers Orchestra)でたびたびご一緒していた歌い手さん。
ボイスパフォーマー。
過去3回ご一緒しているが、大抵指揮者兼踊り手。私と佐渡島くんというダンサーがいるのだけれど、三人は踊り狂います。(前回のTIOは静岡だったためお休みしました)いい音楽家さんは身体が踊る(動きは小さくとも身体に動きがあり、その波動を感じることができる)と常々思っていますが、蜂谷さんははちきれています、既に。
これまで即興音楽の方とのコラボレーションを作りつづけていますが、蜂谷さん、ぜひいつかと思っております。おもしろい!

その蜂谷さんがなぜか相模大野に来るという情報をfacebookでえて、慌てていきました。@アルマ(http://alma.syncl.jp)
なんと私の徒歩圏内に、インプロにも寛容な(蜂谷さんが何でもこなすという点は大きいが)JAZZ BARがあったとは。日野さんカルテットでのりさんがきた(駅前ショッピングストアBonoのオープン)とき以来です。
一応相模大野はjazzで売り出そうとしているらしく、ポスターは結構見かけるのですが、残念ながら私の知っている即興音楽家達の名前はありません。やはりスタンダードなjazz の方がいいのでしょうか。。。。


ともあれ、何とその場で踊ることになってしまい、facebookにはその写真が(笑)。ともあれ、楽しい時を過ごしました。幼い頃より相模大野にいたママさんともすっかり仲良し。また何かやりましょうともりあがりました。


が、このアルマさん、来月で移転だそう。がーん。
来月、渋谷エリアに移転するそうで、結構な衝撃です。せっかく出会えた相模大野人脈。
相模大野在住の方、ぜひ閉店前にお越し下さいませ。


で、蜂谷さんよりユーグとつくったCDをいただきました!
さっそくきかねばです。



2013年9月13日金曜日

Dance and Music

10月末に予定されているDance and Music情報をお知らせします。
◎札幌編
札幌編は豪華二本立て。
26日はオービタルリンク、三重より中沢れいさんも招いてあのくじびき即興開催です。しかも演劇あり、ダンスあり、音楽ありとかなり盛りだくさんなメンツが集まります。参加者はまだ募集中。ソロで表現できるかつどんな人がきても対応できるインプロ好きな方お待ちいたしております。

27日は今年1月滝川美術自然史館の杉吉さん・ユーグの出会いを元に再び集結するスペシャルイベントです。上地くんがいないのが残念ですが、気合いを入れてのぞみます。
今回杉吉さんはおそらくライブペイントできます。構成などもふつふつと考え中。
タイトルこんなですけれど、私の中では作品として出せるものにしたいと考えています。
ちなみにこれは滝川美術自然史館での一コマ。この樹は杉吉さんの作品です。

◎東京編
今回せっかくなのでその一部分だけでもということになり、いつもお世話になっている茶会記さんでのパフォーマンスを用意しました。
杉吉さん、中沢さんはいないのですが、原型をお見せできるのではないかと思います。(杉吉さん、中沢さん込みのパフォーマンスはいつかの野望と考えています。)
ちなみにユーグにあったのは2004年末。まあまさか日本でまた会うようになるとは思わなかったね、、、。そしてまさか日本大好きになって通うようになるとも思わなかったね。これは先日アーキタンツであったダレン(2005年以来よく知るロンドンっこ振付家)と同じで、執念というかこだわりって大事だと思う最近。




まろんちゃんのおうち

町田成瀬にある「まろんちゃんのおうち」で
親子ふれあい遊びの特別ワークショップを開催しました。

「まろんちゃんのおうち」は保育園が運営している一時預かり施設であると同時に、ママとこどもが気軽に立ち寄れるカフェスペースでもあります。
今回は1歳児親子のふれあい遊びということで子どものいない私としてはかなりのハードルでしたが、おだやかなムードでのんびり楽しい時を過ごしました。
3歳くらいまでにお母さん、お父さんとスキンシップをしっかりとってもらうこと、また積極的に動いて神経系の発達を促すことなどお話しました。

お土産にバナナケーキと松ぼっくりのかわいい人形もいただきました。

2013年9月1日日曜日

中学時代の友人

Facebookというのは便利なもので、15年くらいぶりに中学時代の先輩とメールのやり取りをしました。
なつかしい、ひさしぶりとかいう話しもつかの間、来週入院するんだよね、長引かないと思うんだけれどと。なんだか嫌な予感はしたのですが、むむむ、そういう年なのです。

もう若くないからね、、、と思いつつ、
帰ってきたらアフリカンダンス話でもしましょうと。
カメルーンにしてもガーナにしても。しかしまさか自分がアフリカンダンスに出会ってアフリカまで行くかもなんてことになるとは思わなかった。

約束だからね!


ダンサーになりたいというこどもたちへ

ダンサーになりたい!という子ども達がでてくる。
そもそもダンサーとはなんなのだろうか。
そもそもダンスが踊れていればいいのか?
踊りをつくる人になりたいのか、教える人になりたいのか、自分が踊れればいいのか、いろいろ話しを聞いてみる。

黒田育世ちゃんの「おたる鳥」(2012)の冒頭で「私ダンサーになるの!」と叫ぶ女の子がいました。日本において「ダンサーになる」ということはダンスを踊る環境からつくるということで、それをやってきた彼女の心なのだと思う。
出会って10年くらいになるだろうか。10年カンパニーにこだわった彼女の心意気をとてもすてきだと思ったことを覚えている。

でもダンサーになるというのは本人の意思とは関係ないものなのではないかと思う時がある。ものすごく優秀なダンサーでもオーディションではねられることはある、怪我に悩むこともある。努力とか資質の問題ではなく、運や巡り合わせの方が大きいのではないだろうかと思う。
そもそも「どうしたらプロになれるのでしょう?」という質問をする前に「気がついたらなっていた」という人が多い。

牧師さんと「音楽でも神学でも基本的におすすめしません」という話しがでてきました。(前にも同じような話しをしました)「せざるを得ない、あるいはその道に導かれる」ものだとか。私も同感です。
某舞監さんにもいわれました。「必然がある人はつづく」と。
親や教師としてはすすめません。
いろんな生き方を知り、世界を知るべきだと思うからです。
そして知った上でそれでも踊りたいというのであれば、道を切り開かねばいけません。

私のような弱小1踊子でもかなりの縁とかなりの奇跡の連続で生きている。多くの人に守られてここまできて。そんな話しをまたいつかしなければいけないですね。



スポーツとダンスの境目

ダンスは小中学校の体育で扱われることになった。必修科目。男女とも。(ちなみに女子も柔道や剣道などの武道を学ぶことになる)
体育の先生方が講習会を受けにいったり悪戦苦闘している姿がニュースなどでもでてきていたので知っている人も多いだろう。
体育と一口に言ってもそれぞれの専門によってかなり違う。柔道や剣道といった武道、水泳、体操、陸上などの個人種目、野球、サッカー、バスケットボールなどの球技。大抵の体育教師はアスリートでそれぞれ行ってきた種目があるはずでその人がすべてを教えるのはかなり無理がある。
(ついでに言うと保健体育なので、性教育から環境問題まで幅広く語らねばならずそれもかなり大変だと思う)
しかしダンスについてはそれらの中でもかなり特異で混乱したらしい。

最終的にダンスも他の種目も「身体を知る」という点で役立つ。それは確実だ。しかし他の種目が「勝つ」という目標があり、そのための動き方を学んでいき、その習得度合いで評価を出せるのに対し、ダンスは点数化できない、勝ち負けではないという点でかなりのずれがある。ここに困る教師は多いのではないだろうか。

ダンスも体育のひとくくりであり、ダンスの甲子園といわれるAll Japan dance festival in KOBEなどがある。(私もその出身者である)コンペティションであるが故に一応点数化がなされ、最高得点は文部科学大臣賞ということになっている(ちなみに一概的に点数化できないという考えから各部門賞がもうけられている)。

しかし点数化は難解であり、私は不可能だと思っている。多くの芸術スポーツ(新体操やフィギュアスケートなど)では技術(回転数や難易度で技に点数をつける)を評価基準にしているが、ダンスでは「なんだかよくわからないけれど感動した」などのことがおこり、しかも回転数や難易度とは全く別のものだというところがややこしい。

身体能力の高さとは関係ない。
点数化もできない。
そうなったときに何を教えたらいいのか?


体育それ自身も一流アスリートを育てる(見つけ出す)方向からスポーツを楽しむ層をつくる方向へシフトしているのと同様に、「教える」という視点ではなく「共に楽しむ」視点が必要になってきている。ダンスは技術を教える、上手くなるためのものではなく皆で楽しむためのものと思うことができればそんなに大変なことではない。
多様性を知り、それを楽しむこと、それがどれだけ重要なことか。
体育教師の視点の転換が求められているのだと思う。


たまたま(?)光が丘IMAホールでパフォーマンスキッズトーキョー北村成美作品をみた。10回のリハーサルを経て小学生が1時間の作品を作り上げる。今回は既にある北村作品をもとにしているとはいえ子ども達は必死でついてきたのだろうことがよくわかる。(10回のリハーサルで1時間作品をつくってしまうしげやんさんもすごいことだ!)たまたまなのか意図的なのか運動会のようにつくられており、リレーや騎馬戦などシーンも運動会モード。純粋に踊るシーン以上にそれらの運動会シーンのエネルギーが目立ったのは事実。スポーツもダンスも身体だということをあらためて感じる。しかし本当はダンスって身体だけじゃない。


余談
大学の先生がアメリカでは体育は必修科目ではないけれどダンスは必修科目なんだよねと話していた。本当か。非常に気になりつつ、今のところ資料をみつけれていないまま。