2016年2月22日月曜日

ダンスハ體育ナリ 補足

ダンスハ體育ナリ は実際に見てもらうとわかるのだが2重に意味を含んでいる。

ここで私が投げかけた問いは
ダンスと体操の違いとは何か?

芸術とは何か?
舞台芸術を教育で伝えることはできるのか?
ということであり、
結構重要なそして微妙に避けられてきた問題でもあると思う。


少なくとも私はアカデミックな教育の枠に入ることができなかったし、それは大きなコンプレックスとなった。しかしそれゆえに外からそれを見つめることができた。辺縁からしか新しいものは生まれない。わかってはいても、そして他にどれだけ認められても、いつまでもそれは残り続けていて無意識に戦っていたのだと思う。ここ6年くらいの帰国してきてからのシリーズは全て自身の経験と生き方を既存の場所などになぞらえながら作品にしてきていたが、今回の作品はまさしくその集大成的なものだと思う(しかし時間が経つとまた新たな経験が増えていくのだろう)。

修士論文と同様に私の作品は当事者研究に近く、しかしそれが普遍性を持ちうるという確信のもと作られてきた。特に今回の修論、ダン体は、歴史を踏まえ、ますますそう思うに至る。運命の輪というか巡り合わせのようなものがピタリと合さる瞬間があり、その時に出会ってしまった人が形にするしかない。作品作りとはそういうものだと私は思う。
気がついちゃったり、引っかかってしまった人はどうにかするしかない。私はちょっと人より引っかかりやすい人だったということに過ぎない。

実は自分のことを話しながら、しかし多くの人が共有しうることだけを扱っている。それは私の作家の部分だ。自分の存在を消しているからこそのこと。それに私は昨年のEn attendantとフィボナッチで気がついた。しかし静(白)の時には既にそれは始まっていたということをBankARTで踊りながら思い出した。

舞踊は空間を超え、演劇は時間を超えることができるという言葉を思い出す。
同じものを再現することはできないが、しかしその人が生きている間においては可能であり、残らないからこそ、人はいとおしく思う。ちょっと時間かかっちゃったけれど、この作品を作ることができてよかったと心から思う。20年は少なくともこの作品にとっては無駄ではなかったということだ。




2016年2月21日日曜日

家探し中




家探し中@鳥取です。
今後の予定にあるように私は鳥取に移住することになりました。
微妙なのは本当に移住するのか今でも今ひとつ実感がわかないことです。
仕方がないので、とにかく来てみて、家を探そうということになりました。
来年度の授業の打ち合わせも含め、毎日鳥取探索中です。


まず鳥取県はおよそ人口56万人。
鳥取市は16万人。

札幌は190万人、相模原市は70万人(一応政令指定都市)と比べるとわかるとは思いますが田舎です。
電車ではなく汽車です。
終電は23時です。しかも1時間に1本しかないので、常に油断できません。
「スタバではなく砂場はある」という名言を覆すようにスタバが昨年出来ました。そして同時期セブンイレブンも出来ました。
なしと砂丘しかイメージがわかないと言われますが、今の時期だとかにも温泉もおすすめです。今日はスーパーでかれい(小さいのだけれど)が2匹200円で売っていてびっくりしました。地元の方曰く食べ物は美味しいとのこと。
先日も隣のS県産の鶏肉が鳥取の大山どり(ブランド名です。大山はだいせんと読みます。大山@神奈川ではありません)と偽装されていたことが報道されていましたが、魚だけではなく海のものも山のものも揃っています。

アートに熱い皆さんがいて、先日の終電ダッシュはこのイベントを聞きに行くためにおきました。http://hospitale-project.jimdo.com/lecture/017-yishay-garbasz/

この短い期間に
とりあえずアーティストの集まるという噂の
たみ
http://www.tamitottori.com
Hakusen
http://hakusen.exblog.jp
Hospitale
http://hospitale-project.jimdo.com(来週末は野村誠さんイベントだそうです)
に伺いました。それぞれ只者ではありません。

そんなわけで鳥取遊びに来てくださる方、募集中。
とりあえず皆さまをお迎えする前に免許を取らなければいけないと覚悟しました。
(木野家は誰も運転免許を持っていない)

おまけ
学校の準備でいろいろ動いていますが、カリキュラムの全貌が明らかになってきました。
衝撃的な授業数。これはお外で頑張って活動しなさいということのようです。
 雲の上と雲の下のギャップに衝撃。ちなみに晴れるとすごいいい景色です。

これが冬の鳥取砂丘。もはや砂ではなく雪山です。そう、鳥取は雪が降ります。スキー実習は大山だそうです。



2016年2月15日月曜日

ダン体無事終了しました。

無事ダンスハ體育ナリ終了いたしました。
見に来てくださったみなさんありがとうございました。
今回怒涛の勢いでしたが、
修論と合わせてこれまでの20年分くらいの最大のトラウマ払拭ともいうべき、なかなか出来ない作業をすることができました。(テーマは全く違うんだけれど)
「舞踊は日常の生活そのものであり、あるいはまたその反映であらねばならぬ(高橋キャウの言葉)」まさしく修論であつかった限界芸術論につながって、これまでの自分の生きてきた過程が全て作品というこの数年の作品制作の方向性を統括する言葉と思います。
 そうなんです。
帰国後作った作品は全て私の祖母との対話に始まり、セミドキュメンタリーともいうべき手法になっていて、私を知る人、そしてその場所を知る人が見ると3倍くらい楽しめる作品となっています。どんな人の生活にもドラマはあり、それを見つけ出していくのが私の作業なのです。
自分のことは自分が一番分かるのでまず自分のことを話し始めたのですが、まさかこんなにもいろんなものがリンクしていたとは思っていませんでした。





さて、
先述の通り、今年春より鳥取へと参ります。本当です。

基本拠点は移りますが、おそらく生活本体はあまり変わらないだろうと思います。静岡こどもたちワークについてもできるところまでは継続していく所存です。
今後ともどうぞよろしくお願いします。

2016年2月14日日曜日

Angels16 こどもたちの自立

無事修論発表会が終わりました。
ちゃんと修了できそうです。

そんな中、静岡の子供達は外部公演。
静岡コミュニティダンスフェスティバルに参加しています。
http://spac.or.jp/news/?p=11979
当然私は東京で試験と公演のため行くことができません。
冗談みたいですが半年以上前に日程などが決まる舞台芸術業界、1年前に日程が決まる学校業界、すべてがこのひに重なっていたのです。(なお、SPAC本体は明日KAATで公演、でも見に行けるかといえばそう簡単ではない様子、、、)


心強いSPAC大人たちにこどもたちを託し、この2日は自分のことに専念させていただきます。明日、頑張らなきゃ。

あのたくましいこどもたちだからあまり心配しなくても良いのかもしれません。
私の方がかえってこどもたちから自立できるようにならないと子離れできない親のようになってしまいます。

今日のうちの先生の言葉
「辺縁から物事を見ていくということ。言葉にできないことは外から輪郭を作っていけば良い。」
今作品でその話をしようと思って、時間オーバーでカットしました。アウトサイダーだからこそ見えることがある。中にいては決して見ることができない。
今日のうちの同期の言葉
「(木野さんのやってることは)言葉と言葉の隙間を表現しているんです。だから言語化するとどうしても違和感が生じてしまう。(なので私の言葉には「でも」と「だって」と「一方で」が多いらしい)でも実演家じゃなければわからない感覚が絶対あるはずだから、それでも言語化しようとするべきだ」

さて、まだまだ続きます。
明日に備えよう。




2016年2月12日金曜日

ダン体初日あけました

本日「ダンスハ體育ナリ(?)」無事初日を迎えました。
TPAM期間中ということもあり、多くのお客様(予想を超えて)にお越しいただき、ありがとうございます。
最後10分前までパワーポイントを直していました。怒涛の勢いで進んでいますが、次回は14日バレンタインデー、それまでにさらなるブラッシュアップを図ります。
さて今回お茶の水女子大学図書館、筑波大学図書館のご協力の元、かつての舞踊教育関連本も展示しています。珍しいところでは 「お茶の水女子大の体育110年」、「精力善用国民体育(by 嘉納治五郎)」、「石井式舞踊体操(by 石井漠)など。大野研究所のご協力もあり、紙焼き写真のアルバムもお借りしています。お時間ありましたらそちらも合わせてご覧いただきたいと思います。
Today we done first show”Is dance physical education?".
Thank you for coming.
Last 10min , we still check and change power point. Next our show is 14th of Feb. We will try brush up more.
This time , supported from Ochanomizu Univ. and Tsukuba Univ. , You can watch many books about Japanese dance education.If you have time please check it !
万国旗まで張られております。




2016年2月9日火曜日

今後の予定(2016.2.9up) 

今後の予定をアップしました。
ご予約お問い合わせはkinokoticket@gmail.com(@は英数字になおしてくださいね)で承ります。

Dance Potlatch(DVD)は
送料、振込手数料がかかってしまう(本体より高い)ため、現在はBankART(馬車道、横浜),綜合芸術茶房喫茶茶会記(四谷三丁目)きの及びキノコチケット札幌支店(妹)から直接お買い求めいただいています。

どうしても!!という方はご一報ください。
各公演でも販売しています。
くわしくはこちらをご覧下さい。



2015年2月
SPACenfantが<ダンス王国Shizuoka>「コミュニティダンス・フェスティバル2016」に出演します。
JCDNが主催するコミュニティダンスのフェスティバル、今年はなんと静岡で開催ということで、SPACのこどもたちが参入する予定です。
昨日も稽古に行ってきました。今回は受験生が抜けた少人数編成ですが、常に一期一会頑張れとエール。
http://spac.or.jp/news/?p=11979
実は私今回見てあげられないのです。
常に一緒にいただけに辛い。
ラッセルカンパニー時代を思い出します。(ラッセルはギエムさん仕事を抱えていたので基本ツアーには帯同できない)


2015年2月11、14日2:00−3:00@BankART
 上は静(2014@BankART)のキノ写真、下は大野一雄さんの昔の写真です。

 今回、同級生の林洋子さんに出演してもらうことにしました。ありがとうー
大野一雄研究所に詳しい年譜はありますが、もともと体育の先生だった大野さん。
大野さんは運動神経抜群だったようですが、私は違います。


今日(12月9日)大野研究所にて慶人さんとお話ししました。学ぶことは多いです。生活とダンス、まさしく限界芸術論です。
公演情報公開されました。
大野一雄研究所:http://www.kazuoohnodancestudio.com

ダンスアーカイブプロジェクト
「ダンスハ體育ナリ」
スパック子供達が静岡で頑張っている間(SPAC大人もTPAMでメフィストを上演しているらしい)、重なる時期にスェーデン体操とデンマーク体操の話しをしなければいけないらしく、そして修論発表の日も重なっております。私のからだは三つに分かれないため、どうなるか。。。
明治期体操は軍隊を育てるため、身体訓練のために輸入されました。
ダンスの歴史を語る上でかならずでてくるこの体操、一体何ものなのか。
体育はスポーツと体操とダンスの三つに分かれるといいます。スポーツ庁ができ、教育においても体育がスポーツ庁管轄となる可能性が高い今、ダンスと体操の違いは何か、また体育になぜダンスが入ったのか。私は修了する前にそれは提言として投げかけたいと思うのです。
大野一雄さんが元中高の体育教員でそれゆえにダンスを始めたのは有名な話。(私も元中高教員)彼はダンスに何を見出したのでしょう?

TPAM page https://www.tpam.or.jp/2016/?program=ダンスアーカイヴプロジェクト2016&sf_action=get_results

Facebook Dance Archive page
https://www.facebook.com/Dance-Archive-Project-1513315678922293/?ref=hl


2月13日

実は論文発表会。ちゃんと口述試験受かりました。よかったよ。
コミュニティダンスの歴史的原点と概念の再構成に関する研究日英の現状からみたプロモーション再考のために―」
このタイトルだけですでに噛んでしまう。

2016年春
私は鳥取に行きます。そして住みます。
鳥を取りに。これは本当に銀河鉄道を地でいくのだろうかと思うのですが。とにかく行きます。

2016年9月
シカゴに行きます。冗談みたいですが本当です。En attendant,,,,,とシカゴのダンスカンパニーの皆さんに作る作品と(ほかにも何か???)。詳細は後日。




個人的に興味があるのは
舞踊の根源はどこにあるのか
シカの話し
即興を作品に取り入れつつ、「面白い」領域をめざす試み

現在も民俗舞踊全般、特にしづの元となっている白拍子舞はどのようなものであったかについては調査中。論文でも花祭(愛知県東栄町の民俗無形文化財)に少しふれています。





2016年2月6日土曜日

ママダンサー

今回参加してもらっているはやしさんは2児のママ。そのため練習は深夜、子供が寝静まってから。
コスプレではありません。



2016年2月1日月曜日

本日の稽古

林さんと復刻ダンス練習。本日のお題は「ファウスト」(メフィストではありません、ファウストです。SPACの宣伝ではありません)
一部女子校では今でも体育祭で踊り継がれている明治期スェーデン体操と一緒に輸入(by 井口あくり)されたダンスを記述をもとに(繰り返し等少し省いてはいるけれど)再現。
正直結構難しい。というか普通にバレエ経験がない子がこれやるのは結構大変。「高3が踊っていて、中学生の時から見ていた憧れのダンス」だそうで「なぜかグラウンドなのに裸足で踊っていた」とのこと。
そして「体操着になぜか制服のスカート」だったらしい。
ますます謎。


BankART溝端氏とのミーティングにより少々進路変更。
大野一雄さんは長く体育教師だったし体育のダンスも指導していたけれど「ダンスを教えることはできなかった」と話していた。
つまり体育授業のダンスと彼自身が捉えるダンスにはずれがあったのではないか。
そしてダンスは教えることはできなかったけれど、クリスマスのページェント(聖劇)は指導し続けたらしい(教員を辞めた後も)、、、というわけでそのページェント映像も見られるかもしれません。


今回レクチャーパフォーマンスという形態なので、パワーポイントを用いて資料を製作中。衣装もこんな資料をもとに作成(輿水はるみ「写真で見るお茶の水の体育100年」)。スウェーデン体操に至っては国会図書館資料をもとにたどっています。ある意味貴重、そして不思議ワールド満載です。

修論口述試験終了

無事口述試験を通りました。ありがたい限り。
社会人大学院のせいか優しい先生方。ありがたい限りです。
しかし山口先生(あの柔道のです)からのツッコミは結構根本をつくこともあり。
「ではプロモーションとしてどうしたらいいだろうか」「政策なのか、教育なのか」「そもそもそういう枠組みなのか」
宮沢賢治をして7ヶ月で潰れてしまった羅須地人協会を思うとそんな簡単に解決策は出ません。

で、せっかくスポーツの皆さんにあったので一般の意見を参考にしねばと「あなたにとってダンスってなんですか」と質問したら「J soul brothers」に始まり「リンボー」「ビンボー」様々なコメントが。レクチャーで使うべきか迷うところ。しかし皆バラエティに富んだ(飛びすぎるくらい)面白いメンバーです。

2月13日は密かに発表会。