先日中川つよしさんというリコーダー奏者さんの講演会を聴きにいった。正しくはそこについてくるルネサンス期のダンスをやってみようのコーナーに心惹かれていったのだけれど、とても興味深い。
中川さんの講演内容はエスタンビーとイスタンビエッタの違いについてであり、音楽ど素人の私としてはかなりよくわからない世界であったものの、そこで見せていただいた図像の数々はかなり面白かった。
ローマ時代以降ルネサンスまでのかなり長い時間というのは「暗黒の中世」とも呼ばれ、資料も少なくわからないことが多い。ルネサンス期にこれば楽譜などもでてくるがその前の音楽はどんなだったろうかと考えるとやはり図像をみて想像(創造?)するしかない。楽器の形も変化している。それらを復元したりすることもある。音楽でこの状態なのだからダンスも同様である。
これは日本の場合も同様で私が興味を持ってしまった白拍子なんていうのも、後に描かれた絵巻物の絵を見ながらこうだったのではと推測するしかない。またその後派生してできた踊りをもとにさかのぼっていくという作業をおこなっている。
ヨーロッパ中世の見せていただいた図像によれば日本でいう河原乞食的存在ジョングルールの様々な振る舞いが見て取れる。服装などもかなり特徴的で、差別化を図っていたのではないかと想像される。(これは日本でもほぼ同様)当時もアクロバット的な動きはかなりはやっていたようで(というかよほどインパクトに残っていたのだろう)謎のバク転とブリッジがたくさん描かれている。サロメのダンスだってバク転している。
謎のと書いたのはそれが本当にバク転だったのか疑問であるからで、明らかにおかしい関節の曲がり方をしていたためである。そもそも身体の比率的にもかなりおかしい絵が多く、小学生の落書きのような感じのものも多い。身体を見る、描写することを禁じられていた中世期らしいエピソードでもある。
何度もキリスト教下で禁止、否定されてきたがそれでも踊りがやむことはなかったという。
肝心のルネサンスダンス(?)はシンプルで楽しかった。やはり難しくないのに限る。ステップが中心ですぐに覚えることができる。身体表現の授業に使うには音楽が複雑すぎて無理そうだが、いろんなダンスをちょこっとずつ試してみるのは面白いと思う。
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