青山円形劇場にミュージカル「夢の国のちびっこバク」をみにいきました。
青山円形劇場(と青山劇場、こどもの城)は今年の3月で閉館する。
その最期のプログラムとしてこのファミリーオペレッタが行われている。(11日日曜までただし既に完売とのこと)
青山にかかわるようになって以来、正月時期に関東圏に居るときにはできるかぎりみてきた私ですが、実はそのはるか昔30年近い歴史を持っています。今年の作品は新作。これまでの30年の歩みを込めた力作でした。(実際に台詞や衣装に過去作品を織り交ぜてもいる)
円形劇場ということもあり、ここでしかみることができない演目、しかも子どもたちがあきないようにと参加型の演目。30年の間に練り上げられたもの、その集大成です。
エンターテイメント色を持ちつつ、こどもたちを諭し、でも説経くさくない。夢のような様々な踊り、歌、シーンが展開しながらこの距離感を生かしてみんなでわくわくしながら過ごす1時間半以上の時間、これだけ多くの子どもたちがいるのに飽きさせないすごさ。
まちがいなく温子先生の最高傑作です。
そしてスタッフの皆さんの愛情と
かかわる人たちの想いがこもった作品です。実際30年経っているとその昔子供として参加して親として子供を連れて見に来ていたり、スタッフとして参加していたりということがあるのです。
タカセのプロジェクトで私が感じていた原風景みたいなものはもしかしたらここにあるのかもしれないと思いました。タイプは全然違うのですが。私が高校生のときには11匹のねこ(井上ひさし原作の絵本をオリジナルミュージカルとして啓北商業、旭丘高校合同公演としてやまびこ座で上演)しました。が高校時代の私たちには継続という事は考えることができなかった。そのはるかに大きな規模でさらに30年という時間を積み重ねて成長させてきたミュージカル。
またここにかかわることによって幼児教育や遊びの範囲にふれることになりました。幼稚園の先生になる子どもたちの授業などここで観察しながら考えたものが多くあります。遊びと授業としての要求されるレベルとでかなり迷ったりもしましたが、それもまた多くの学びでした。
つまり私にとって、この場所は学び場であり、育ててもらった場でもあります。
想いや愛はひとつの財産。この劇場にかかわってきた人たちを失うことはとても残念でなりません。ここからまた新たに出発していけるのかもしれない、でもこの場所を失うことは日本の幼児、児童教育において(たまたまですが待ち時間に立ち寄ったベネッセのお兄さんに力説してしまいました)、芸術においてかなりの損失だとあらためて思います。
青山は長い間コンテンポラリーダンス、バレエの中心地でした。私自身も2003年賞をもらったもののどうしたらよいか模索している中、日韓ダンスコンタクト、ダンストリエンナーレなど作品発表をいただき助けていただきました。玉川のミュージカルにかかわったのも大きな経験でした。現在活躍しているコンテンポラリーダンサーは皆青山に育てられたと言って過言ではありません。
その根底にこのファミリーオペレッタがありました。
お時間ある方はぜひ、ご覧下さい。(完売とはいえ、当日はありえます。私も当日でいきました。要問合せ)
おまけ
私が小学4年生の時こどもの城はオープンしました。
当時渋谷区民(結構近く)だったこともあり、オープン記念で招待され、現天皇皇后にお会いしました。当時最先端だったコンピューターで絵を描いた記憶があります。
おそらく初めて見たミュージカルもこの劇場でした。青い鳥。劇団四季でしょうか。
いろんな意味で縁深い、そして懐かしさを含む土地なのです。
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