2009年10月25日日曜日

踊る受付、踊るバーテン

現在アルバイトをしているバンカートにはダンス系の方々がいる。正しくは舞踏の皆さんなのだが、私にとってはおそらく他のコンテンポラリーダンスの人よりも感覚は近いとおもう。ひまなときは、例えば昨日は批評というタイトルでシンポジウムがあり、それについて話したりしている。
ついでに稽古で何をやっているのか、とか過去の作品の話しを語っていただく。気がついたことには私の周りの舞踏家さんは皆よく語る人が多い。大野フェスで声が出ないのに話しはじめたらとまらなくなってしまった慶人さんはじめ、舞踏論、昔の話し、作品について、どの舞踏家さんもよく語る。踊る分どこかで話すことでエネルギーのバランスをとっているんだろうかと思うくらい普段はよく語る。
カタルというのはタタルとかタカルとかと同じ語源からきたものらしい。言葉と舞踏はきってはなせないものだ。
で、ついでに型のいくつかをやってみせてくれたりもする。元々いた舞踏団はとても厳しいかったらしい。とてもいい舞い手さんだとおもう。踊り手ではなく舞い手。本当は飛ぶこともあるのだろうが、しずかにたたずむ。
そういうわけでバンカートではときどき踊る受付と踊るバーテンをみかけることができます。(あんまりあわないので両方を同時にみることはなかなかできませんが)

2009年10月20日火曜日

記憶について

大野一雄フェスが終了しました。
実はここのところ尋常じゃない忙しさだったため(それぞれはそれほどでもないのだが、合わさるとすごいことになって、しかも帰りも毎日遅すぎてほとんど寝れていない状態が続いていた)、更新が遅くなってしまい、申し訳ないです。
今回禁色という舞踏のはじまりともいうべき作品を再び考えてみようという試みがあったのですが、とても面白い会でした。私は3回のうち2回目がみれなかったのですが。(その一回は札幌に行っていた間です)
私にとって何が面白かったのかといえば50年経た型をたどっていくという作業です。慶人(一雄さんの息子さん)の身体の中にある土方さんとの思い出や、当時の記憶がその型をたどっていくことによってよみがえっていきます。運動量としては多くなく、そして年老いた身体では(失礼!)当時の美男ぶりはわかりません。しかし、だからこそその思いのようなものは見えてしまうのです。
私の札幌ダンスもそうですが、30年分の記憶、その当時の作品の記憶というのは蓄積として見えてきます。ましてや50年分。その人のいきてきた軌跡をみるようなものなのです。グレングールドのゴールドベルグもそうですが(彼ははじめてのレコーディングでこれをひき、死ぬ直前にもう一度レコードしたので2種類のバージョンがあります。はじめのテイクの方があまりにもすばらしいといわれますが、その迷いや思いのこもった2回目のテイクを私の作品では使用しています。生きるということはそういうことなきがして。)。
どんな小説も1人の人の人生にはかなわない。そんな言葉を思い出しながらみていました。

もう1つ3回目の禁色の会では慶人さんディヴィーヌ抄を踊られました。父の代表作であるその作品を踊ることは彼にとってどういう意味を持っているのか、またその作品しか彼を表現することができないのだとしたらそれはとてもしんどいことだと考えさせられます。本当に美しい、いい舞台でした。それだけに、この人の生き方を感じました。
以上、すごいよい会だったので、お知らせしておきます。


2009年10月16日金曜日

札幌ダンス

札幌ダンス終了しました。
お越しいただいた皆さん、ありがとうございました。
今回もまたおどる前に山登りをしました。いい景色でしょ。
札幌はうまれ育った土地でとくにこの円山は毎日毎日みて育ちました。家がふもとだったせいもありますが(ちなみに現在も本籍はタイトルの住所にあります。番地まではいっていないけれど、大体あの辺ってことで)、高校も山の上。(開成高校との定期戦ではおさるの学校といわれる。グラウンドにはきつねもいます。)おそらくこの山は私の原風景でもあるのでしょう。
今回は多くの予想外な皆様にいらしてくださりました。昔同じ稽古場でおどっていた子や、高校時代の演劇仲間など。(恐るべきことに、ちゃんと続けていていまじゃ結構有名になったそうな)うれしいことです。
また、アンケートなどもいろいろ書いていただき、とても励みになります。
30年分(なんと恐るべきことに私はおどりはじめて30年もたったらしいということがわかりました。衝撃的です)の軌跡を辿る作業は、家や家族や札幌や、多くのことを考えるものでした。そのような機会をいただき本当に感謝しています。
また、これからどのように札幌と自分をつないでいけるのか考えていきたいと思います。

踊りにいくぜは全国各地のダンサーさんがまわっています。
今回のメンバー山下残さん、ザクロさんは横浜ダンスでもよくしっています。また宮崎大学(ンマツーポス)は大学ダンスつながりで。(高橋先生は大学の先輩にあたり、私も大学時代に宮崎でおどらせていただいた記憶があります。大学ダンスネットワークのすごさはかなりのもので、これについてはまた別項目で話さねばなりません)
私はこの札幌ご当地ダンスを佐世保で上演することになっていて、どうやってお話ししようか、悩むところです。1ヶ月後をたのしみに。


2009年10月9日金曜日

IchIについてその後

あれから2週間もたってしまって、実はいまだビデオはみれていない。(オフィシャルでとってもらったものがあるはずだがレコードできているのかも定かではない。私のビデオでリハーサルを撮ったものはとてもみれる状態ではなかった。)が、うちの先生にあったので感想をきいてみた。
あんた、まだ作品じゃないわよ。
あれちゃんと四角いとこでやんないとだめじゃないの。黒い壁のあるとこないの?
高さがみえないわねえ。(私のよいところでもあるという)
まだ若いってことね。
とことごとくいわれてしまう。

いや、そういわれてももう本人は結構がんばったと思ってるんですけれど。そういうわけでまたいつかちゃんとやらねばならないらしい。

次にやるときは電球10個だって。いや、それは既に作品がかわってしまうのではないだろうか。

厳しい師匠のお言葉でした。


おまけ:その後やったスパイラルは今日みて(写真も)その恐るべきカオスぶりにびっくりしました。写真は撮ってくれた人がうまかったので美しいんですけれど(でも私はもう少しきれいにすべきと思う。うちの子たちは皆かわいい)、ビデオはすごい。ある意味。みてみたい方は連絡ください。


2009年10月6日火曜日

bankartより

バンカート溝端さんより、今週末の鈴木さん(鈴木孝子、大野一雄フェスの一環)はいいですよ、だから見に来てくださいとのお知らせが。鈴木さんはサシャワルツダンサーなのですが、日本では知っている人は知っているけれど知らない人は知らないです。(当たり前です)
青山トリエンナーレに隠れて目立ちませんが、お時間ある方はぜひ。

とはいえ、私も拝見していないので、何ともいえないんですけれど、みたら感想アップしなければですね。

■鈴木孝子「MENUT」(メニュー) - ダンスと音楽、ビデオによる都市変層学プロジェクト-

日時:10月9日(金)1930開演  (終演後出演者によるアフタートークあり)
10月10日(土)16:00開演 (終演後出演者によるアフタートークあり)
会場:BankART Studio NYK / 3F
入場料:前売2,000円、当日2,500円、高校生以下無料 (横浜市在住者は前売り半額 ※証明できる書類等ご提示下さい)
コンセプト+ダンス 鈴木孝子
音楽 アクセル・ドーナー
ビデオ映像 祢津悠紀

横浜の街で、ダンサー/振付家の鈴木孝子、音楽家のアクセル・ドーナー、映像作家の祢津悠紀の3人がそれぞれの視点から採集したマテリアルを元に、もうひとつの街の肖像を創り上げることを試みます。時代の変化と共にめまぐるしく変化していく街の表情と、その反面置き忘れられたような街の変わらぬ表情、その両者を捉えながら探索を行います。遠距離移動が容易になって久しい現代において、それぞれがどのようにひとつの土地やそこで出会う人々とコミニケーションをとっていくのか。そこには今まで見たことのない街の肖像があるはずです。そして、それらが観客それぞれの視点と交差して、更に新たなる肖像を創りあげていくのがこのプロジェクトのねらいです。あなたは日頃どのように街と付き合ってますか、そこから何を感じ取って毎日を生きていますか。

鈴木孝子 略歴
東京にてデザインを学んだ後、1986年より舞踏家古川あんずに師事、Dance Anzu School(東京) とHochschule Bildende Kunst Braunschweig(ドイツ)でダンスを学ぶ。1992年よりベルリンの振付家、サシャ・ヴァルツとのコラボレーションを始め、1993年より Sasha Waltz & guests カンパニー創立メンバーとして主な作品に出演、多くの国際フェスティバルに招聘される。以後、様々な振付家、音楽家とのコラボレーション作品に参加(Constanza Macras, Nicola Mascia, Dietmar Diesner, Axel Doerner)。1999年~2005年、ベルリンシャウビューネ劇場にて専属ダンサーとして活動する。2005年よりカンパニー活動と並行して、様々な芸術分野のアーティストとのコラボレーション、オペラや映画作品での振付けを手掛けている。2008年、演出作品『Empire』の初公演がドレスデン市立オペラ劇場、およびドレスデン市立美術館で行われ好評を得る。

2009年10月4日日曜日

さいこはさいこだから

先日の日記に書いた「さいこはさいこだから」という言葉、それを聞いていたシン(韓国人の悪友)が「ねえ、さいこ、しってる?さいこってpsycoって書くんだよ。意味はね、クレイジー。クレイジーさいこって意味だよ」と耳打ちをしたのを覚えている。(そういう意味ではないと信じたいものだが、ラッセルさんの真意は明らかではない。)
しかし、昨日パフォーマンス中にちょっとおもった。かなり飛ばしてしまった。
しかしもっとおかしいのはあつまったメンバーみんなクレイジーな感じだったこと。特に5時からの回。カオスでした。
突然いらしてくれた浅野さん、すてきです。めちゃめちゃ遊ばせていただきました。見に来てくださった方もまたいろいろですごいハッピーなかんじのイベントになりました。(点字話しについてはまた後日)
そのあと、AAPA組をみにいって(横浜)、すごいまともにみえて(彼らはちゃんとまじめに作品を作っているし、まじめな人たちです)そのギャップのようなものにうぐぐとなりました。
で、かえってきて、今日なんですが、なんと餃子(のようなもの)を食べようとして歯が欠けました。ショックです。正しくはかけたことのある歯を止めていたのだけれど落ちてきたみたいです。そもそもは白州で定規にあたってかけたもの。(これについてはいまでも伝説のように語られている)懐かしい限りです。
気違い沙汰だったので、ちょっと休めと神様がいっているのかもしれないと思うのでした。
はい。


2009年10月2日金曜日

showcase@ SHOWCASE

こんにちは
遅くなってしまいましたがショーイングについての説明です。
10月3日、せっかくやるならいろんな人が関わって楽しくおどる感じにした方がいいのではないかと思い声をかけたら、予想以上に人数が増えてしまいました。
しかしあの狭い中にぎゅーっとなりつつしかしめちゃ動くというのが面白いのではないかとおもいます。

ダンサー:黒田なつこ(元教え子です実は。)、山本ミョンフィ(ロンドンダンサーです。現在帰国中で、トリエンナーレのWSなどをうけていたところをつかまえました)、黒田さんの友達の女の子、木野彩子。ミョンフィちゃんとなっちゃんは同い年世代だし(若い!)動きの質も近いところがあるので、あうと思います。


音楽:現在上地正彦が大まかな流れを作成中。即興ではありますが。キーボード、及びドラムとターンテーブル、バリトンサックスという編成になりそうです。

あの四角(公的には4M×4Mといわれています)の中に8人も!そして楽器はどこへ置くんだ。謎は深まりますが、何とかなるでしょう。

時間は14時20分からと17時からでおよそ15分ずつです。(なお、今津さんが14時と17時20分です)
場所は青山スパイラルビルの1Fにあるお店屋さんのあるガラス張りスペース。道路に面しています。その日は特別にスペースとなっています。その場所がSHOWCASEという名前なのです。

以上、通りすがりにのぞいてください。