タカセの夢は無事凱旋公演を終了しました。
足掛け5年に及ぶ長い旅は、静岡、東京、大阪、韓国、カメルーンと少しずつ発展し、再び楕円堂(静岡)に戻ってきました。
タカセ、ミユ、シズの3人は5年、他のメンバーも3年この作品に関わり、それぞれ大きく成長しました。初演時中1だった3人が高2になり、来年は受験生となるため今年で卒業になります。
卒業はとてもさみしいことですが、いつかは飛び出さなければなりません。これから広がっているであろう未来のために、自分の力で歩き始めなければいけないのです。
この2期生3年間は1年目はとにかく踊りを覚えることでおわりました。2年目で踊りこなせるようになり、迎えた3年目、ニヤカムさん不在時にリハーサルディレクター的な立場で関わる上で私は自立した集団を目指しました。自分たちはこの作品をどうみせていきたいか、何を伝えたいか、もう一度考えてみること。ニヤカムさんにいわれたとおりにするだけではなく自分たちの作品としてとらえること。そうしてはじめてアーティストとしてニヤカムさんと同じ立場に立つことができるようになり、それが卒業ではないかと思ったのです。
踊っているときに目を合わせること、呼吸を合わせること、お客さんと対話をすること、舞台上にいながら他の仲間とつながり、またお客さんとつながって共有する感じ。
日本国内ではこのように同じ作品で何度も本番を迎えられる状況があまりないため、このような貴重な経験を積めたことは幸せなことだと思います。
ヨーロッパでは「同じ作品何度も踊っているとあきちゃうわ」というダンサーもたくさんいます。でも毎回作品を通じて様々につながっていくことができる人は常に違う経験をしていくのであきることはありません。その中で少しずつブラッシュアップ(改良)をくりかえし、作品を練り上げていきます。
日本にいながらしかもこの年齢でこの子たちはとても貴重な経験をしました。ただここからはとても苦労するかもしれません。だから卒業はさみしいし、ちょっとしんどい。でも卒業するからこそ新しい出会いも待っています。そしてニヤカムさんからもらった種を今度はいろんな人に配る人になっていくのです。
ダンサーになりたい、役者になりたい、様々な夢をもつこの子たちが自分たちの道を切り開いていけますように。
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