2014年1月25日土曜日

白拍子の拍子 静リハ④

白拍子の拍子はまさしく足拍子の拍子である。
伝えられていないとされている白拍子舞だが、白拍子役が出てくる演目が能にはある。
「道成寺」と「檜垣」。
いずれもその見せ場は乱拍子(蘭拍子)といわれている。
(檜垣は観世の奥義として蘭拍子がはいるものが原型だという。それが序の舞にかわってしまったとも)
松岡心平さんが能の原型を探る上で非常に興味深いと白拍子の話しをとりあげていたのと、乱拍子は白拍子が踏むものといっていたのが気にかかり、道成寺をみてみる(残念ながらビデオですが。ちなみに国立能楽堂に行くとみれます。予約が必要ですがおすすめです。狂言研時代以来久々に通いました)。
乱の漢字から私たちはすごい激しいみだれを想像するもののが、結構静かなかんじで、しかし小鼓のみでときどき踏む。乱れはリズムの面で乱れのようすで、むしろ俗にいう見せ場(廻ったりとか舞として派手なもの)はそのあとの急の舞にあります。
が、この乱拍子だけは小鼓との掛け合いなので、いったらいいかえす!みたいなセッションだと思っていただけるといいかもしれません。そしておそらく即興要素が強いでしょう。中世の人が即興セッションの見せ場でかっこいーともりあがっている図をイメージしてみるとちょっと楽しいです。
実際別の書物でも白拍子舞は即興的に今様を読みかえて歌い、舞うものだったようで、それゆえ伝承もあまりされず残っていないようなのです。(でも全くないわけではなく、「今様之書」など図付きで書かれているものもあり、それをもとに復元しようとしている人もいる)
他に白拍子舞からつながってできている踊りは??ということでは先日拝見した春日若宮おん祭りの巫女舞はじめから2つめの一人舞は「白拍子舞」らしい(その時はしらなくてあとから別資料で発見した)、大江の幸若舞もどうも白拍子舞とつながっているらしい。
ただし大江の幸若舞は動きとしては最後の最後に8の字に歩き回るだけなので、おそらく構成が白拍子舞からつくられたものであろうと推測される(実際に構成は非常に似ているということで沖本幸子さんの論文があったりする)。

これらをふまえ
円を描くように歩くところから開始し、
今様(現代風の歌)にあわせて踊るシーンがあって、
後半にセメと呼ばれる小鼓系(今回は箏ですが)に追い立てられるようなセッションがあり、どこかでそれは8の字の移動へと移行し
途中で足踏みが繰り広げられつつ進行していく
ことはつくり始める前の時点で決定していました。

八木さん、三浦さんとのリハーサルをへてまだまだ変更していますが、でもこの条件はまだいきています。さらなるプラスαはありますが、今回の白拍子舞、どうなるのでしょう。。。





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