白静を追体験する。
今回2日目の公演はかなりクリアに本来想定されていた流れをたどりながら”再発見”していった会であった。つまりほぼ正確にそのときの感覚を再現できる。
それは史実に則ったものではないかもしれないが、おそらく近い。
妄想にしてはあまりにクリア。
昨日かえしながら涙が止まらなくなる。
◎3周円をあるく、止まる
歩き、止まり、そしてはしり、窓の外を見る。窓は覆われていて外を見ることはできない。閉じ込められた空間。気配を感じる。しかし何もないこと。待ってみること、しかし何もこないこと。
上着を脱ぎ、靴をぬぎ横たわる
◎しじまより
深い深い眠りよりさめる。何百年さかのぼったのであろうか。すっかり私の身体は固くなり、こわばっている。足首、膝、一つ一つの関節をほぐしていく。
あなたは誰?
振り返りみる。
◎気配とともに
IchIの唯一の振付より
気配を感じる。ふれようとしても消えてしまう。そして見えない。
この気配はどこから、手を伸ばす。しかし届くことはない。
その指は水へと導かれていく
◎若宮さま
手を清め、お祈りをする。実際に巫女舞の動きを行う。
静かにしかし丁寧に。
ゆっくりと土を踏みしめ、祈る。
その後崩れ落ちてしまう。
◎突き抜けるようなあおい空
静かに横たわる。
水がほおに落ちる。(実際右頬にうけた)
目を覚ますとそこには突き抜けるようなあおい空が広がっていた。
「あぁ、あおい」とつぶやく
大事なもの(インドネシアのクルミのからでつくった楽器を使用)を抱え込む。こどもとして抱きかかえる。
ゆっくりとおきあがって気がつく。
手も足も真っ黒になことに。
いくら拭おうと、血は広がるばかり。
幾万もの虫たちを踏みしめ、私はいきているということ。既に私の手足は汚れているということ。
私には祈る資格等ないということ。
それでもおきなければならない。
おそらく既に彼はいない。
二度とこの世で会うことはない。
この歴史の大きな流れの中で私の記憶が失われれば彼の存在はすべて消えてしまう。私の知る真実を消すわけにはいかない。
生きのびねばとふらふらと立ち上がる。
◎水晶の夢
(この歌の歌詞は八木さんが制作してくれたものです。日本舞踊と同じように歌詞にのっとって振付をしました。俗にいうあてぶりです)
彼の気配を探し求めどれだけ動き回ろうと、気がつけばここにいる。
美しく白い彼の衣、その裾は長くそれをまとえばどのようなことになるか分かっている。
それでも能井筒のようにまとわずにはいられない。
右手は海、左手は山、すべてを司りそして再び舞う。
土を踏み、そして走り、たどり着けないことが分かると、自ら白い布を巻き取っていく。(巻き込まれたり引っ張られたりするのではない。彼女の意思で)彼への想いなのか、世に対する怒りなのか、自らそのなかに入っていく。
足下はどんどん動けなくなり立ち上がれなくなり、その白い布の中に呑み込まれ、海へと消えていく。
◎夢の後
これらはすべて夢の後。
八木さんの音楽がみせた夢のまた夢。
なかなかダメージが大きく、一回追体験してしまうとしばらくできない感じ。
なお、静の最期は分かっておらず、入水したかどうかは不明(私はしなかっただろうと思っています)。
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