2013年12月12日木曜日

からたちからの裏

「からたちから」通称うらからたちは「からたち」通称おもてからたち(昨年6月発表)を5分でまとめそのつづきへとつなぐという裏技で作られた作品。
しかもろうそくの光をつけていく→けしていくということで「からたち」と「からたちから」足して作品として完成します。しかし残念なことに両方みた人は意外に少ないのが残念です。

場所設定、照明実験などをしながら全部手作りで作り上げてしまっただけに、スタッフ達の苦労はおしてしるべし。私自身も翌日翌々日と照明機材などを返却したり、仕事があった分をこなし休みになったとたんに昏睡しました。
その分思い入れも深く、そして愛すべき作品であったと思います。
皆様へ感謝をこめて。



1巣鴨教会
この場所がなければ「からたち」シリーズはうまれなかったと思います。私自身が大学時代に住んでいたのは少し離れていて自転車で10分程度のところ(大学裏手)でしたが、大塚は親友の住む土地でよく通っていたのは事実です。狂言研後輩も徒歩3分くらいのところに住んでいました(そのアパートは発見できず)。
なお、ナレーションの戸井さんは学校に通うために毎日のように近く通過していて、しかし教会に気がついていなかったのも事実です。
巣鴨教会に出会った(Sentival鳴海さんの紹介)のは昨年の3月頃の話しでちょうどその時は受難についての講話が続いている時期でした。「からたち」のドラマツルグはそこから発生しています。
そんなわけで巣鴨教会にであったのは東日本大震災後になります。ほぼノンフィクションなのですが、そこだけ演出上直しています。(台本上巣鴨教会に出会ったあとにみんないなくなるようにみえます。)
昨年は出会って2ヶ月後には本番という超短期での作品制作だったため、さすがにいっぱいいっぱいでした。今年はそういう意味でリベンジというか作り直しです。しかし学び始めるとキリスト教(あるいはすべての宗教)は大きすぎてとてもでないですが、学びきれません。宿題がたくさん残ってしまいました。



2渡辺牧師
カーテンコールでも演奏してくださった牧師さん、昨年もあの人は何者?と質問が殺到していました。オルガンが専門だそうですが、巣鴨教会牧師としてのお仕事と大学教員としての顔、合唱団の指揮と多忙な毎日をおくっていらっしゃいます。
牧師さんがぽろっと話してくださったダビデ王が踊った話しというのはサムエル記(旧約聖書)にでてくるエピソードです。

3コールシャンティ混声合唱団
すばらしい歌声と思わずクスリとわらっちゃうエピソードを披露してくださった皆さん。年齢層(大学生から70代まで)も幅広く、しかし仲良し。これも野本先生の力によるものと思われます。名物指揮者野本先生実は70歳代。シャンティ率いて50年以上。独特のユーモアセンスで皆を笑わせつつ、解剖学に基づいた細やかな指導で合唱団としては少人数(野本先生談)のシャンティを力強く引っ張ります。今回参加してくださったのは16名の団員さん。
リハーサル期間は短いのですが、身体と声は結びついているというシャンティさんの練習に何度もお邪魔させていただき、一緒に発声練習をしたり、縄跳び飛んだり私自身もいい学ぶ機会をいただきました。
ただ、私が歌えるようになるかというとそう簡単にはいかず、まあ、難しそうです。

今回巣鴨教会とシャンティさんをみていて、特に継続していくことの大切さを思いました。そして幅広い世代が関わっていくこと。これについてはまた別途記載します。


4戸井香織さん
前回「からたち」に引き続き出演の戸井さんは大学時代の同期。つまり、同い年(しかも1週間しか誕生日が違わない)です。大学時代に大塚に住んでいたことも含め、私がたどってきたもののほとんどを知り、かつノンフィクションとして話すことができる人です。(私がヨーロッパにいる間彼女は札幌にいたりと共通項も多いのです)昨年光をつける係を演じていただいたため、光を消す係もお願いしました。
この1年の間に彼女は愛媛の実家へ戻っていたため、今回は愛媛から飛んで(文字通り)きてくれました。怒濤の3日間。台詞は減りましたが、照明などもきっかけがたくさんあるので、大変だったと思います。
今回の「からたちから」は「からたち」となくなってしまった「幻想銀河鉄道」(2012)の後半シーンがおり合わさってできています。銀河鉄道構想の4分の1くらいが実現したといってもよいかもしれません。その頃から関わってくれている彼女が春と修羅を読むというのは私たちにとってとても特別なことでした。
いつかまた「銀河鉄道」へとつながっていけばと思っています。

5古里麻衣さん
古里さん(通称まいまい)本当はカメラマンです。Amanogawaプロジェクトでも写真を撮ってくれた他、今回のチラシもつくってくれました。しかし、今回極度の人不足からなんと音係に任命。ついでに照明も。大変なことになってしまいました。
(なお、音は昨年たくさん苦情がきたこともあり、アンプ・スピーカーすべて持ち込みました。上地くんありがとうー)
少ないリハーサルながらばっちりとこなしてくれました。さすがです。
しかし暗かったことと、本番は音の操作があったこともあり、写真がほとんど撮れず、、、申し訳ないことをしました。。。
でもまいまいなしにはこの作品は上演できなかった(なお昨年の「からたち」は私と戸井で操作をしていて音係すらいませんでした)です。大幅レベルアップです。ありがとうー

6内藤久義さん
UTCPの研究員内藤さん。非常勤仲間だったことからスタートして昨年「からたち」を見に来てしまったがゆえに、まきこまれることになって気がつけば、裏方なんでも担当。照明セッティングに、受付ととびらライトとシャンティさんの誘導係、すばらしいテキパキ具合と野本先生との意気投合具合で、強力助っ人となりました。
さすが舞台慣れしている(昔からよく舞台の手伝いはしていたそう、元々は美術作家さんです)。
今回最後の最後に大きな演出上の変化がありましたが、それは内藤さんの疑問からくるものです。ありがとうございます。

7オリバーさん
内藤さんがつれてきてくれたベルリン自由大学からの留学生。日本文学の研究をしているとのこと。でも実は昔はダンサーだったそうで、ギリシャでカンパニーダンサーしていたこともあるらしい(でも今は太っちゃってだめねという)。みていて自分も踊りたくなったそう。3月にベルリンに帰るといっているので、もしかしてベルリンでオービタル??のときに一緒に踊れるかも!ともりあがりました。
ろうそくなどいろいろアクシデントが起こるといけないので、そのサポートをかねてきていただきました。
日本語がとても上手でフレンドリー。またお話しましょう。

8御代田くん、中村くん
昨年「からたち」に引き続き映像を撮ってくれたのは御代田くん・中村くんコンビ。中村くんは初めてお会いします。野本先生にはツルカメコンビ(つるんだカメラ2人)などと名付けられ、仲良しの様子。
御代田くんは前から知っている(上地くんつながりでおそとダンスやかめりあなどを撮影してもらっていました)のですが、今回はなみなみならぬ暗さ具合でちゃんととれているかかなり不安です。カメラ機材は結構いいものを持ってきてくれたようですが、それでも暗いのはどうしようもない。。。どきどきです。
私の作品はいつも暗いといわれていますが、それ故に生でみていただくのが一番です。人間の目ってすごいですね。
オリバーさんではないですが、「ベルリン、いいなあ、いきたいなあ」という話しになり、もしかしたら撮影班(でも仕事ではない完全自費)できてくれるかも、、、なんだかどんどん話しが広がっているヨーロッパ、、、

9アトリエセンティオ
今回扉口から差し込む光をお借りしたのは北池袋にある小劇場アトリエ センティオさん。昨年「からたち」を教会で作ることになったきっかけを与えてくれた劇場です。代表者の1人鳴海さんはその後フランスに渡り、かえってきて、今は三重と東京をいったりきたり。三重の津という中沢れいさんのいるエリアということもあり、今後もつながっていけたらと思っています。やはりあの影をだすには劇場照明の強さが必要で、とても印象的なシーンにご協力いただきました。



多くの方々に支えられて出来上がった「からたちから」。
本当にありがとうございました。


なお、感想が少しずつ送られてきています。
その場のアンケートが昨年と比べて少なくて、不安になっていたのですが、あとからちゃんと文章にして書こうと思ってくださった方が多いようで、すごくうれしく思っています。
うかうか話せんと思ったというコメントはするどいです。

私は私の人生についておはなししているのですが、
私の人生が特別なものではなく、すべての人の人生がそれぞれに同じように重みのあるものだと思っています。当たり前のことですが、それを忘れてしまいがち。それを思い返すことはなかなかしんどいことですが、それができるようになるといいなと思うのです。
あふれる涙は作品に感動したというよりは、自分の人生が浮かび上がるから。
昨年以上にヘビーな作品になりましたが、こうして一つ形にまとめることができたのはよかったと思っています。

劇場ではおそらくできなかった、この場所、この時期、この人たちだからこそ成り立つ作品。そういうものに出会えたことをとても幸せに思います。

今後も感想などお待ちいたしております。
また、コールシャンティさんは団員募集中です!(強調!)

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。









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