11ぴきのねこみてきました。@紀伊国屋サザンシアター
友人の森下真樹さんが振り付けしていて、これまた友人のまいまいが制作にはいっていてというせいもありますが、私の中ではとても大事な思い入れのある作品なので見に行きました。
その昔高校生だった頃、母校のがおかと啓北2つの高校の演劇部が合同公演を行いました。こども向けのやまびこ座という小さな劇場で。こどもたちで満員御礼というとても幸せな環境で。中学の演劇部の同期がいるというつながりが高校までつながり、私たちはまきこまれ、しかしとても幸せな公演だったことを覚えています。
ぶっちゃけていうとかなりお話はかわっています。
音楽も前半はかなり近いのですが、後半はかなり違いがあり、しかもお話の筋まで異なる。なので、まったく違うものでした。が、それでもなつかしく、そして楽しい(しかしブラックな)お話でした。
なお、馬場のぼるさんの絵本の11ぴきのねこは原作ですが大分話は異なります。
私たちのお話しでは
ニャン作じいさんは一緒に旅に出るし(わしはこのほうがにつかわしいといってた独り台詞のあとみんなが迎えにきて強引につれていきます)
ニャン吾(私が高校時代におこなった役)は寿司屋のマスコット猫でしたが、自動ドアにはさまれてしまい、ダイエットを決意したり、星の光にあこがれながら、魚を食べてしまう自分に落ち込んだりします。
最後は大きな魚を食べ、よかったよかったと思っていたら、実は人間の工場のつくった毒にやられてしまいみんな死んでしまうというブラックな終わり方です。実は大きな魚も毒にやられて苦しんでいてだからこそ子守唄を歌っていたのだと、あとからわかります。
皆がぱたぱたと死んでいき、最後にニャン11が歌う歌(作中で全員でも歌う)が本当にすばらしく、そこに雪が降ってくるというおしまいでした。
本当にすばらしくうつくしい終わり方で、(ニャン11のリック先輩がすばらしかったせいもありますが)名演でした。
もう、おわるんだ
ひとりぼっちの、さみしいよるは、もう、ともだちができたから。
いまでも忘れていません。
今回の公演も皆さんすてきでよかったのですが、やはり本のよさというのを感じました。井上ひさしさんのユーモアのセンスが随所にみられ、楽しめます。そのブラックさは好みがわかれることでしょう。(今回の終わり方についてはネタバレをさけるためにいいません)
ただ一つ残念なのはこども向けミュージカルでありながら、見に来る人は大人のみ(しか年齢層は高い)こと。どうしてもチケットの値段が高いのです。(通常7800円)
名作であるだけに、もっと小さな小屋で、もっとお手軽値段で(私たちが行っていた頃は高校生ということもあり500円とか1000円とかそういう金額だったはずです)行えるようにはならないものかと思いました。
がおか/啓北バージョンはきのの世代が上演した後しばらくしてがおか演劇部がなくなってしまったこともあり、世代交代したこともあり封印されていると思いますが、ぜひ復活していただけないかと思いました。
それくらい、多くの人にみてほしい、すてきな作品です。
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