2015年2月19日木曜日

お仕事として踊るのか?ということ

横浜ダンスコレクション20周年記念誌に文章をかいています。実はこのコンペティションそうそうたる顔ぶれで、そのなかで微妙に迷走している私が書いていいのかよくわからなかったものの、依頼されたので書いてみました。文章を書くのは実は苦手で、日本語がおかしいとMarkさんにもいわれてしまったくらいなので心配ではあります、、、。

今回フランスに立ち寄った際お会いした純子さんと話していて、またラッセルさんと話していて、結局舞台で人気を取るということつまり職業として成り立たせるということは作りたいものを作るというのとは全く異なることであるということを改めて感じました。
つまりお客さんがみたいものを提示する能力があるかどうかが大事であり、中身や思い入れは一切関係ないということです。

アシュフォードさんによれば英国サドラーズウェルズはアーツカウンシルからの助成金額を11%まで減らしたそうです。これはその分自立できるからお金いらないという意思表示であり、その分マシューボーンで8週間大入りみたいなプログラム設定をしています。先進性、芸術性とは全くかけ離れて「面白い」「客がはいる」ことに特化したプログラムをくみ、それで名前をうってきたサドラーズらしい選択ともいえます。
たとえマシューボーンがきっかけでも(他にもスノーマンシリーズとかフラメンコフェスとかもあげられる)お客を開拓すればよい、というビジネスプランはこれまでの劇場運営からは考えられないものでした。

そこまで偏っていなくとも、「お客さんが満足するように踊る」とは何なのだろう?と思う自分がいます。2000円のチケット分のお金でおいしいご飯食べれるのを無駄にしてみてよかったと思わせることが自分にはできているのだろうかといつも思います。(一方で私の交通費だけで往復1500円とかかかるわけで、2000円って安すぎるんじゃないかと思ったりもします)
最小限の経費、費用で作品づくりができるようにならないかとここしばらく劇場以外での公演を続けてきました。BankARTのような倉庫でもスタッフ人件費など経費はかかってしまうわけでプラスマイナス0に持っていくのがやっとというところです。
それをプラスに転化させようとしたときにはわかりやすくはなばなしい何かそういうものが必要なのでしょうか。多分私のセンスというか感覚でユーモアや美しさを求められても難しいものがあります。もしくは今からすごいコントーション的技をみにつけるというのもちょっと難しいでしょう。強いてあげればもしかしたら「何かきやすい」という才能があるのではと感じていますが、今のところ未開拓状態。また、ものすごくお友達を増やせばよいのかもしれませんが、そんなに友達は多くなく、さらにその人の好みを考えると無理強いはしかねます。「あなたのおどりなんてみたくない」といわれてそのまま長く音信不通になっている人もいるのです。
そのため、ダンスの上演から収入をもらわないで生きられるようにならないかと考え、今の模索がはじまっています。

ダンスをみたことがない人たちを開拓してみよう、ワークショップを開催してみようなど様々なことを試みていますが、ほとんどが無料で行ってきており、それはなかなか大変な作業です。しかもみんな忘れちゃう。世の中の人は忙しいから仕方がないのかもしれません。

でもお客さんのためではない踊りをつくる自由を持ち続け、自分の意思で進んでいきたいと思います。プラマイ0か損益が自力でカバーできる範囲。自分のためにきっちりつくり、きちんと成り立つものを少しずつ作ります。

たまたまとはいえダンスがらみでうけてしまった収益はダンスに全て還元する。そういうシンプルなことです。ダンスで食べていけるようになろうという発想の真逆ではありますが、そう思うとかなり楽に生きれるようになりました。

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一方でとにかく今のうちだから申請かきなさい!とばしばしいわれたりもしているのですけれどね。



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