メビウスとは
Mobiusとはドイツ語でのメビウス。あのメビウスの輪をさします。
Huguesと蜂谷さんのCD「メビウスの鳥」からいただきました。(ちなみにきのの野望としては蜂谷さんのとり作品アイデアもあります)元々はユーグが中毒的にずっと続いてしまう感じがよいとの言葉からついたものですが、まさか本当にあんなにぐるぐる回る作品になろうとは思いもよりませんでした。
このシリーズは札幌市資料館、滝川市自然美術館、ベルリンACUDにおける「SaRa」など上地正彦、中沢レイも含めた作品制作のあげく、さらにシンプル化したらどうなるかということからはじまりました。それまでも4人のカルテットではありましたが、なにぶん皆が離れているため、2人でのリハーサルを重ねて来ており、その頃から考えるとかなり長い時間がかかっています。
茶会記で2回、パリベルタンポワレで2回(うち1回は15分程度)行いましたが、様々なリハーサルを重ねた結果として何も決めないで即興という形がとられています。(今回は真ん中に裸電球とその周りを私が歩くところからはじめることだけが決まっていました)
この作品制作過程はたまたま静の作品制作の時期にかぶっていたことを付け加えておきます。
静では冒頭に円周を歩くシーンがあり、たまたま茶会記2回目のときに見つけてつけたライトの周りを歩くシーンから後半激しくなっていくくだりは非常に近い構造を持っています。元々黒静は2つの柱を回って歩いており、まさしくメビウスの輪を歩いていました。白静と茶会記2回目はかなり近い時期に行ったこともあり水のシーンなども近い印象を与えたと思います。さりげなくリンクしてはいますがメビウスはあくまで即興であり、ユーグは静の流れをしらない(と思う)のでたまたまです。
たまたまですが、構成上ここしばらく考えていた永劫回帰を示す形となり、ユーグは「はじめてメビウスがわかった!」と感動していました。というかこれまでメビウスわかっていなかったってそれはひどい話しです。
今回直前のリハーサル@パリで大げんかをし、「僕はもうクリエーションできないからこのピアニスト紹介するからなんとかして」とまでメールが来て、おおいにぶち切れ、(ちなみにベルタンポワレにピアノはないがどうすれというのだろう)だったらこなくていい、私一人でやるから!と言い返し、ベルリンでは一人無音で「dance and music」の企画をいかにのりきるかずっと考え続け、プランをたてました。その後かえってきたらにこにこしているし、しかしこれは不吉な予感がすると思ったら、案の定本番でけんか売ってくる。さらに放置プレイ的「でてこない」攻撃。売られたけんかは買ってやるといわんばかりに椅子を振り回し、私にしては珍しくテンション高い会になりました。
椅子をまわしながらサシャワルツになった気がしました。
結果としてこの大げんか3日間がおもいっきり露呈するようなハラハラドキドキ感満載の会になり、よかったという人もいますが、とりあえずまたしばらく封印です。
今回照明でマルゴさんについてもらい光によりかなり助けられた側面もあり、もしもこの作品が舞台作品になるのであればこういうことだろうと思われ、よくも悪くもまとまったというか、もういいんじゃないかという気がしました。今回は記録映像あり。このシリーズで初めてちゃんと記録がとれました。冗談みたいですが本当です。
ユーグのわかったというメビウスが「いろんなことがおきつつ回り続ける」という意味の部分か、私が一番はじめに提示した「平行線上を歩くがゆえに決して交わることがない、そしてそれゆえに続く」ということなのかは疑問ですが、いずれにしてもしばらくユーグはこないので(きても)お休みにします。
余談ですがおかげでというかベルリンのパフォーマンスはかなり構造がしっかりし、さらにプランだけはたててしまった1時間分があるので、いつかこれはこれで作れるのではないかと考えています。
映像はSayori Izawaさんによるもの。パリに長く住む映像さんです。今少しずつ送ってもらっていて、とりあえず短いもののみ。
http://www.tenri-paris.com/j/art/index.html
03.02.2015
@Espace du culturel Bertin Poiree(Paris)
with Hugues Vincent( Cello)
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