2009年11月18日水曜日

事業仕分けについて

現在事業仕分けについて報道が連日なされているが、私たちが関わる文化事業何ぞはまさしくその渦中にある。確かに即効性がなく、なくても死なないとはいえる。しかし将来展望をみて、二本は新しい産業の1つとして文化事業を取り上げなければいけないのではないかと考える私にとって(あるいは多くの私の友人の表現者にとって)削っていいのか疑問である。
そんな矢先に鳥の劇場(鳥取にある小さなしかし地道に活動している劇場さん。JCDNの公演地の1つでもある。)からのメールが転載転載されながら流れ着いた。
たまたまなのだが昨日いった映像祭であったOVAのずるさんも同じことを言っていた。19日が締め切りだという。書くなら、いま。
そういうわけで、ここにものせようと思います。

■■■■■■■■■
『鳥の劇場』からのお知らせです。
不要な方はその旨をご返信ください。
■■■■■■■■■

今日はお願いがあって、メールをお送り申し上げます。

ご存知の通り、現在政府の行政刷新会議による事業仕分けが進んでおります。
その中で、文化予算についても議論されています。私ども鳥の劇場が文化庁か
ら助成を受けている(来年度も助成を受ける予定の)事業について、「圧倒的に
予算を縮減したい」というコメントが、担当のワーキンググループより出されまし
た。

「地域の芸術拠点形成事業」というのがそれです。基本的には公立の文化会館
を対象としたもので、地域の芸術創造活動を活性化するための中心的な役割を
果たす場所を育てようという事業です。鳥の劇場は、民営の劇場ですが、今年度
からこの事業による助成を年間で900万円得ています。今年を含めて三年間の
継続が基本的な前提で、このお金は年間の事業全般が対象です。

地域の拠点となる劇場の年間の事業全般に対して900万円というのは、決して多
い額ではなくて、できたら来年度は増額を望みたいと考えていた矢先に「圧倒的
に予算を縮減したい」という話が出てきたので、正直言って途方に暮れていると
ころです。

文化による公的な支援の是非、支援を国がやるべきなのか地方がやるべきなのか、 など議論されるべきポイントは、もちろんいくつもあります。欧米では、それら
に関するある程度成熟した議論を背景にして、それぞれの国の文化政策がありま
す。国からの支援が当然、ということではもちろんありません。

しかし、我が国では、残念ながら、いまだ文化が誰のためのもので、誰がそれを
支えるのかということに関して議論が十分ではなく、もしここで例えば「文化は
地方がやるべき」「民間の寄付をもっと活用しろ」などの論のもとに現状の助成
金が「圧倒的に予算を縮減」されてしまったら、地方や寄付だけで文化を支える
システムはありませんから、鳥の劇場だけでなくて、未来に向けて理想と希望を
持って舞台芸術に取り組んでいる人の活動が、現状でも相当たいへんなのに、
かなり致命的な状態になることは間違いありません。

このメールでみなさんにおねがしたいのは、
1 この現状を知っていただいて、少しの時間でいいので、仕分けの判断の妥当
さについて考えていただけたら
2 もし可能なら、ご意見を文部科学省宛にメールでお送りいただけたら
という二点です。

このリンク↓の番号4 文化関係1ー独立行政法人日本芸術文化振興会というと
ころで、資料をご覧いただけます。このページで一般からの意見を求めています
http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/sassin/1286925.htm

ワーキンググループからのコメントは、これ↓でご覧いただけます。
http://www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/h-kekka/3kekka.html

もし意見をメールでお送りいただけるようなら、文科省のサイトには12月15日
締め切りとなっているのですが、今月19日(3日後)に”事業仕分けの結果(内
容)を話し合う行政刷新本会議”があり、それまでにお送りいただけるととても
有効なようです。

鳥取の現場での我々の活動を応援してくださっているみなさんだからこそご理解
いただいている芸術文化、それを支援することの意義や価値を、東京の仕分け
の議論の机の上に届けていただけたら、とても意味あることだと思います。

ちょっとだけ考えてみてください。そしてできたらメールを送ってください。
なにとぞよろしくお願い申し上げます。

お読みいただいてありがとうございました。

鳥の劇場 中島諒人

2 件のコメント:

  1. 芸術文化振興会だけでなく、国際交流基金もバッサリいかれてしまったので、横浜トリエンナーレなどの国際美術展やフェスティバルトーキョーなど舞台芸術フェスティバルの維持・存続も、と危惧せざるを得ません。とりわけ横浜はさびしくなってしまうかも。

    返信削除
  2. こんにちは
    はじめまして。
    このブログにコメントを書き込んだ人はあなたがはじめてです。(すみません、誰かわかっていないままかいています)今後ともよろしくお願いします。

    フェスティバルトーキョーもオリンピック誘致からはじまっているため、今後どうなるかわからないという噂を聞きました。文化/芸術はこういう不景気のときに一番はじめにお金をカットされてしまいます。が、それに負けず地道に必要なことを続けていける強さをもちたいと思います。


    しかし、この文字の色見にくいですね。ちょっと変更したいです。本当に。

    返信削除