早起きの人(黒沢美香)をみる。@テルプシコール
とても美しいシーンがいくつかある。
そしてとても美しくまとまっている。過去の薔薇シリーズの中でも(といっても私はすべてをみたわけではない)最もわかりやすく(それがいいことではないが)、最も納得しやすい作品でもあるのではないか。
水に当てた手、震える水
黙々と食べ尽くして、そして流れる沈黙、
一歩引き下がる瞬間、
暗闇の中降り続けるほうき、そして永遠に永久にそれは続く。
しかしなぜパンケーキを焼くのだろう。
実は妻有で(それも能舞台だ。私はそこでなぜか後見のように台をおさえるはめになった)梅若さんがオムレツを作ったのだ。なぜ、オムレツ(あるいはパンケーキ)なのか。そしてなぜそこで食べるのか。当たり前のことのように展開していくが、とても不思議。しかし食べることはそのまま生きることなのかもしれないと少し思う。
「怠惰にかけては勤勉な」がモットーの黒沢さん。しかし私はとても勤勉なその人が見える舞台だったような気がした。ものすごくきっちりおさえた舞台だったと思う。
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