全ての作品は誰かへのメッセージであり、また予言である。
何年か先を見据えなければ作品を作ることはできない。しかし、常に今を切り取り、今を表現するべきものだと私は捉えている。
ダンスハ体育ナリ?は好評を受け8月に再演する。再演ではなく今を受けてまた作り変えなければならない。来週のグローバル時代の国家と社会の授業に合わせて映画をみ、本を読み、準備する。まとまるのかわからないけど、それでも今の危うさを思うと作らざるを得ない。
それが私が受け取った真っ暗闇の返信である。
芸能者は本来巫女のような存在であるが、現代においては、様々な知の力を得て、導く人であると私は思っている。この世の中が少しでも良くなるように人を殺さず、血を流さない革命。
私は作品をつくる時にそういう意識を持って作り続けている。世の中のダンスはそうでないことを知っているけれども、私がこれまで受けてきたことを思うとそれを返していかねばならない。ポトラッチとはそういうこと。
一緒に走ってあげるから。
大切な人たちが幸せに生きていけますように。
1940年、皇国2600年を祝うべく企画された幻の東京・札幌オリンピック、万博。戦争の影響により中止となったものの明治神宮外苑競技場の建設は続きました。代わりに国のために体を鍛える様々な体操が大流行。体操大会が多数開かれるようになります。健康=美という価値観の中、建国体操は1937年紀元節(2月11日)に披露され、全国的に流行しました。一方ダンスは敵国のもの、娯楽と禁止されダンスホールは閉鎖されていきます。慰問公演などに協力する舞踊団を除いて。
女子体育と呼ばれた舞踊教育と体操を比較しながら、当時の世相を学んでみましょう。
2020年明治神宮外苑競技場跡に建設中の国立競技場で開催される東京オリンピックを私たちは目前にしています。今だからこそ、あえてスポーツではない、芸術としてのダンスを考えてみます。
80年前に起きたことを再び起こさないために。元体育教師であり、ダンサーであり、大学で教職に就く当事者である木野彩子が当時の写真、映像、新聞記事などを踏まえ行うレクチャーパフォーマンス。2018年初演。
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