小川敦生さんの展示を見る。@カッシーナイクスシー青山
ここしばらく続いた出張のついでに見たものなども追記しておきます。
今回「死者の書再読」でチラシのドローイングをしてくれたのは小川さんという横浜の美術家さん。木野が初めてお会いしたのは視聴室という小さなライブハウスでの音楽イベントでした。バンジョーを引いていました。普通に。
その後お会いした時には切り絵版のこの子達を持っていて、どうやって作ったんですか?と話し始めたのでした。なお、その時の展示はビンに詰めてました。
その後も駐車場にチョークでかいて、消えちゃう作品などを密かに見ていて、『消滅の美学』路線ではこの人とイメージとともに覚えていたのです。
この緻密な絵は一筆で描かれています。しかもボールペンの線分空けてるだけでスーッと引いてあるような自然な線が実は2重だったりします。(きていたお客さんもビックリしていて、定規とかじゃないフリーハンドで失敗したらどうすんだ?と聞かれて、え、やり直しですよと答える小川さん。)
今回展示されていた絵は古いものが2005年(当時は結構病んでたんだよねという小川さん)。今年描かれたものもあり、白地に赤い線で描いているものが3層に重なっていて、うっすら透けて見える構造になっています。白い紙はロウびきをし、質感も異なる印象に。一度ロウ引きをしてしまうと2度と手を入れたりはできなくなるそう(インクがのらない)。結構手間がかかっているのです。なので1つ作品を仕上げるのに3ヶ月くらいはかかってしまうとのこと。ただごとではありません。
Mobiusを作る時に、層になっていて、重ならないんだけれど、でもお互いに協調していて、一つが動くと他も動きながらバランスを保ち続けている関係性をペシャット潰して2次元にしたら同心円みたくなるという説明をしていたのですが、そういうことなんだなあと思ったり。今回の死者の書の時には2つの世界が同時に存在していて、しかし交わることはないけれど、でも繋がっているような感じなんですと話しお願いしました。「実際に本を読みながら描いてみたんだよね、そしたら自然にこうなった」のだとおっしゃってました。
そして「描いている時には結構別のこと考えているんだよね。夕ご飯どうしようかなとか、手が描いていってしまう」とも。この辺りのある種の即興性がすごいと思うのです。そしてダンスも似たようなところはあるなあと。自分の意思で動かしているのではない感じそこにたどり着けるといいなと私は思っています。
小川さん、砂丘って、かけるかなあと話しています。
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