いつもお世話になっている皆様
2018年もあと少し、お忙しい日々をお過ごしのことと思います。今年も大変お世話になりました。鳥取に移り住んで2年半が経ち、自身が踊る舞台公演をはじめて催すことができるようになりました。
『死者の書 再読』は折口信夫の長編小説を、あえて舞踊という非言語ジャンルを用いて読みかえしてみるという試みです。9月に行われた城崎国際アートセンターでの滞在制作、試演会を経て再び読みかえし、今回の公演を迎えます。
ここ数年劇場以外での公演を続けてきた私にとっては久しぶりの舞台公演でもあります。というのも劇場で踊っていても人は集まらないし、新しいダンスのあり方を模索すべきではないかと思ったのです。その場所にしかない記憶やお話を紡ぐ作業をしてきましたが、今回再びこのプロセニアムという形式に向かい合うことになりました。そもそも舞台芸術とはなんだったでしょうか。
この世のものではない何かを現出させるため、客席と舞台は切り離され舞台は宙に浮いてしまったわけです。崇高な別世界。今回はじめて鳥取で作品を作るにあたり、純粋に舞台芸術としての舞踊が本来どんなものであったのかを見ていただきたく思いました。この世ではない見えない世界を見ようとしてきた舞踊の形です。多くの民俗芸能は神(あるいは自然やエネルギー)をみるべく、対話をすべく作られてきました。本来の舞踊はそのような別世界が立ち上がる瞬間です。40年近く踊りに携わっていますが、まだまだ力量不足を感じます。それでも、今このタイミングで皆さんにその断片でもお伝えすることができればと思います。
追記
いや、もうプロセニアム形式ないだろうと思っていたのですが、鳥取では舞台形式の選択の余地はないのです。でもある意味それくらいレアです。昨日うちの学生さんたちの公演観に行って(演劇サークル)これ、大変だなあとつくづく思いました。私結構動き大きい方ですが、空間が抜けてて集中がまとまらないタイプの大変さ。でもまあ、やる時はやるしかないのでしょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿