2009年12月31日木曜日

札幌より

札幌に帰ってきて様々な人に片っ端からあっています。
昨日もコンカリーニョの忘年会ということで、かりっと(コンカリのボランティアスタッフ)野皆さん、スタッフの皆さん、高橋さん(前回の照明家、非常に評判がいいのです)、他多くの皆様にお会いしました。高校のときの同期つるまきは(同期といっても高校は違う。札幌演劇業界には高校の合同公演つながりというのは意外に根強くあるものなのです。)あいかわらずよくしゃべり、しかも止まらないし。ジャスコ発寒についてえらい語ってくれました。ジャスコ発寒だけでこれだけ語り尽くすとは。やはりだてにうさんくさい演出家という仕事をいていないぞと思わされたりしました。(これだけかいていますが、きっと笑って許してくれるだろうと踏んでいます)

私はふらふらしていますが、来年はきちんとしなければと思いました。
やらなければならないことがたくさんあります。
まず名刺を作るようにとコンカリの母ちずさんにはいわれました。
かかねばならないプランも差し迫っています。
正月だからといってのんびりもしていられません。

来年の目標はいくつかあって
お前ほんとはもっと踊り馬鹿だっただろう路線
 再びアフリカンダンスに挑戦するみたいです。あと子供と一緒に暴れることになるでしょう。

自分が踊るだけでなくちゃんとみんなで踊ることを楽しむ場を作ろう路線
 ダンコレおそとダンス企画は今年もやろうと考えています。we danceもお手伝いスタートしました。参加者募集中。 

踊るの前にいろんな表現について考えてみよう路線
 私は踊る人だけれども、踊る以外の様々な表現をする人のお話をきいてみようということで、勉強会を開こうと企画中。

さあ、たくましく年を越しましょう。
皆さんもよい年越しを。
来年もよろしくお願いします。



Time Lapse Plant

という名前の展覧会をバンカートでは行なっています。
これは藤本隆行さん他3名の作品でLEDライトを使ったインスタレーションです。クリスマスには安藤洋子さん/平井優子さんのパフォーマンスも行なわれました。(私も踊ればいいのにという小さな声もありましたが、ちゃんと働いていました、はい。)
なお、この作品11日までバンカートで、その後2月には恵比寿映像祭(写真美術館)でもみることができます。
光りがとんでもなくすごい完成度なので、下手に動くとまけます。というか動くとうざいかんじになります。非常に難しいパフォーマンスだと思います。光りの構造はプログラムされているんだとは思うのですが、短いリハーサル期間とインプロという形態だとこれをフルにみせるのは難しいです。True(前出)をみているだけに余計にそんなことを思いました。
Trueよかったんですよ。ほんとうに。

しかしどこへむかうのでしょう。
美しき明滅は。
それでも身体はあるべきなのでしょうか。
ダムタイプの作品をいくつかみていて、確実にS/N以降かわったと思うのはその点で。
大ファンゆえに複雑な心境になります。


煉獄とは

えらい時間があいてしまいましたがロメオさんの神曲第2部についてかこうと思います。
煉獄とはキリスト者として罪の贖いを受けて救済を約束されていながら、小罪および罰の償いが残っているため、浄化を必要とする者のためにある場所(fromうぃき、ごめんなさいね、ちゃんと調べていなくて)とあります。
描かれているのはごく一般的な、しかし裕福な父、母、子供のいる家庭。アシュフォードさんがいっていた日本では上演できなさそうというのはセクシャルな表現(性的虐待を思わせるイメージさせる表現)とあまりにセットが大掛かりすぎてどうやってもっていくんだ?日本の小さな劇場機構でできるのか?という意味だったようなのですが、いずれにしてもこの救いのない描写は、このタイトルによって救われるという構造があります。
これは演劇である。リアルではない、という前置きがあるからこそ見ることができる。
さらにこのような家庭はどこにでもあり得るかもしれない。しかしそれらはすべて煉獄の中での浄化の過程である。どんなことも、どんなつらいこともすべては浄化の過程とみることでどれだけ救われるだろうか。
地獄編の方がまだ作品そのものの救い効果は高く、だからこそ煉獄編だけ見るのはお勧めできないということだったようで、かなりずっしりとこたえて帰ってきたのでした。
私の知人の演出家は最高傑作といっていましたが、それは同感で、これだけ全く異なるアプローチを連作でみせる手腕には脱帽です。そして、非常に美しい。


なお、見ながらまちゃみ(大学の同級生)の三島論を思い出しました。なつかしい。

2009年12月26日土曜日

さっぽろふたたび

さっぽろにかえってきました。
実家というかなんというか、とりあえずかえってきたかんじがするのでただいまです。

ここ数日は実はかなり忙しくてわけのわからないことになっており、ブログ上更新できなくなっていますが、かかなければならないことがたくさんあります。
また、後日まとめてかきます。

札幌関係者に一気にあってきます。がんばろうー

2009年12月17日木曜日

ロメオカステロリッチ

このブログ上で書いたロメオさんですが
ロンドン友人情報(アシュフォードさんですなつかしいなあ)によれば
「前もって余計な情報をいれないでただみること」
「2作目は衝撃的なので(日本では上演できないだろうといっていた)1作目を見ないで2作目だけを見るのはお勧めしない。やめといたほうがいい。逆(1作目だけ見る)のはまあ悪くないんだけれど。」
だそうです。
がーん、もうすすめちゃったよ。
そういうわけでお気をつけ下さい。

2009年12月14日月曜日

なぜ人は死ぬとかなしいのでしょう

ある朝、禅問答のようにはじまった会話。
喪失感ともう二度とあえないという感覚がそうさせるのだろう。そしてその感情を浄化させるために人は泣くのでしょう。
そしてその喪失感を緩和するべく(解決?)宗教は生まれ、それが拡大していったのでしょう。
その翌日みにいったロメオカステリッチの神曲はそれをずばり取り上げたともいうべき作品。
(その質問をしてきた本人にみせたかったと心から思うが、間に合わなかった)
40人もしくはもっと多くのエキストラが登場する。行なうことはたつこと、歩くこと、倒れること、起きて再びあるくこと、誰かと抱き合うことそして倒れること。その繰り返し。
いやいくつかのシーンがあってそれぞれに意味が深いのだけれど、していることはとてもシンプルだ。
なぜ人は殺しあうのでしょう
なぜ人は戦争をやめることができないのでしょう
なぜ私たちはいきているのでしょう
その日のなぜなぜ問答(ちなみに上記はすべて質問された言葉)に答えはなく、
その答えをいつか見れるのではないかと私たちは生き続けている。
ただもっと大きな時間の流れがあり、私たちはその中の1つのいのちでしかなく、いろんなことがありながら、ただ生きてただ死んでいく。

そのなぜなぜ問答の前日に、これまたたまたま友人(別人)が資本主義を進めていけば戦争へいくことは目に見えている、それをさけるには中国のコミュニズムしかない、しかしそれでいいのかという話しをしていたところだった。そのときにも私はやはり人は増えすぎたと話した。人は増えすぎた。多くのことを得すぎている。極端にいえば戦争がおこるのも自然や地球全体を見てみれば必然ともいえるのではないか。そんな話しをしていた。

たまたまだが、この作品は、そのままの世界をみせてくれた。
それはまた厳しい現実であり、しかしだからこそ救いでもある。ただそれだけのことでしかない。ただ生きてただ死んでいくこと。

アフタートークでロメオさんは演劇はセラピーではないけれど、僕が生きていくのを助けてくれているという話しをした。彼はこの作品を作ることで、世界を見、考えるのだろう。

ひさびさに直球ストレート
私は自分で見てよほどよくなければおすすめをいわないが、今回は何人かに即メールを送った。それくらい出会えてよかった作品でもあった。

しかし、私の友人たちは皆やんでいるんだろうか、、大丈夫だろうか。ブログに書いてみてちょっと思う。


Sacred

Sacred Monsterきます。
とうとう。
IchIでお世話になった針生康(しずかさん、セット)、Alies(作曲、バイオリン演奏)、Laura(チェロ演奏)皆これでやってきます。従っていまなら(正しくは12月24日にツアーが終了するので24日?)IchIのほとんどのメンバーが日本にいることに。肝心のうえの君がいないので実際には上演しないんですが、、、。

すごい、美しいデュオが1つ、あとアクラムのカタックは必見です。
(作品全体としてはロメオさんほどすごくおすすめとまではいきませんが、とてもよくできた作品です。ギエムさんがコンテンポラリーに転向してラッセル以外の振付家に挑んだはじめての作品だったはず。彼女のソロはクラウドゲイトのリンホワイミンが振りつけています。)
上野の文化会館、高いけれど、みにいきます。

2009年12月12日土曜日

ダンテ神曲地獄編

明日まで。池袋芸術劇場中ホール。
非常にいいです。
ロンドンのアシュフォードさんの話しでは
「レビューとか他の人の感想とか聞く前にみること。絶対なにもみないでみろ」
という話しでした。だからコメントは明日以降にのせます。
でも時間がある人はぜひみてください。
ダンスではなく演劇の枠にはいるようですが、シンプルなにんげんをみることができます。老若男女。タルコフスキーを思い出します。
実は3部作だそうで、この舞台がつづく(だからお金も飛んでしまう)12月に痛い出費ですが、だす価値ありと思われます。(アシュフォード情報ではインスタレーションは別に見に行かなくても、、、とのこと。どうなんでしょうね。)




2009年12月9日水曜日

膝の火

黒沢美香作品膝の火をみにいく。
そもそも私の仲良しサラリーマンダンサー後藤さん(前出、サラリーマンなのに一ヶ月ヨーロッパを放浪の旅してしまう舞踏家さん)がでているのでみにいくことにしたもの。
後藤さんはひさびさにちゃんと舞台で見たけれど、とても美しく、いい踊りをしていた。すじのとおった、いい踊りだった。ここしばらくやってきた太極拳や能や自然体操やいろんなものがちゃんと身体の中で練られてきているような気がした。おつかれさま。
で、後藤さんもよくがんばっていたのだが(なにせ黒一点でおいしいところをもっていくんだ、これが。)作品自体もとてもよくできていた。いくつかのシーンがあるのだけれど、人と人がちゃんと向き合って身体で話す瞬間があるという気がした。そんなに美しいダンサーばかりではない。でもちゃんと大事なことをわかって踊るということができている。それが美香さんのダイレクションだったのだろうと思う。その瞬間ゆっくりとてをおくことだったり、顔を上げることだったり、そういうこと。
たくさんのダンス作品を見てて、エネルギー量がとにかく高く、たくさんけいれんしたりあばれたり、そういうものをたくさん見ててこういうちゃんと丁寧な瞬間があると単純にいいなと思う。丁寧さ。よいものはよいというシンプルなこと。
ミニマルダンスというけれど、私はそうは思わない。
シンプルだけれどミニマルではない。
言葉がちゃんとだせたらまた書きます。



Cargo

リミニプロトコルのトラックにのってきました。
天王洲アイルから横浜(あのワールドポーターズの裏側が終着点です)間での2時間半。普段見ないような裏側をとおりながらおっきなトラックにのせられてどんぶらこどんぶらこ。本当は新潟から横浜までの7時間ほどの道のりだそうです。(実際途中高速にのったり、トンネルに入ったりするときに地名をあわせてあったりするのが心憎い)
運転手のおじさんが家族のことや、荷物のこと、燃料のことなど解説しながら進んでいきます。ちなみに片面がガラス張りでスクリーンがあがったりおりたり。途中わかりやすい解説映像がはいったり、外の景色を見ることができたり、飽きさせない展開でした。
デコトラのおじさんが(なんと特別出演)
「助手席側の絵はやさしめに(でも般若)、後方は安全運転してほしいからちょっと怖め(天狗)、対向車線は迫力の竜」と絵の解説をしてくれたり、
フォークリフトのおじさんが
「こまわりきくから自転もできちゃう」とぐるぐるまわってくれたり。
(これをみてドミニクボアヴァンのショベルカーダンスを思いだしました、またみたいです)
すてき。小技のきいた作品でした。
3時出発なのも夕暮れと夜景という最も美しい東京横浜ルートをみるには仕方なかったのかも。(ということはこの平日にこれだけ多くの人が仕事をさぼっているということか?)
これを学校の授業の一環で(社会科見学など)みれたら、考え方も変わりそう。
もうチケット売り切れ(ものすごい争奪戦でした。)なのが残念ですが、もしももしもまだいけるかもというひとはぜひ楽しんでください。


2009年12月3日木曜日

踊る衝動のようなもの

踊りにいくぜ川崎をみにいく。
川崎といっても一番うちの近所のエリアで(急行とはいえ駅2つ分だからかなり近い、新百合ケ丘)、ありがたい。こんなところに劇場が7つもあるエリアがあるとは知らなかった。
福岡の子たちがきていたのだが、とにかく暴れる。とにかくなんだか訳の分からないまま叫び暴れ、そして踊る。何が彼女たちをそうさせているのかわからないけれど、とにかく止めらんない感じ。でも話しているのをみているととても普通の子のようで、そのギャップも不思議。
多くのダンスをみているけれど、これはいったいなんだろうか。
確実にこういうダンス増えている。(というか結構ある。はやりだとするとそれもすごいことだと思う)
なぜ、この子たちは踊るのか。
どうも楽しそうという感じのダンスでもない。
どちらかというと狂気の世界に入っている。
なぜそこまでする、なにがそうさせる、なんのために?
世の中が必要としていてそれを感じ取ってしまうのだろうか。だとしたらいまの日本はどういう状況なのだろう。
いぶし銀室伏さんの対極で非常に考えさせられてしまった。

2009年11月30日月曜日

アジア舞台芸術祭

アジア舞台芸術祭なるイベントが東京芸術劇場(@池袋)であったのでいってみた。本当はしりあいのひとがでているよという情報をもらったのだが、その会にはまにあわず、でも外でなんか少しやってるからみにおいでよといわれて、ちょこっとみにいくはずだったのだけれど、思いっきり巻き込まれてしまった。
簡単にいうと30代の比較的若い劇団/カンパニーのショーケースが池袋芸術劇場全体を使って行なわれていて、すべて無料でみせるというもの。作品も15分(屋外パフォーマンス、しかし本編は別に屋内で上演していて抜粋編)、30分(小ホール)40分(中ホール)と短くてそのかわりひたすら上演している。だから一回見に行くと5−6作品はぶっつづけでみれてしまうという恐ろしい企画。中ホールは1000人単位ではいる劇場で、これらの若手劇団が普段行なわないであろう規模の劇場。小劇場で普段やっているものが拡大するとどうなるのかということも含め面白いプログラムだったと思う。
なお、私が見た中で面白かったのは小野寺さんで、のり巻きとおにぎりだけでよくもそこまでもっていったものだと思う秀作でした。
ちなみにすべての公演が無料であるだけではなく、今回参加している劇団のDVDも無料でくばるというおそろしく太っ腹の企画。隣で見ていた明らかにアート系のわかいにいちゃんが「こんなパンフとかお金かけるんだったらおれにくれとかおもっちゃう」といってたのが妙に印象に残った。

おかげで本当はその日いく予定であったローザスをみそびれました。
彩の国埼玉劇場へ行く途中の池袋で断念してしまいました。

帰りにあった男友達に白菜の浅漬け(しかも手作りだそうだ)をもらう。どうも私がいつもちゃんとご飯を食べていないようなイメージがあるらしく、心配しているらしい。いつも思うことに、私の友人は男の子は皆料理がうまく、女の子は皆料理ができないというかあまりつくっているはなしをきかない。(例外はりんちゃんで、お稲荷さんをとても上手につくってくれた)しかし、わたしももう少しちゃんと料理できるようになりたいものだと思う。

2009年11月23日月曜日

佐世保について

佐世保にて。
町中をうろうろ歩きながら、えらい寒い中、朝市にもいって、天ぷら(長崎ではさつま揚げみたいなものを天ぷらという)を食べつつ。
打ち上げのときに皆若い人が多い(なお、観客は長崎から来た学生さんが多かった)といったけれど、そんなことはない。町中でであったのはおじいちゃん、おばあちゃんばかり。あさの9時前なのに異様におばあちゃんの集合しているところがあってみてみたら、なんだかというマッサージ機があるお店。みんなでおしゃべりしながらまっているのだそうだ。お店があくまで。寒いのに。
大きな商店街(1本道でその長さは日本一なのだそうだ)がある脇に、小さな商店街があってどのお店も一坪サイズ。そのお店の働いている人はみんな結構年齢がいっていて、ほそぼそと商いをしている様子。朝市も小さなお店が並んでいて、観光局の人にはみんな車で別のとこに買いにいっちゃうからねー、ここの朝市はいまひとつなんだわーといわれてしまったけれど、ちゃんとがんばっている人たちもいる。
たくさん町中にお年寄りを見た。確実に多いと思う。他の都市に比べても。

佐世保のワークショップに参加していた子から「作品を作りたいという気がしないんです」「どうしたらいいでしょうか」という質問を受けた。
それはそもそもなぜあなたは踊るのかという質問に似ている。
作りたいと思わないなんて、なんと幸せだろうか。
私なりに作るべきときがきたときに作ればいいんじゃない?と答えた気がする。
私の作品についていろいろ話し(私の場合は実生活とかなりリンクしているのでとてもわかりやすい)、踊ることで昇華(消化)しなければいけなかったいろんなことがあったことを思い出した。作らないですむということはそれだけいまが満たされているということだから、その今の生活を大切にしていけばいい。

今回の作品は私小説ダンスと水野さん(JCDN)に名付けられている。なんだかよくわからないけれど、いろんなことを思い出すのだそうだ。ポイントは私のを想像するのではなく、自身におこってきたいろんなことをそれぞれの人が思い出すということらしい。涙を流す人が多くいて、私自身も驚いている。お涙ちょうだいにならないよう気をつけているつもりだが、おこってしまったことは仕方ない。
たんたんと自分の道のりを説明しながら、私もいろんなことを思い出す。かならず眠れなくなり、たくさん泣いて、考えて、それがこの作品なのだと思う。踊る稽古はほとんどしていない。というか稽古は必要ない。むしろ稽古をしてはいけない作品。
10年くらい経って、またそのあとの分が付け足して発表できるのではないかと思って楽しみにしている。もしかしたら次は10年どころか30年後とかになるのかもしれない。そしたら文字通りグールドさんのゴールドベルグのようにめぐりめぐってこの曲に戻るということなのかもしれない。
得るものがあれば失うこともある。何かを失うことで作品は生まれる。花さき山のような話しだ。




ひさびさのお休みです

今日はひさびさのお休みです。
仕事を掛け持ちしているせいもあり、それぞれはちょっとずつ働いているので遊んで暮らしているように思われているけれど、そんなことないです。我ながら日本に帰ってきて驚くほど働いています。とはいえ、私の周囲の友人たちを思えばかなりのんびりしたものです。日本人は働き過ぎであるとつくづく思います。
お休みになるとまず昏睡し、祖母のもとへいくのがおきまりとなっています。昏睡というのがおかしいのですが通常昼までねむりこけます。そして帰ってきてまた眠ります。夕ご飯くらいになっておきてきて、メール等を処理し、ご飯を作り食べ、そして寝ます。本当によく寝ます。コーヒーを飲んでもそのまま眠りこけます。

しかし本日は祝日なものの、家の工事は8時から始まっているためそれもできず、こうしてドトールに避難してきました。(こことうち近所のスーパーの前はwifiが使える地域で、私とスカイプ通話をしている人は皆知っているおなじみの店です)
こういう日はひたすら何かを書き続けます。
それは作品のプランというときもあるし、こういうブログかもしれないし、劇場論(先日聞かれたのでそれにたいするお返事)だったりします。
今日の東京(神奈川)はよくはれています。
佐東利穂子さんをみにいこうかとおもっています。


2009年11月18日水曜日

横浜映像祭

帰ってきてすぐに、
(というか公演後とんでもなく飲んでしまい、3時ごろまで飲み明かしたあと思うところあって寝れなくなってしまい5時半過ぎまでおきていて、朝市に出かけてしまったような佐世保の一日があり、その後深夜に神奈川に帰りその次の日)
横浜の映像祭にいきました。
BankARTで働いている人は招待券をもらえるんですが、それを有効活用するべくいってきました。なお、20日までにいくとプラネタリウムがついていて、ちょっとすてきです。実際にねっころがってみれます。コメントというか言葉が多すぎなのが難点ですが、目に見えない星まで映すプラネタリウム、さすがです。
夜寝る時、私はひとりです。
夜寝る時、あなたはひとりです。
地球の夜は1つだけれど、人の数だけ夜がある。
とかそんな台詞があり、よいです。
私が興味深く思う作品はたまたまバンカート内に多くあり、(しかしメイン会場②なので、新港ぴあだけみて帰ってしまう人が多いようでちょっとかなしい)やっと現実にみることができました。ホーメイで知られている山川冬樹さんの作品がよかったです。今現在たくらんでいるきの作品のプランにつながるところがあり、うぐぐと思いながらみました。あとはアルフレッドジャーがさすがにうまかったです。

ただね、人が本当に少なくって本当に本当にかわいそうです。
働いている身だからよくわかります。ちょっときてやってくださいませ。

OVAのずるさん(出品者)が
「あ!たまにひとがきてると思って喜んだのに知り合い(つまり私)じゃん、、、」といっていたくらい少ないです。
珍しい映像とかもあるけれど「やっぱ、(所詮)映像だからねえ」(by ずるさん)といわれてしまうこの悲しさ。
今月末まで。

リミニプロトコルみたついでによっていくというのもおすすめです。はい。
以下リミニのおしらせ。

客席は大型トラックの荷台。
東京・横浜の港湾部に広がる物流拠点をめぐる観客移動型演劇!



Cargo Tokyo-Yokohama
 カーゴ トーキョー-ヨコハマ

(急な坂スタジオ国際交流レジデンス事業 http://kyunasaka.jp/


人々の記憶や想いを採集し、鋭くユーモラスなパフォーマンスに変換する
ドキュメンタリー演劇の新風、リミニ・プロトコル。今回のテーマは「物流」。
トラックの荷台を客席に、荷物目線で東京を出発し、横浜へ。

2006年に発表した野外パフォーマンスの傑作『Cargo Sofia-X』のコンセプトを
もとに、2か月にわたる横浜での滞在制作を経て、オリジナルバージョンを発表!
初めての場所、働く人々の声からいつもとは違う都市の姿が見える。

構成:シュテファン・ケーギ
演出:イェルク・カレンバウアー(リミニ・プロトコル)
出演:青木ミルトン登、関口操、畑中力、サブリナ・ヘルマイスターほか

<『Cargo Tokyo-Yokohama』について>
本公演はトラックを改造した専用車両に乗車していただく移動型の公演です。
通常の演劇公演とは実施要領が異なりますので、公演詳細と申込方法を充分
ご確認の上お申込みください。

<スケジュール>
公演期間 11月25日(水)~12月21日(月)1日1回公演 (乗車人数45名)
開演時間 全公演15:00開演  受付14:30~14:55  全23回公演 日曜日は休演
公演時間 約2時間
(当日の道路状況によって終演時間が遅れる場合がございます。)

<公演場所>
出発地点 クリスタルヨットクラブ 駐車場
(「天王洲アイル駅」 徒歩5分/「品川駅」からバスで10分)
到着地点 横浜市内・みなとみらい地区
(みなとみらい線「馬車道駅」徒歩10分、JR「桜木町駅」徒歩15分)

<料金>
無料。乗車券を発行します。
[ただし発券手数料として1枚につき300円(税込)がかかります。]

<受付開始>
第1期:11月25日(水)~12月5日(土)の回=2009年11月19日(木)12:00~
第2期:12月7日(月)~12月21日(月)の回=2009年12月1日(火)12:00~

<受付方法>
F/Tオンラインチケット(24時間受付、要事前登録・無料)
http://festival-tokyo.jp/(PC)
http://festival-tokyo.jp/m/(携帯)
※F/Tオンラインチケットでお申込み後は、期限内にセブン・イレブンで乗車券を発券ください。
F/Tステーション(12:00~19:00、池袋・東京芸術劇場前)
(11月24日,11月30日,12月7日,12月14日 休業)

<枚数制限>
1申込につきお一人様1公演日のみ2枚まで

<注意事項>
電話での受付けはございません。
予約・発券後の変更・キャンセルはできません。
当日乗車券をお持ちでない場合、また乗車受付時間に遅れた場合は、ご乗車いただけません。
当日のお申込は、空席がある場合に限り、14:30より出発地点にて受付けます。
(満席の場合はキャンセル待ちとなります。)
未就学児はご乗車いただけません。

<お問合せ>
F/T『Cargo Tokyo-Yokohama』公演専用電話 080-5900-2064(月-土 12:00~18:00)

事業仕分けについて

現在事業仕分けについて報道が連日なされているが、私たちが関わる文化事業何ぞはまさしくその渦中にある。確かに即効性がなく、なくても死なないとはいえる。しかし将来展望をみて、二本は新しい産業の1つとして文化事業を取り上げなければいけないのではないかと考える私にとって(あるいは多くの私の友人の表現者にとって)削っていいのか疑問である。
そんな矢先に鳥の劇場(鳥取にある小さなしかし地道に活動している劇場さん。JCDNの公演地の1つでもある。)からのメールが転載転載されながら流れ着いた。
たまたまなのだが昨日いった映像祭であったOVAのずるさんも同じことを言っていた。19日が締め切りだという。書くなら、いま。
そういうわけで、ここにものせようと思います。

■■■■■■■■■
『鳥の劇場』からのお知らせです。
不要な方はその旨をご返信ください。
■■■■■■■■■

今日はお願いがあって、メールをお送り申し上げます。

ご存知の通り、現在政府の行政刷新会議による事業仕分けが進んでおります。
その中で、文化予算についても議論されています。私ども鳥の劇場が文化庁か
ら助成を受けている(来年度も助成を受ける予定の)事業について、「圧倒的に
予算を縮減したい」というコメントが、担当のワーキンググループより出されまし
た。

「地域の芸術拠点形成事業」というのがそれです。基本的には公立の文化会館
を対象としたもので、地域の芸術創造活動を活性化するための中心的な役割を
果たす場所を育てようという事業です。鳥の劇場は、民営の劇場ですが、今年度
からこの事業による助成を年間で900万円得ています。今年を含めて三年間の
継続が基本的な前提で、このお金は年間の事業全般が対象です。

地域の拠点となる劇場の年間の事業全般に対して900万円というのは、決して多
い額ではなくて、できたら来年度は増額を望みたいと考えていた矢先に「圧倒的
に予算を縮減したい」という話が出てきたので、正直言って途方に暮れていると
ころです。

文化による公的な支援の是非、支援を国がやるべきなのか地方がやるべきなのか、 など議論されるべきポイントは、もちろんいくつもあります。欧米では、それら
に関するある程度成熟した議論を背景にして、それぞれの国の文化政策がありま
す。国からの支援が当然、ということではもちろんありません。

しかし、我が国では、残念ながら、いまだ文化が誰のためのもので、誰がそれを
支えるのかということに関して議論が十分ではなく、もしここで例えば「文化は
地方がやるべき」「民間の寄付をもっと活用しろ」などの論のもとに現状の助成
金が「圧倒的に予算を縮減」されてしまったら、地方や寄付だけで文化を支える
システムはありませんから、鳥の劇場だけでなくて、未来に向けて理想と希望を
持って舞台芸術に取り組んでいる人の活動が、現状でも相当たいへんなのに、
かなり致命的な状態になることは間違いありません。

このメールでみなさんにおねがしたいのは、
1 この現状を知っていただいて、少しの時間でいいので、仕分けの判断の妥当
さについて考えていただけたら
2 もし可能なら、ご意見を文部科学省宛にメールでお送りいただけたら
という二点です。

このリンク↓の番号4 文化関係1ー独立行政法人日本芸術文化振興会というと
ころで、資料をご覧いただけます。このページで一般からの意見を求めています
http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/sassin/1286925.htm

ワーキンググループからのコメントは、これ↓でご覧いただけます。
http://www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/h-kekka/3kekka.html

もし意見をメールでお送りいただけるようなら、文科省のサイトには12月15日
締め切りとなっているのですが、今月19日(3日後)に”事業仕分けの結果(内
容)を話し合う行政刷新本会議”があり、それまでにお送りいただけるととても
有効なようです。

鳥取の現場での我々の活動を応援してくださっているみなさんだからこそご理解
いただいている芸術文化、それを支援することの意義や価値を、東京の仕分け
の議論の机の上に届けていただけたら、とても意味あることだと思います。

ちょっとだけ考えてみてください。そしてできたらメールを送ってください。
なにとぞよろしくお願い申し上げます。

お読みいただいてありがとうございました。

鳥の劇場 中島諒人

2009年11月17日火曜日

携帯復活

携帯電話が復活しました。
従ってすべてのデータがきえてしまったので、皆さん電話/メールしてください。よろしくお願いします。

WEOGO

上野君はIchIのダンサーさん。在研(つまり2004年)同期で、とてもお世話になっている。現在もフランスと日本をいったりきたり。来週母校のホールで踊るのだという。

フランス語一切しゃべれないのに度胸でいってしまった私とは違って、ちゃんとフランス語文学科をでているのだが、まさか自分の母校で招かれて踊ることになるとは思っていなかっただろう。(なお、彼の同級生、先輩、先生方はちゃんとした文学者で、踊っているなんて人は珍しい。どこで才能が開花するかわからないものだと思う。)

それもフランスの振付家(自分のカンパニーの)をまねいて。

パコはとてもかわいらしい感じの人で、彼の作品はとても繊細でやさしい感じがする。Indigoのなかのうさぎさんダンスは忘れられない。決して目立つタイプではなく、しかし丁寧に作品を作るタイプの人だ。

キミホさんは元々バレエの人なのだが、とても美しいかんじの人です。写真で見ればわかるように絵に書いたお姫様のよう、、、。(ちなみにイギリス国籍を有するのだそうです)

入場無料というわけで、お時間ある方ぜひおこしくださいませ。詳細必要な方おくります。のせようとしましたが重いせいかのせれませんでした。

私も仕事終わってダッシュします。


日時:11月25日(水)6時開場6時半開演

場所:明治学院大学アートホール

振付出演/上野天志

客演/パコデシナ、キミホハルバート

主催:明治学院大学フランス文学科芸術鑑賞会、フランス文学会


長崎/佐世保からかえってきました

長崎空港からくるまで1時間。佐世保は小さな港町です。

ついたら地図をもらおうとして渡されたのは「佐世保バーガーマップ」。ここではまず一番の観光資源がハンバーガーだということです。

おまけにそのハンバーガー食べそびれました。とても悔やまれます。

かわりにおいしいものはたくさん食べたので(おかげで太ってしまって、気持ち悪いです。)よしとします。

普天間ふくめ沖縄の基地問題が連日あがっていますが、この町もまさしく基地の町で、基地なくしてはおそらく経済破綻を起こすのではないかと考えさせられるほど密接にむすびついています。町の大きさに似合わず多い飲み屋の数。タクシーの行列、町中にあふれる英語(お店によっては米ドルそのままで買い物ができます)駅前に大きなホール(アルカス佐世保。そこのイベントホールで踊らせていただきました)があり、そこだけがものすごく際立って目立つ。そんな町です。

北海道でいえば札幌ではなく、苫小牧で公演します、というようなもの。しかしすごいのは長崎あるいは佐賀、福岡他各地からわざわざお客さんがきてくれるということ。今回のワークショップ参加者の子も車で1時間くらいかかっちゃうところから通ってきていて、そうやって続けている公演です。

ここからどのように広げていくかが問題で、地元の人の力なくしてはできないよというのが水野さんのお言葉。しかし、ワークショップを続けてうけているこたちもいるし、徐々に徐々になのでしょう。

たまたま前日にロビーにいたら、スタジオの場所を訪ねてきた人がいて、話してみたらモンネポルトというアートスペースの方でした。さらにそのチラシはバンカートで私が棚に並べたもので、これだけ距離を離れてこの佐世保であってしまうとは偶然としても縁があるのだろうということになり、翌日遊びにいくことに。佐世保からさらに45分バスに乗り(まさかこんなに遠いところからきているとは知らず安請け合いでいきますよといってしまってちょっとどうしようかと思った)焼き物の町(かつて書いたKnockのそれに近い)の中にぽつんとあるそのスペースで再会。そこで展示していた作家さん(本当は東京人)、ワークショップの受講生だった子も一緒にいろいろお話ししました。こんなところになぜ?というくらい人が訪れていて、これもまた妻有と同じような現象が起きていてびっくり。おいしいご飯を食べ、ゆっくりとした時間を過ごしました。ありがとうー

しかしそれにしても車文化恐るべし。私は運転できないけれどね。

2009年11月13日金曜日

輪をもって尊しとなす

ここ数日連日のようにバンカートに通っていたが、お休みのある日、しかし私は馬車道にいた。エアジンというライブハウスに皆でお邪魔してのりさん(IchIのドラマーさん)の演奏をきいたのだ。
エアジンはその昔2004年に踊らせてもらった縁のある場所。横浜でも歴史あるライブハウスなのだそうだ(しんめいさん情報。彼も昔は横浜人で足繁く通ったのだそうだ)。昔からあるポスターたちも相変わらず。こんなに広かったっけ?と思いつつ中へとはいる。
のりさんもすてきなのだが、高瀬さんがとてもあつい人で面白い人だった。話していることは普通だし俗にいう美人というタイプではないのだけれど、なんだか目がいく人だ。特に二回目のセッションはなじんでいくような感じがして良い組み合わせだと思った。
そのときののりさんをみてなぜか浮かんだのは”輪をもって尊しとなす”。
バランスのいいひとだと思う。

なお、その会で多和田葉子さんの詩がでてきて、夏休みの宿題を思い出す。3作家読むつもりだったのに2人分で挫折し(正しくはただ忘れていただけともいう)、よりによって多和田さんよみそびれたまま。よみなさいといわれているようなきがして、もっていくことにする。

佐世保の会にいってきます。

静岡

なぜにいきなり静岡にいくことになってしまったのかといえば、静岡には舞台芸術センターというのがあり、昔お世話になっていた宮城さんはそこに拠点をおいているので、今どうしているのだろう?と思いいってみることにした。
10年以上前になるが26歳までは身体を追求するのもいいかもしれない、でもそこからは必ずテキストに戻ることになると思うという不吉な(?)予言をした宮城さん。いくつかの名言があり、本当に天才だと思う数少ない人だ。(天才という言葉は少し難しいが、なんかちょっとつきぬけちゃっているような気がする。ラッセルさんなんかはとてもお世話になったし尊敬しているが、ちょっとタイプが違う。)
IchIはここで学んだことも多く含まれていると思う。そのIchIをみてくれたのだから、おかえしに(?)見に行こうとたくらんだ。(それも2日くらいまえに、急にきめた)鈍行電車でごっとんごっとん。でも木野家は神奈川なので意外に近いということに気がついた。親友と大学時代にした青春18切符で巡る貧乏旅行の話しをし、しかし10年以上たつけどかわっとらんねと言い合う。

夜叉ケ池(泉鏡花)、
とりあえず驚くべきはお魚さんとかにさんである。
クナウカ時代ではぜったいあり得なかったであろう、すごいキャラクターが登場した。そうくるか、とちょっと驚いた。とても変だけれど、でも基本カラーはしっかりしていて、その幅広さがすごいと思う。
エンターテイメントと宮城さんは笑った(照れているらしい)が、でもそれが混ざってしまうそのことが、そのバランス感覚がすごい。

これまた尊敬するパーカッションさんのたなさんにお会いできたのもうれしかった。


帰りの電車は地方文化の活性化と、資本主義崩壊後の経済活動について話しが盛り上がる。


2009年11月8日日曜日

ぬくいの文化について

これは前にも書いたことがあるが、日本には「ぬくい」という言葉がある。
あつい(hot)でもなく暖かい(warm)でもなく。
ここ数日急激にさむくなってきて、しかも我が家は工事中なため、暖房器具が全く使えない。(すきま風も冷たい)そこでゆたんぽという奥の手を入手。昨年くらいからだろうか、ブームらしくて、それにとても助けられる。ぬくい。おまけに手触りの良いカバーがついている。
このカバーの発想は海外ではみない。おまけにこういうてざわりのいい、ふわふわとかぬくぬくとかそういう言葉はない。そもそもオノマトペ(擬態語)自体が少ない。日本独自の文化なのです。おすすめはソフトタイプのもので、堅いものよりもダンサー的には使用しやすいです。ストレッチのときなどにも有効に利用できます。
工事のついでにいまはなんとお風呂も使えない状況なので銭湯に通うことになっていて、これまた日本独自のぬくい場所となっています。ただ難点は近くにない!ということ。現在すむ神奈川の住宅街にも仕事先にも近くにはなく、自転車で走らねばなりません。内風呂文化がそれだけ浸透しているということなのでしょう。なお、一番近所のお風呂屋さんは昔ながらの番頭形式で、ながーい煙突があったりします。大学のときにすんでいた都心(学校のすぐ裏のあたりにすんでいました。とても便利)の風呂なしアパートを思いだします。いまでもあの月の湯はあるんだろうか。
煙突ついでに友人のパフォーマンスを思い出し、ブックレット(なぜかその作品はDVDなどにできるものではなかったので記録はブックレットにのこされている。なにせ煙突内で行なわれるパフォーマンスなのだ)を開いてみてみる。あれだけの大移動のあとよく保管していたものだと思いつつ、なつかしく、笑う。

今日はこれから静岡にいってきます。




2009年11月2日月曜日

友枝能

能をみにいく。
友枝会「江口」「黒塚」と狂言「茶壺」。
正直に言う。私は能は詳しくない。このチケットも友人の能を習っている子が「絶対おすすめだからいけ、いかないと一生見逃す、絶対だから」と3ヶ月くらい前からずーっとずーっといっていたのでいくことにした。
しかしそれだけ勧めるだけあって良い会だったと思う。緊張感のあふれる、しずかなきれいな時間が流れる。
能舞台だから照明は同じなのだけれど、シーンがかわって光りがかわったかのように感じられるのだから、そりゃあ、すごいことだと思う。ただ、お勉強していったのにも関わらず、やっぱり半分くらいしか何をいっているのか理解できなかったことが悔やまれてならない。狂言はほぼパーフェクトにわかるのに、面をしているせいだろうか、節回しが独特だからだろうか、私がうつつの世界に入っていたせいだろうか。
言語がそれほどまでにかわってしまったことを残念にも思う。

ある晴れた日に

ある晴れた日にお昼のカレーを食べていたら(バンカート名物グリーンカレー)となりが「このまま地球がなくなんないかな」とぼそりとつぶやいた。
「そうですね、よくはれているし。なくなる日和かもしれません。」とつい答えてしまった。

よく晴れた日は何となく幸せな感じがする。その幸せな感じのまますぽっとすべてがなくなったらそれはそれでいい感じがするのだ。それがいまきてもなんか納得できるような気がした。少なくとも私の中では。それくらい、多分いろんなことが落ち着いた感じがする。
しかし、それはとても変な答えだったらしく変な顔をされてしまった。(だからサイコはクレイジーなんだというシンの声がきこえる。普通否定すべきところを肯定してしまうそこがおかしいというのだ。私はそうは思わないが。だからいってしまって、しまったとちょっと思ったことを付記しておく。)
あまりにも人類は増えすぎてしまった。だからどこかで調整をしなければならない。そんなことを考える人はあまり多くないらしい。

とはいえその翌日、これはまた別の友人とあっていて、ノストラダムスの大予言というのがあったねえという話しになった。どうも私たちの年代は「いつか地球がなくなるはずで、なくなったはずで、何かの弾みでそれがうまくいかず滅亡しそびれたゆえ、何となく余った人生を歩んでいる」という感覚を持っている人が結構多いのではないかという気がしている。人生観を形成する上でここまで大きな影響力を持ってしまったノストラダムス、恐るべし。


一雄さん

もう先週のことになってしまったが、一雄さんのお誕生日会にお邪魔した。
一雄さん、103歳。
ヨーロッパに行く前に、一雄研究所のこにつれられてやはりこのお誕生日の日にご挨拶をしたのを覚えている。あれから5年。いろんなことがあって、その間にも一雄さんはお年を召し(いや、私もだが)しかし再びお会いすることができた。
言葉にはならない声を聞く。動かない手。しかしまだあつい熱を持ち、そして呼吸している。まさしく生きている、そのエネルギーだけをみる。
その日を今年また無事祝えたことに皆で満足し、今年が最後かもと毎年思い、しかし翌年もまたこうして祝えることを祈る。

2009年10月25日日曜日

踊る受付、踊るバーテン

現在アルバイトをしているバンカートにはダンス系の方々がいる。正しくは舞踏の皆さんなのだが、私にとってはおそらく他のコンテンポラリーダンスの人よりも感覚は近いとおもう。ひまなときは、例えば昨日は批評というタイトルでシンポジウムがあり、それについて話したりしている。
ついでに稽古で何をやっているのか、とか過去の作品の話しを語っていただく。気がついたことには私の周りの舞踏家さんは皆よく語る人が多い。大野フェスで声が出ないのに話しはじめたらとまらなくなってしまった慶人さんはじめ、舞踏論、昔の話し、作品について、どの舞踏家さんもよく語る。踊る分どこかで話すことでエネルギーのバランスをとっているんだろうかと思うくらい普段はよく語る。
カタルというのはタタルとかタカルとかと同じ語源からきたものらしい。言葉と舞踏はきってはなせないものだ。
で、ついでに型のいくつかをやってみせてくれたりもする。元々いた舞踏団はとても厳しいかったらしい。とてもいい舞い手さんだとおもう。踊り手ではなく舞い手。本当は飛ぶこともあるのだろうが、しずかにたたずむ。
そういうわけでバンカートではときどき踊る受付と踊るバーテンをみかけることができます。(あんまりあわないので両方を同時にみることはなかなかできませんが)

2009年10月20日火曜日

記憶について

大野一雄フェスが終了しました。
実はここのところ尋常じゃない忙しさだったため(それぞれはそれほどでもないのだが、合わさるとすごいことになって、しかも帰りも毎日遅すぎてほとんど寝れていない状態が続いていた)、更新が遅くなってしまい、申し訳ないです。
今回禁色という舞踏のはじまりともいうべき作品を再び考えてみようという試みがあったのですが、とても面白い会でした。私は3回のうち2回目がみれなかったのですが。(その一回は札幌に行っていた間です)
私にとって何が面白かったのかといえば50年経た型をたどっていくという作業です。慶人(一雄さんの息子さん)の身体の中にある土方さんとの思い出や、当時の記憶がその型をたどっていくことによってよみがえっていきます。運動量としては多くなく、そして年老いた身体では(失礼!)当時の美男ぶりはわかりません。しかし、だからこそその思いのようなものは見えてしまうのです。
私の札幌ダンスもそうですが、30年分の記憶、その当時の作品の記憶というのは蓄積として見えてきます。ましてや50年分。その人のいきてきた軌跡をみるようなものなのです。グレングールドのゴールドベルグもそうですが(彼ははじめてのレコーディングでこれをひき、死ぬ直前にもう一度レコードしたので2種類のバージョンがあります。はじめのテイクの方があまりにもすばらしいといわれますが、その迷いや思いのこもった2回目のテイクを私の作品では使用しています。生きるということはそういうことなきがして。)。
どんな小説も1人の人の人生にはかなわない。そんな言葉を思い出しながらみていました。

もう1つ3回目の禁色の会では慶人さんディヴィーヌ抄を踊られました。父の代表作であるその作品を踊ることは彼にとってどういう意味を持っているのか、またその作品しか彼を表現することができないのだとしたらそれはとてもしんどいことだと考えさせられます。本当に美しい、いい舞台でした。それだけに、この人の生き方を感じました。
以上、すごいよい会だったので、お知らせしておきます。


2009年10月16日金曜日

札幌ダンス

札幌ダンス終了しました。
お越しいただいた皆さん、ありがとうございました。
今回もまたおどる前に山登りをしました。いい景色でしょ。
札幌はうまれ育った土地でとくにこの円山は毎日毎日みて育ちました。家がふもとだったせいもありますが(ちなみに現在も本籍はタイトルの住所にあります。番地まではいっていないけれど、大体あの辺ってことで)、高校も山の上。(開成高校との定期戦ではおさるの学校といわれる。グラウンドにはきつねもいます。)おそらくこの山は私の原風景でもあるのでしょう。
今回は多くの予想外な皆様にいらしてくださりました。昔同じ稽古場でおどっていた子や、高校時代の演劇仲間など。(恐るべきことに、ちゃんと続けていていまじゃ結構有名になったそうな)うれしいことです。
また、アンケートなどもいろいろ書いていただき、とても励みになります。
30年分(なんと恐るべきことに私はおどりはじめて30年もたったらしいということがわかりました。衝撃的です)の軌跡を辿る作業は、家や家族や札幌や、多くのことを考えるものでした。そのような機会をいただき本当に感謝しています。
また、これからどのように札幌と自分をつないでいけるのか考えていきたいと思います。

踊りにいくぜは全国各地のダンサーさんがまわっています。
今回のメンバー山下残さん、ザクロさんは横浜ダンスでもよくしっています。また宮崎大学(ンマツーポス)は大学ダンスつながりで。(高橋先生は大学の先輩にあたり、私も大学時代に宮崎でおどらせていただいた記憶があります。大学ダンスネットワークのすごさはかなりのもので、これについてはまた別項目で話さねばなりません)
私はこの札幌ご当地ダンスを佐世保で上演することになっていて、どうやってお話ししようか、悩むところです。1ヶ月後をたのしみに。


2009年10月9日金曜日

IchIについてその後

あれから2週間もたってしまって、実はいまだビデオはみれていない。(オフィシャルでとってもらったものがあるはずだがレコードできているのかも定かではない。私のビデオでリハーサルを撮ったものはとてもみれる状態ではなかった。)が、うちの先生にあったので感想をきいてみた。
あんた、まだ作品じゃないわよ。
あれちゃんと四角いとこでやんないとだめじゃないの。黒い壁のあるとこないの?
高さがみえないわねえ。(私のよいところでもあるという)
まだ若いってことね。
とことごとくいわれてしまう。

いや、そういわれてももう本人は結構がんばったと思ってるんですけれど。そういうわけでまたいつかちゃんとやらねばならないらしい。

次にやるときは電球10個だって。いや、それは既に作品がかわってしまうのではないだろうか。

厳しい師匠のお言葉でした。


おまけ:その後やったスパイラルは今日みて(写真も)その恐るべきカオスぶりにびっくりしました。写真は撮ってくれた人がうまかったので美しいんですけれど(でも私はもう少しきれいにすべきと思う。うちの子たちは皆かわいい)、ビデオはすごい。ある意味。みてみたい方は連絡ください。


2009年10月6日火曜日

bankartより

バンカート溝端さんより、今週末の鈴木さん(鈴木孝子、大野一雄フェスの一環)はいいですよ、だから見に来てくださいとのお知らせが。鈴木さんはサシャワルツダンサーなのですが、日本では知っている人は知っているけれど知らない人は知らないです。(当たり前です)
青山トリエンナーレに隠れて目立ちませんが、お時間ある方はぜひ。

とはいえ、私も拝見していないので、何ともいえないんですけれど、みたら感想アップしなければですね。

■鈴木孝子「MENUT」(メニュー) - ダンスと音楽、ビデオによる都市変層学プロジェクト-

日時:10月9日(金)1930開演  (終演後出演者によるアフタートークあり)
10月10日(土)16:00開演 (終演後出演者によるアフタートークあり)
会場:BankART Studio NYK / 3F
入場料:前売2,000円、当日2,500円、高校生以下無料 (横浜市在住者は前売り半額 ※証明できる書類等ご提示下さい)
コンセプト+ダンス 鈴木孝子
音楽 アクセル・ドーナー
ビデオ映像 祢津悠紀

横浜の街で、ダンサー/振付家の鈴木孝子、音楽家のアクセル・ドーナー、映像作家の祢津悠紀の3人がそれぞれの視点から採集したマテリアルを元に、もうひとつの街の肖像を創り上げることを試みます。時代の変化と共にめまぐるしく変化していく街の表情と、その反面置き忘れられたような街の変わらぬ表情、その両者を捉えながら探索を行います。遠距離移動が容易になって久しい現代において、それぞれがどのようにひとつの土地やそこで出会う人々とコミニケーションをとっていくのか。そこには今まで見たことのない街の肖像があるはずです。そして、それらが観客それぞれの視点と交差して、更に新たなる肖像を創りあげていくのがこのプロジェクトのねらいです。あなたは日頃どのように街と付き合ってますか、そこから何を感じ取って毎日を生きていますか。

鈴木孝子 略歴
東京にてデザインを学んだ後、1986年より舞踏家古川あんずに師事、Dance Anzu School(東京) とHochschule Bildende Kunst Braunschweig(ドイツ)でダンスを学ぶ。1992年よりベルリンの振付家、サシャ・ヴァルツとのコラボレーションを始め、1993年より Sasha Waltz & guests カンパニー創立メンバーとして主な作品に出演、多くの国際フェスティバルに招聘される。以後、様々な振付家、音楽家とのコラボレーション作品に参加(Constanza Macras, Nicola Mascia, Dietmar Diesner, Axel Doerner)。1999年~2005年、ベルリンシャウビューネ劇場にて専属ダンサーとして活動する。2005年よりカンパニー活動と並行して、様々な芸術分野のアーティストとのコラボレーション、オペラや映画作品での振付けを手掛けている。2008年、演出作品『Empire』の初公演がドレスデン市立オペラ劇場、およびドレスデン市立美術館で行われ好評を得る。

2009年10月4日日曜日

さいこはさいこだから

先日の日記に書いた「さいこはさいこだから」という言葉、それを聞いていたシン(韓国人の悪友)が「ねえ、さいこ、しってる?さいこってpsycoって書くんだよ。意味はね、クレイジー。クレイジーさいこって意味だよ」と耳打ちをしたのを覚えている。(そういう意味ではないと信じたいものだが、ラッセルさんの真意は明らかではない。)
しかし、昨日パフォーマンス中にちょっとおもった。かなり飛ばしてしまった。
しかしもっとおかしいのはあつまったメンバーみんなクレイジーな感じだったこと。特に5時からの回。カオスでした。
突然いらしてくれた浅野さん、すてきです。めちゃめちゃ遊ばせていただきました。見に来てくださった方もまたいろいろですごいハッピーなかんじのイベントになりました。(点字話しについてはまた後日)
そのあと、AAPA組をみにいって(横浜)、すごいまともにみえて(彼らはちゃんとまじめに作品を作っているし、まじめな人たちです)そのギャップのようなものにうぐぐとなりました。
で、かえってきて、今日なんですが、なんと餃子(のようなもの)を食べようとして歯が欠けました。ショックです。正しくはかけたことのある歯を止めていたのだけれど落ちてきたみたいです。そもそもは白州で定規にあたってかけたもの。(これについてはいまでも伝説のように語られている)懐かしい限りです。
気違い沙汰だったので、ちょっと休めと神様がいっているのかもしれないと思うのでした。
はい。


2009年10月2日金曜日

showcase@ SHOWCASE

こんにちは
遅くなってしまいましたがショーイングについての説明です。
10月3日、せっかくやるならいろんな人が関わって楽しくおどる感じにした方がいいのではないかと思い声をかけたら、予想以上に人数が増えてしまいました。
しかしあの狭い中にぎゅーっとなりつつしかしめちゃ動くというのが面白いのではないかとおもいます。

ダンサー:黒田なつこ(元教え子です実は。)、山本ミョンフィ(ロンドンダンサーです。現在帰国中で、トリエンナーレのWSなどをうけていたところをつかまえました)、黒田さんの友達の女の子、木野彩子。ミョンフィちゃんとなっちゃんは同い年世代だし(若い!)動きの質も近いところがあるので、あうと思います。


音楽:現在上地正彦が大まかな流れを作成中。即興ではありますが。キーボード、及びドラムとターンテーブル、バリトンサックスという編成になりそうです。

あの四角(公的には4M×4Mといわれています)の中に8人も!そして楽器はどこへ置くんだ。謎は深まりますが、何とかなるでしょう。

時間は14時20分からと17時からでおよそ15分ずつです。(なお、今津さんが14時と17時20分です)
場所は青山スパイラルビルの1Fにあるお店屋さんのあるガラス張りスペース。道路に面しています。その日は特別にスペースとなっています。その場所がSHOWCASEという名前なのです。

以上、通りすがりにのぞいてください。


2009年9月29日火曜日

妹による姉宣伝文

妹は姉のダンスをどううけいれるべきかかなり迷い、しかし家族は大切にしようと最近助けてくれています。

本当は妹も絵を書いたり文章を書いたりする人間で、人物観察力はかなり鋭いです。

しかし一応身内なのであまり変なことはかいていません。しかし洗練されていなくてうまくない、その通りです。残念ながら。だから今でもうちの母校ではなぜ私がプロフェッショナルになってしまったのか疑問が残っているのです。私にもわかりません。ただいえることは「さいこはさいこだったから」だそうです。困りましたね。


10月札幌でおどる会にあわせて作ってくれた妹作成のDMメールです。



実は、私には踊り子の姉がおりまして

コンテンポラリーと呼ばれる前衛的な踊りです。

(裸足で踊るアレですよ、アレ。と言ってもわかりにくい)

 

ロンドンのラッセルマリファントカンパニーに、所属していました。

ラッセルの振り付けを踊るダンサーとして世界中を飛び回りながら

自らも作品を制作する振付家として、この春まで活動してました。

決して洗練されたものではないし、上手いものでもない。

でも、「生身の身体」を感じさせる踊りです。

 

最近は、ダンスだけではなく

表現活動に興味がある人が集まって

何かを作る場が作り出せたらいいなと考えて

高校卒業以来縁のなかった札幌で

色々な人を訪ね歩いて行った結果、とりあえず踊ることになりました。

興味のある方は、まずはご覧になってもらおうかと思ってます。

作品を見れば人がわかるともいうので、今回の舞台を通じて

木野姉と、木野姉が創る場を面白がってくれる人に

出会えるといいなぁと思います。

 

 

そんなわけで、木野姉が踊る舞台のご案内です。

姉妹ともどもよろしくお願いします。

 

 

******************************************************************

踊りに行くぜ 

******************************************************************

 

日本各地のオーディションで選ばれたダンサーが

それぞれの地域の魅力を持って、キャラバンするイベントです。

札幌以外にも日本各地様々なところで開催。

神奈川在住の姉が、なぜ札幌代表なのか

本人のメッセージをご覧ください。

 

 

◆日時  10/14(水)19:30~

◆場所  生活支援型文化施設コンカリーニョ

          札幌市八軒1条西1丁目

◆出演者 札幌代表 木野彩子 「北海道札幌市中央区南6条西26丁目」

     札幌代表 YUKA&HIRO 「at the A of SPIRAL

東京代表 山崎麻衣子「はなの実」

     京都代表 山賀ざくろ・山下残 「横浜滞在」

     Mi宮崎代表 んまつーポス 「crossinng over する身体」

 

◆料金  前売り 2,500円(当日3,000円)

     

 

◆以下 木野彩子からのメッセージ

 

私は札幌市出身です。

いまも本籍は札幌にあり、実家もあります。

高校を卒業してからあとは時々帰るものの、

住んでいる場所をてんてんとしました。

東京、神奈川、フランス、イギリス。

いろいろ巡ってふたたびもどり、

いまこの地で何が出来るのだろうと考えます。

学校の先生になってみたり、役者になってみたり、

ダンサーとして各国を転々としたり、

いろんなことがありましたが、

私自身はあまり変わっていない気がします。

思えば札幌の山が、空が、私の原風景を作ってきました。

そんなことを踊るべく、少々強引ではありますが、

作品にしようという試みをはじめました。

もうもはやダンスというべきかどうか

わからないものになってきていますが、

私なりに私のダンスと向き合ってきた過程を

短い時間ながら伝えたいと思います。

お時間ありましたらぜひお越し下さい。

 なお、タイトルは木野本籍です。本当は番地まであります。


 

 


弱点とは

IchIには大きな弱点がある。
正しくはとてもよくできていて、とても完成度も高い、私の力量を越えちゃったような作品ではあるが、しかし一方でそれに気がつく人は気がつく。
(なお、暗くて落ちる可能性があることではない。暗くてお客さんが帰ってしまう(ロンドンでは実際にあった)ことでもない)
面白いもので、昔から私を知る人ほど、それは気がつくらしい。
これはこういうタイプの作品の作り方をしているうえで仕方がないようなことでもあり、まったく作り替えることでもなければどうにもならない。バージョン1、2ででたコメントはもっとよくできるような気がしたけれど、今回のみえちゃったものはちょっといますぐ直せるものではなさそうだ。だからそろそろ離れるべきときなのだろう。
もう少し時間をおいたら何かできるようになるかもしれない。
そこまでみれたのはとてもしあわせなことなのだろう、そう思う。

今日はセットをすべて動かし、片付けました。上野君は明日出発。(どうせ11月には帰ってくるのだけれど)これですべておわります。
ありがとうございました。

2009年9月28日月曜日

IchI

IchI
無事終了しました。
思えば長い道のりでした。なにせはじめのプランは2007年の年末に作っているのです。で、インタビューやら制作やら延々と続いて今に至る。お金も時間もかかっています。本人の環境変化もあって、正直かなり厳しい精神状態だったところをこの作品が救ってくれたのは事実で、無事こうして上演できたことが素直にうれしいです。
(無事とはいえ、舞台からおちかけました。で擦りむいて血が出たままおどりました。暗闇には強いのが私の得意な点だったのにだめじゃんというかんじです。)
この作品には多くの人が関わってくれています。
私の名前で作品がでているけれど、正しくはチームが作ったものであって、それぞれの人が自分の得意分野をだしたらこうなったというかんじなのです。であってしまったものに感謝して、次につなげていきたいと思いました。

ダンストリエンナーレは昔日本にまだいた頃(2004年)ショーケースとしてださせていただきました。そして2006年にはなぜかソウルのトリエンナーレ(ビエンナーレ)にいくことになり。当時からずっと私の作品を応援してくださった皆さんがいらっしゃいます。懐かしい円形の舞台に再び帰ってこれたことを、そしてこの作品を持ってこれたことを幸せに思います。
日本版をだすにあたり照明のコードや電球ライトを作りなおさねばならなくなり、照明片田さん自ら買い物から手伝ってくださいました。(きのがかってきたものもあるのですが、あまりに素人っぽくて不安になったのでしょう、、、)舞台の皆さんはセットを直してくださいました。(スペシャルサンクスにプレイスプライズのテクチームの名前がありますが、あの作品は劇場舞台さんが強くなければできない作品だとも思います。本当に結構細かいんです)
音楽3人組(上原さん、新木さん、田中さん)は、暗闇の中で演奏するとか、ダンスにあわせてひくとかなれないことばかりで大変だったと思いますが、あの所々抜け落ちたスコアからよくも音楽を紡ぎだしてくださいました。
そして上野君はやっぱり上野君で、しかしあきらかに1年前とは違う上野君でした。体格的にも強くなったということもあるし、やはりロンドンがあわなかったのだなあと思ったりもして。(衰弱していったもので、あのスピンのあと本当に力が抜けるようでした)日本でのパフォーマンスはやはり力強かったです。
そして見に来てくださった皆様方。
チケットがない(当日券も2枚しかでない)という状況で超早くきてならんでくれてゲットしてくれた人もいます。(驚くべきことにその2枚両方私の友人がとりました)静岡から見に来てくださった方もいます。このパニック状態の中(実は引っ越しを間近にしていて本当に忙しいです)めずらしく見に来てくれた木野母(なお、母が私の作品を見たのははじめてです)。
ありがとうございました。
いろんな人の支えがあって、ここまできました。
でもまだはじまったばかりかもしれません。
これからもどうぞよろしくおねがいします。



2009年9月23日水曜日

26日完売

どうも26日は完売のようです。
既にご予約いただいている方ありがとうございます。
当日券があるとは思いますが、お電話等で確認の上お越し下さい。
きのに直接いってくださっている方は大丈夫ですが、いくかも、レバルの方の分はいまのところおとりできていません。すみません、確認よろしくお願いします。

予想はしていたのですが、予想以上でした。


25日追加
予定では当日券がでるとのことです。しかし枚数には限りがあります。お早めのお越しをお願いします。


2009年9月22日火曜日

26日上演順

昨日の話しで上演順番は一番になりました。
1IchI,2今津作品、休憩、3、韓国のキムさん、4、浜口作品
従って遅刻厳禁です。
その日は9時から映画の会があるとかで、あまり押さずにスタートすることになると思います。なので、時間にはお気をつけ下さい!
(昨日の情報によれば韓国チームは10数名だとか。どういうことなのでしょう???)

妻有について


いま私はアリースからのスカイプを待っています。家にネット環境がない身としてはひたすらマックで待たねばなりません。で、いつになるかわからないので、その間にちょっとだけかくことにしました。
そう、夏休みにいっていた(私にとってはお仕事ですが)越後妻有トリエンナーレです。
最終的に一日ぐるりといくつかの展示場をみせていただくことが出来ました。しかし370も作品があるので正直私がみたのは15かそこら(通りかかりにみてるとかそういうのをいれればもう少し増えて30くらいになるのではないかと思いますが)。なので一概にはいえません。
そのなかで最もわたしにとってよかったのはバンカート妻有から帰る途中の右手に見下ろせる棚田(8月24日夕方7時頃)でした。元々絶景のポイントがあるのですが、夕焼けがまた絶妙なタイミングではいってくるところでした。でも電車の時間が間に合わなくて超ダッシュだったんで写真も何もあったもんじゃないです。
なお写真は桐山の家からみた光景で毎朝だいたいこんな感じです。(これは泊まらないとみれない光景ですね)
どんな作品も自然の美しさにはかないません。
逆に自然にとけ込み作り上げてきた農業や様々な営みはアートと呼ぶに匹敵する強さをもっていました。一人の人間の作り出せるものの限界のようなものを感じました。
ボルタンスキーの作品はかなり私好みの作品で、(彼の作品はイギリス/ドイツでみてて、好きだったのですが名前と作品が一致していなかったのです。が今回みてあああの人だと一発でわかりました。IchIに通ずる光具合です。)ユダヤ人などにテーマを持ってこない分普遍的な生と死のイメージがでていてとてもおもしろかったのですが、それでもかないません。
そういうことを目にできたのはとても幸せなことだと思います。

あと、もう1つ今回私が思ったのは、とんでもないお金ととんでもない人が動いているという事実です。全く違う経済概念が流れているという気がしました。ダンスも大劇場やフェスティバルとかはそうなのかもしれませんが。

3年後、でもその前に多分いくことになりそうな気がします。
(ご近所の小山さんには既に来年の花火大会においでとお誘いをうけています)


2009年9月19日土曜日

大野一雄フェス

私が働くbankartでは大野一雄フェスという舞踏/ダンスのフェスがひらかれます。
今回私は自分の舞台で手伝えていませんが、気がつけば私の知人ばかりがでているという不思議なことになってしまいました。(AAPAとか大山とか。大山は水泳実習(笑)の仲です。)
特に横浜市民の皆さん、住所ののっているものをお持ちいただければ「ハマワリ」で半額になり、前売り1000円(ダンス界隈は750円)になるという恐ろしく気前のいいフェスティバルです。そういうわけでみてみてください。
ここにははじめの演目ダニーユンだけですが、他にも禁色、ダンス界隈等ならんでいます。渋いとこついていますので、どうぞよろしくお願いします。

今日佐藤まいみさんがいらしてピナバウシュのポスター(なんとパレルモパレルモのドラビル公演のときのもの)をお持ちくださいました。超手弁当なかんじですが、密かにピナバウシュファンの皆様の集う会になりそうな予感がします。

以下がご案内文です

第6回大野一雄フェスティバルを開催します。
ピナ・バウシュ、マース・カニングハム、宮操子、マイケル・ジャクソン。20世紀の舞踊界の巨人たちが相次いで世を去りました。ますます急速な時の流れの中で、この場で声を上げないものは瞬く間に忘れ去られてしまいます。大野一雄フェスティバル2009は、「過去」に目を向け、1930年代京劇の革新者程硯秋、昭和20年代のモダンダンス、1959年舞踏の原点の「禁色」に焦点をあて、現在の視点からアプローチを試みます。また、昨年の「場」のテーマを引き継ぎ、BankART Studio NYKの倉庫の臭いを残す大空間を、多彩な参加者と共に「劇場化」します。特別企画として、大野一雄とも親しい交流のあったピナ・バウシュを追悼する展示「RESPECT PINA BAUSCH」を開催します。
オープニングプログラムを下記のように行います。皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

■フェスティバルオープニング
日時:9月25日(金)19:00受付開始 
会場:BankART Studio NYK 
入場無料
19:30 レクチャー 「ピナ・バウシュがヴッパータルタンツテアター芸術監督に就任するまで」 佐々木修 (日本文化財団理事長)
20:30 Special Performance ズニ・イコサヘドロン 
20:50 レセプション

■展示 Respect Pina Bausch
あまりにも突然に逝ってしまったピナ・バウシュ。ダンスの世界を越えて様々の分野に影響を与えたピナの仕事を、舞台写真、インタビュー(2006)やリハーサル映像(1982)などでふり返ります。
日時:9月25日(金)-10月18日(日) 11:30-19:00
会場:BankART Studio NYK 3F 
入場無料

■公演 「Tears of Barren Hill (荒山泪)」ズニ・イコサヘドロン
昨年のクリエイティブシティシンポジウムで基調講演を行ったダニー・ユンが主宰するズニが登場。名優梅蘭芳(メイ・ランファン)と並び称された天才京劇俳優程硯秋(チェン・イエンチウ)の生き方を今日の視点から捉え直すコンテンポラリーな北京オペラ「荒山泪」(荒れた山の涙) を上演します。上海、南京から昆劇の名優が来日しての本格上演。どうぞお見逃しなく。
日時:9月26日(土)16:00開演 9月27日(日)16:00開演 
会場:BankART Studio NYK 3F
演出:ダニー・ユン(榮念曾)
出演:カ・チュン(柯軍) ラン・ティエン(藍天)  スン・チン(孫晶)
入場料:前売2,000円、当日2,500円、高校生以下無料
   (横浜市在住者は前売り半額※要証明できる書類等)

ダニー・ユン
ズニ芸術監督として国内外で作品を発表。代表作に、「Journey to East」「百年の孤独シリーズ」など。2000年よりFestival of Visionを開催。1000人以上のアーティストが世界35ヶ国から参加する、クロスカルチュラルなフェスティバルを香港で展開している。2010年上海万博では日本館のメインショーを佐藤信氏と共同演出する。


ご予約・お問い合わせ
BankART1929 ohnofes@bankart1929.com 045-663-2812 

詳細は、HPのwhats newをご覧下さい。
http://www.bankart1929.com

主催:BankART1929 大野一雄舞踏研究所
共催:横浜市開港150周年・創造都市事業本部