鳥取銀河鉄道祭のできるまで84
プログラムの言葉
今年のとりアートメイン事業は『鳥取銀河鉄道祭』。宮沢賢治の代表作『銀河鉄道の夜』を元に、2年越しのリサーチとワークショップを重ねてきました。リサーチの成果を示す映像等の展示、それを元に作り上げた鳥取県民による鳥取ならではの移動型音楽劇、ゲキジョウ実験!!!「銀河鉄道の夜→」、主人公ジョバンニが訪れたであろうお祭りをイメージしたフリーマーケット「ケンタウル⭐️自由市場」を開催します。
宮沢賢治はすべての農民が芸術活動を行うことを理想としていました。『銀河鉄道の夜』では死の間際まで改稿を重ね、最終稿でジョバンニが親友カンパネルラの死という悲しみを乗り越えて母の待つ家(日常の暮らし)へと帰っていくように変更します。2年間かけて東中西部を駆け巡って来たリサーチやワークショップを通じて、私たちは鳥取の日常の暮らしの美しさを再発見してきました。生きることと芸術はそのまま繋がっていて、それぞれの暮らしは星のように輝いています。日常の暮らしの美しさを星に見立て、星座のようにつなぐことがこのお祭りの目指すところです。
誰人もみな芸術家たる感受をなせ
個性の優れる方面に於て各々止むなき表現をなせ(中略)
個性の優れる方面に於て各々止むなき表現をなせ(中略)
おお朋だちよ いっしょに正しい力を併せ われらのすべての田園とわれらのすべての生活を一つの巨きな第四次元の芸術に創りあげようでないか
まづもろともにかがやく宇宙の微塵となりて無方の空にちらばらう
(『農民芸術概論綱要』宮沢賢治1926年)
ジョバンニの探す「ほんたうのさいわい」の答えはありません。おそらくそれぞれの人がそれぞれの「ほんたうのさいわい」を一生を通じて探し続けていくのでしょう。しかし今日この鳥取で星たちに出会って起きたことは出演者・観客・スタッフ、皆の記憶に残り、道標として三角標のようにいつまでも輝き続けると信じています。
米子のプラネタリウム劇場、倉吉のワークショップと併せ、私たちの鳥取という銀河をめぐる旅で出会い、関わってくださった全ての方に感謝を込めて贈ります。
鳥取銀河鉄道祭実行委員 一同
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