2019年9月30日月曜日

鳥取銀河鉄道祭のできるまで7

鳥取銀河鉄道祭のできるまで7

この事業に応募する際、鳥取の人々の暮らしに関するリサーチ事業を合わせて提出した。参加者が鳥取県民なだけではなく、鳥取の暮らしの豊かさを知ることから始めようと考え3つの映像プロジェクトが実現した。
実際にはリサーチは本来河本緑石(鳥取出身の詩人で賢治とともに高校時代アゼリアを発行。カンパネルラのモデルという説もある)についてや写真によるもの、木野自身のAmanogawaプロジェクト鳥取編なども含んでいたが、予算削減などもありできなくなってしまったものも多い。しかしそれでも残そうとした3つの映像作品が舞台作品だけでは説明しきれない、鳥取の暮らしの豊かさを表すべく鳥取銀河鉄道祭の中で展示、上映される。

8mmビデオプロジェクト@大山・米子
Hospitaleプロジェクトが2016年より開催してきた8mmビデオのアーカイブ事業。押入れの中に眠っていて今は見ることができない8mmビデオを収集し、それをデジタル化、アーカイブを作ろうというプロジェクト。かつての鳥取の生活を切り取った映像の数々を収集し、皆で見合い、当時を思い出す(若い世代にとっては初めて知ることが多い)ことで鳥取のかつての暮らしを見直し、その豊かさを知る。これまで鳥取東部地区で行われていたこともあり、西部地区で行ってみたいということで委託することになった。
Hospitaleプロジェクトの蛇谷さんが中心となりチームを組み、大山地区で活動する大下志保さんたちの大山アニメーションプロジェクト、ガガガ学校と協力し合い、収集する。
収集した映像は米子図書館と長田地区で上映会を開催、その際にも出品者だけではなく、当時のことを知る人が様々な視点からお話をし始める。それを聞く若い世代も今はなき映像に驚き、また興味を持つ。世代間を超えるコミュニケーションがここに生まれている。
発展形としてこれらの映像から記憶地図を作ろうという試みが始まっている。東部地区の映像と合わせ、かつての鳥取を知る貴重アーカイブとなり、また人々の言葉を記録するそんな事業になるだろうと思っている。
また、このような試みはAHA!により日本全国で開催されており、そのうち地域間の比較が起きていくだろう。時代と空間を飛び越え、あの時代はなんだったのかを知ることができるのではないかと思われる。
鳥取銀河鉄道祭の開催時期に合わせてとりぎん文化会館の隣、鳥取県立図書館2階で展示予定。展示も面白いけれど、このプロジェクトの本当の面白さは映像を見ながら当時を知る人のお話を聞く会。その日程も決まり次第お知らせします。

湖畔の村
鳥取県出身の映像作家波田野州平による映像作品。鳥取県中部中津地区でのリサーチとそこに住む老人との対話を元に作品を制作する。
波田野さんはもともとフェイクドキュメンタリーというか写真や映像を元にその記憶を辿るような形の作品作りを行ってきた。そこには故郷に対するこだわりがあり、これまでの作品も見てきていて、ぜひ何か作りませんかとお話しした。
今回しようしている映像の8mmでの挿入部分は実は鳥取ではなく秋田のものだという。しかしながらそのことにより、彼の映像、そしてこの現実は日本の多くの地方都市に同じように言えることであることがわかる。
美しき自然、そして現実。
過去と未来をつなぐような作品になりました。

鳥取の映画愛(仮)
鳥取在住の佐々木友輔による鳥取の映画人のインタビュードキュメンタリー。
佐々木さんは同僚でもあるが、色々話しながら実は宮沢賢治の芸術論を体現している鳥取の映画人という話になりました。現在鳥取には映画館が鳥取シネマ、倉吉パープルタウン、日吉津しかなく、映画を見る機会は少ない現状があります。それを打破するべく、鳥取コミュニティシネマなどの個人の活動により上映会が開かれていて、それを開催している人々へインタビューを始めました。正直採算は取れません。それでも続ける理由とは。そして次世代に残したいものとは。
映画文化を広げたい人、映画を作る人、様々な視点がありますが、撮り始めてあまりにも膨大になることに気がつき、3カ年計画に変更。今回は東部地区でのリサーチを元にまとめます。
芸術文化を自分のできることから広めていこうと思うその気持ちが宮沢賢治のようで惹かれます。インタビューを短編にまとめ、インスタレーション風に展示する内容になる予定ですが、現在も絶賛編集中。

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