2019年9月30日月曜日

鳥取銀河鉄道祭のできるまで8

鳥取銀河鉄道祭のできるまで8

リサーチとして予算組みをしていたのにも関わらず、予算なんていらないぜ!という人たちも登場。リサーチプロジェクトのうち鳥取のミニコミ誌「スペース」の調査チームは自分たちがやりたいことをするんだという意識で勝手にどんどん進んでいく。鳥取大学図書館、鳥取県立図書館での展示を始めNHKなどでも多数取り上げられる。

このプロジェクト、実行委員としては筒井宏樹さんにお願いし、当時の編集長安藤隆一さん、鳥取大学教員小笠原さん、岡村さん、村瀬さんと一緒に動いていたものの、安藤さんの博論の考え方が「内発的発展論」(鶴見俊輔の姉鶴見和子による思想)に基づいており、公的資金に頼るよりも自分たちで行っていくという意識が強くあったのでした。
自分たちが自分たちのやりたいことをする、当たり前のようですが、そのような意識が鳥取の文化団体には多く流れていました。
ミニコミ誌の執筆者は大学関係者、公務員、一般市民、様々で、徳永進さんなども含まれています。しかし重要なことは著名人が書いていることではなく、一般市民が自分の暮らしや面白いと思うことを書いている記述ではないかと思うのです。実際そこが一番おもしろい。

私はこの冊子を鳥取の伝説の本屋定有堂さんで30円で発見し、なんだこれはと思い、周りに広めました。その後売れに売れて(笑)、残りは1冊。読んでみたいという人は鳥取大学図書館、鳥取県立図書館で全巻押さえています。今でいうZineの走り。そして普通の市民が自分の周りのことを書き綴り、そのことで生活が豊かになっていく。ここにtottoとの共通項を感じます。

私たちの生活を豊かにするのは私たち自身が自分たちの暮らしを認めていくことからしかできない。これいいよ、これ素敵、そういう一言を発していける環境がウェブやSNSにより今私たちにはあります。全ての人が発信者になりうる。

その先駆けともいうべき「スペース」。そのアナログさがかわいいと私は思います。


ぜひ手にしてみてほしいです。

定有堂書店
鳥取東部の本好きが集まる書店。読書会なども開催されており、立ち寄ると必ず何か買ってしまう危険本屋。店主の本愛が感じられます。
http://teiyu.na.coocan.jp

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