2019年10月30日水曜日

鳥取銀河鉄道祭のできるまで77

鳥取銀河鉄道祭のできるまで77

合唱ということでは鳥取少年少女合唱団さんもご参加いただけることになりました。幼稚園児から高校生まで50名以上の団員がおり、地域のイベントなどには引っ張りだこの人気が合唱団さん。毎年発表会では前半で合唱曲をしっかり歌った後、後半はミュージカル(今年の演目はくつやとこびと。来年はライオンキングだそう)。つまり歌って踊って演技している団体です。
実際に稽古にお邪魔してみるとウォームアップの時に歌いながら歩いたり(『さんぽ』)、『パプリカ』を踊りながら歌っていたり。
https://tottori-boysgirls-chorus.jimdo.com
ただ合唱コンクールの時はかなり厳しく、尾崎先生が指導します。
尾崎直美先生はオルガニストでもあり、尺八もふきとかなり多彩な活動をしています。本当は合唱専門ではないのよと言いながら子供達と向き合うこと30年以上。子供達の変化を見ながら細かく声をかけていきます。
毎週土曜日に行っている練習はあの3年前の大雪の時に一回休みがあっただけで、毎週続けているとか。(先週の台風19号の時にも練習があり、驚きました)毎週欠かさず小さい頃から一緒にいるので、自然と子供達の仲も良くなり、高校生と小学生が普通に話すそんな感じがあります。
小学生が中学生、高校生を見て育つというのが自然に成り立っていて、学校の枠組みを超えた第3の場所としても機能していると思うのでした。
地域の文化団体やスポーツ団体はこのように様々な年代の人が集まり異なる意見を語り合う場所でもありました。コミュニティができていたわけです。
鳥取は合唱団体が多くあって(私が合唱の先生の隣にいるからそう感じるのかもしれません)、多くが高齢化していく傾向にあります。前に関わらせていただいたおもかげさんやエルダーブラザースもそうです。そんな中若い子供たちのみずみずしい歌声が希望の光ように聞こえてきます。様々な年代の人が関わるそんな合唱をいつか聞いてみたいものです。


余談ですが、今回なぜか合唱団は女の子が多いことに気がつきました。男性がとにかく少ない。
思えばこれまで関わってきた団体はどこも男性が足りなくて特にバスがいなくて苦労していたなと。モテたい時には合唱、いいかもしれません。ダンスも男性少ないですが、合唱の方が深刻かも。

鳥取銀河鉄道祭のできるまで76

鳥取銀河鉄道祭のできるまで76


今回参加してくださるところには説明に行ったり、見学させていただいたり、いろいろしたのですが、鳥取の音楽家新倉先生の紹介で鳥取西高合唱部さんをご紹介いただきました。とりぎん文化会館にも近く、歩いて行ける距離にある進学校。ただ合唱部は6人しかおらず、少し寂しいところ。合唱の大会などでは少人数だと出にくいという話を聞きました。今回のように大きな舞台で歌うことができるのは貴重な機会。ぜひにということになりました。コーチの竹田先生が熱心に指導しており、素敵な声で歌っています。
https://www.torikyo.ed.jp/toriw-h/
音楽堂というできたばかりの美しいホール(講堂のように使用可能)もあり、そちらで初めての稽古を行いました。
そこで手を叩いて作ったリズムが渡り鳥の歌になり、その後倉吉のワークショップを踏まえてさらに進化。西高合唱部さんにはその全てを歌っていただいています。音楽チームのラテン系のノリ(時々盆踊り)が楽しい感じの曲に仕上がっています。

初めて稽古を一緒に行った時には自由に振る舞う出演者たちに驚きながらも、楽しんでくれた様子。

鳥取銀河鉄道祭のできるまで75

鳥取銀河鉄道祭のできるまで75

中心市街地活性化協議会さんは遠田さんの「トットリキリトリ歩き」や私の「夏至祭」のような街中開催のイベントの心強い味方。その時の縁もあり季刊誌「わっか」に乗せていただきました。平木さんありがとうございました。
野村さんと倉品さんのインタビューで語り尽くされてしまったので、どうしようかなあと思いつつ文章を書いてみました。また学生参加者中村さんも写真入りで感想を書いてくれています。この時ダンスのワークショップがなくてメンバーが半分くらいしかいなかったのが残念。ごめんなさい。https://www.city.tottori.lg.jp/www/contents/1306715045965/index.html

今年のとりアートメイン事業は『鳥取銀河鉄道祭』。宮沢賢治の代表作『銀河鉄道の夜』を元に、2年越しのリサーチとワークショップを重ねてきました。鳥取県民による鳥取ならではの移動型音楽劇、ゲキジョウ実験!!!「銀河鉄道の夜→」と、主人公ジョバンニが訪れたであろうお祭りをイメージしたフリーマーケット「ケンタウル⭐️自由市場」を開催します。

リサーチでは町の人の声を聞く企画として「カフェミルキーウェイ」を継続開催したり、8mmビデオの収集、分析(すみおれアーカイヴス、AHA!)、中津集落の暮らし(波田野州平)、鳥取の映画に関わる人のインタビュー(佐々木友輔)などを行い、鳥取の人々の芸術文化と暮らしが密接に結びついていることを知りました。
これを踏まえて、ゲキジョウ実験!!!「銀河鉄道の夜→」では、音楽、演劇、ダンスそれぞれのジャンルを融合しながら、年齢、性別、国籍、障がいの有無を取っ払った100名を超える県民の皆さんと一緒にインクルーシブ作品を作っています。サポートアーティストの門限ズ(野村誠、遠田誠、倉品淳子、吉野さつき)と藤浩志(美術)ががっちりカバー。普段使わない劇場の裏側も駆使した前代未聞の体験型作品に仕上がりそうです。(現在も鋭意製作中です!)
宮沢賢治はすべての農民が芸術活動を行うことを理想としていました。銀河鉄道の夜も死の間際まで改稿を重ね、最終稿でジョバンニは悲しみを乗り越えて母の待つ日常の暮らしへと戻っていくようになります。日常の暮らしの美しさを星に見立て、星座のようにつなぐことがこのお祭りの目指すところです。
今回創作のテーマとして人々をつなぐことと、ものごとの見方を変えてみることがあげられます。皆が協力するといろんなことができるようになり、見る方向を変えると新しい意味や価値が生まれます。鳥取は小さい県だからこそ様々な文化団体、個人の力を合わせていくことが必要です。

米子のプラネタリウム劇場、倉吉のワークショップと私たちの鳥取という銀河をめぐる旅で出会い、関わってくださった全ての方に感謝を込めて贈ります。ぜひ木のまつり、鳥取JAZZと合わせて遊びに来てください。

鳥取銀河鉄道祭のできるまで74

鳥取銀河鉄道祭のできるまで74

ケンタウル⭐︎自由市場は出店者募集を締め切らせていただきました。
予想以上に多くの方の反響をいただき嬉しいです。一方でこの日程で初めての会なので、集客等正直ドキドキしています。

今回の裏テーマとして「価値転換」があります。
舞台を舞台として使わないことに始まり、指導者と参加者の融合があり、境目をいかに消していけるかと思います。このケンタウル⭐︎自由市場はその境目。現実世界のフリーマーケット(市場)とジョバンニにとっての村祭り(ケンタウル祭)の交錯です。ここからジョバンニ(観客も)は銀河鉄道に乗って旅立ちますが、ある種のファンタジーワールドでもあります。
そのケンタウルのお祭りをどうしたらいいのかなと思いました。

単なるお祭りではなく、ある種の価値転換が必要ではないかと。私にとって必要でないものは誰かにとっての宝物かもしれない。リユース、リサイクルを促すようなものではと思うようになりました。ここしばらくの持続性可能な社会運動のせいかもしれません。
そもそも経済の成長はどこまで大事なのでしょうか。
オリンピックや万博やそういうイベントもので、箱物を作り(ここにかなりの予算が投じられる)その後使用しきれないという現状をもう少し考える必要があると私は捉えています。おそらく国民の中でも多くの人がそう思っているでしょう。
すでに成長戦略は終わり成熟社会の中でいかに生きていくべきかを問われている。欧米諸国はすでにそれが始まっています。日本は特に鳥取は高齢化がかなり進んでおり、世界的に見てもモデルケースであります。そんな中、お金の問題ではなく、自らが豊かになるための芸術をやはり打ち出していく必要があるのではないかと私は思います。
これは実は県内の文化団体の多くは行ってきたことです。しかし高齢化が進み、今の若者はメディアの変化もあり、興味はマスメディアの作り出すものに向かってしまっている。
私は大学教員ですが、学生たちがサークルなど大学内のつながりだけで暮らしていることに疑問を抱いてきました。街中にこの20代の子たちが来るようになったら鳥取の街中が変わるのではないか。鳥取夏至祭もそうですが、あまりにも鳥取大学生は鳥取を知らない。
人に出会う面白さを、ぜひ知ってほしいと思っています。

学校の公務ではないという扱いなので、おおっぴらに宣伝ができません。大学の掲示板も(学生さんがお願いに行ったにも関わらず有料公演だからダメですと断られました)。でも本当はいろんな人に見にきていただきたいです。
おそらく最初で最後の試み。

ガチで見たほうがいいやつです。


余談ですが英語でfrea marketということをチラシづくりで初めて知りました。フリーってfree(自由)だと思っていたのに蚤の市という意味なのだそうです。なんと。ですが鳥取では物を売るだけではないので、自由市場にしました。
パフォーマンス売る人出てきてくれたらよかったんだけれど、それはちょっと残念。


鳥取銀河鉄道祭のできるまで73

鳥取銀河鉄道祭のできるまで73

美術部はどんどん進んでいきます。
その始めの時から関わってくれたのがアートスペースからふるさんと大久保つくしさん。からふるさんはご近所ということもあり、これまで色々サポートしていただいてきました。(この美術部室をお借りすることができたのはからふるさんのおかげです。)
大久保さんは自身も子供を持つ親ですが、子供達と一緒に様々なものを作りたいという活動をしてきた方。ギャラリーそらさんからの紹介で、参加していただくことにしました。
正直にいうと、人により美術といってもかなりの差があります。ただ彼女の視点は間違っていないという気がします。
藤さんももちろん素晴らしいのですが、メガネや帽子など、いろんな形が生まれています。
「未完成こそ完成」は宮沢賢治の言葉ですが、おそらくどんな作品にも正解はなく、私たちは多かれ少なかれそれぞれの人の「ほんとうのさいわい」を求め、進みつづています。

大久保さんはツクリエという屋号で子供達とのワークショップを行ってきました。先日27日にもドラムサークルがらがらどんさんとの協力で子供達向けワークショップを開催したばかり。このように小さな活動はたくさん起きている鳥取。

2019年10月29日火曜日

鳥取銀河鉄道祭のできるまで72


鳥取銀河鉄道祭のできるまで72

この時期に合わせて「福祉とアート」と名付けられ、鳥取の中心市街地(中心とはどこか問題があり多々指摘されている)のアーケードにアートスペースからふるさんの絵が並んでいます。
一番大きなフラッグは大丸前に。これは街中でアートを展開しようという市の事業。(アートスペースからふるさんが協力しています)でもみなさん知っていましたか?
こういう事業の多くが見えていない、知られていないというのがすごく残念と思うのでした。まだまだ開催中ですので、ぜひ見てください。個人的には美術部室前のブロッコリーがツボです。

鳥たちの家など様々な場所を用いて障がい者アートを扱う展示を展開するというこの企画。鳥取銀河鉄道祭にきたついでに覗いていってください。(元々銀鉄ついでに鳥の劇場、鳥取JAZZにはしごする人がいましたが、はしごがさらに増えますね、時間には余裕を持ってお越しください。)

なぜかこのカオスの状況の中、トークを依頼され(これはタンポポの家からの依頼でした。地域学入門でお会いしたせいでしょうか)、10日のトークに参加することになりました。元々のテーマは大学の社会貢献についてということだったのですが、鳥取銀河鉄道祭があり、こりゃ、その話するしかないよねということで、お話しさせていただきます。ご興味ある方是非どうぞ。(間に合うのか?疑惑はありますけれども)
この依頼が来た時に、障がい者アートという言い方が私はあまりしっくり来ていなく、今私がやっているのは、障がい者も、健常者も関係ないんだという話をしました。年齢性別国籍を超えて、でもなんかできるよねというそういうことを行なっている。でもぜひということなので、その辺りについて話すことになるでしょう。

なぜ、オリ、パラか。
おそらく義足であってもオリンピックに出られる選手が生まれてくるでしょう。そうした時に線引きできるのでしょうか。
そして知的障がいはパラリンピックには含まれていません。その差は何か。
そして何を目指すのか。
私の大学院の先輩はそのずれを研究していました。
知的障がいの方を含むオリンピック的なものはありますが、その報道はほとんどなされていません。それはなぜか。どこかで知的障がいを特別視しているのではないか。

障がいとは何か。
団長さんを見ながら思うのは、健常とされている普通の人の意識の問題。
受け取る意思を持って接するか、排除するか。

障がいを生み出しているのは実際の障害ではなく社会、そして一人一人の視点です。

鳥取銀河鉄道祭のできるまで71

鳥取銀河鉄道祭のできるまで71

美術部室で藤浩志さんが大暴れをしている様子。最後の1週間、私たちと一緒に走ってくれています。
美術部は鳥取大学のsmall coreプロジェクトと鳥取銀河鉄道祭のコラボレーションででできた、まちなか拠点です。学生たちが作品制作をする、またワークショップを開く機会をまちなかで作るというもので、ビルの持ち主(株)デザインバンクさんの協力で次の飲食店が入るまでの期間お借りすることになりました。袋川そばで、1階、ガラス張り。コンクリ打ちっ放しというこのプロジェクトのためにあるような空間。後ろの金庫(元々は銀行だったんです、そういうところもBankART的←昔のバイト先)もかなり素敵。
様々なアクシンデントがあり、オープンは遅れてしまったものの、後1週間限定の場所です。ぜひ見に行くべき。また、ここで遊びましょう。
https://scrapbox.io/gingatetsudou-tottori/銀鉄美術部

藤さんはこれまでも「かえっこバザール」など様々なアートプロジェクトの企画運営を行なっていますが、構造(システム)を作るのが好きなのだと私は感じています。人が集う場、そのための環境をいかに作るかを考えている。
残念ながら私はそういうセンスが薄いんですが、楽しい化学反応がたくさん起きていて、嬉しく思っています。なにせ出演者150人近くということで、どうする???課題がたくさん山積み。でもそれらを乗り越えていってしまうのがすごいところ。

アシスタントとしてきてくださった(部活動的にはマネージャーと呼ぶ)関根由華さんはピンチヒッターでありながら、多様に対応し、またふんわり皆をサポートしてくれています。何も見えないながら一緒に走ってくれてありがとう!
ここで作られた衣装や小物や数々はとりぎん文化会館1階ホワイエで販売(?)予定。有料ゾーンだから、チケット買った人しか入れません。(その様子は外から無料で見えますが)
え、それはチケット買えってこと?そうです。2日15時売り切れです。前売りだと当日券より500円オフ。見たほうがいいよというのが正直なところです。



鳥取銀河鉄道祭のできるまで70

鳥取銀河鉄道祭のできるまで70


ワークショップ会場としてかなりの回数、鳥取大学地域学部附属芸術文化センターをお借りしました。今回の参加者には大学生も含まれていますが、今回初めてきた人も多かったはず。
私は大学の職員で、先代の佐分利育代先生(鳥取銀河鉄道祭の実行委員長であり、星のいり口を育てている)の後を継いでいるわけですが、この鳥取銀河鉄道祭もその財産をお借りしています。音楽チームが使っている木琴やトーンチャイム、練習場所など。附属小学校や幼稚園との関係性などもそのうちの一つかもしれません。
鳥取大学は今から10年以上前に教育学部から地域教育学部、さらに地域学部へと変化しました(大学では改組と言います)。その過程でできた芸術文化センターは当初学生組織を持たない地域貢献のためのセンターでした。そこに所属することになった佐分利先生が、インクルーシブダンスや、そもそもモダンダンスグループダンスコングを広げていきました。
その後、学生を受け持つようになったものの1学年に4人で教員が6人という贅沢な状態が続いてきました。
私が入った翌年2017年から改組で国際地域文化コースが誕生し、そのコースに所属し、芸術文化センターは兼務となりました。その時の1年生(国際地域文化コースの初年度生)が今回の銀河鉄道祭の主要人物を務めています。役者、舞台スタッフ、美術。彼らはそもそもアーティストになることを目指してきた学生ではありません。(ちょっと好きだった、とか高校時代に部活でやっていたなどの差はありますが)しかし夏至祭(2017年開始)以降よくわからないなりに巻き込まれ、自分たちでイベントを起こせるようになってきました。
芸大や美大とはちょっと違う、でも面白い子達が集まっています。
芸文センターにはチラシ置き場もあり、全国各地からのイベント、公演情報を集めています。正直鳥取はいろんなところに出るのが大変で、交通費もかかるのですが、学生たちはもろともせず。東京、神戸、京都など転々としています。ぜひぜひおしらせください。(実は鳥取大学には尚徳会という団体があり研究の旅費補助があります。全てがOKな訳ではないですが、海外留学や研修にも補助が出ています。)

紙文化ベースだとこういう地方の動きが伝えられなくてつらいです。また、情報が入らないのがつらいなあと。

http://www.rs.tottori-u.ac.jp/artculturecenter/
芸文センターのパンフレットは新しく変わったのですが、ウェブはそのまま。写真などは私が来る前に行われていた事業だったりします。

鳥取銀河鉄道祭のできるまで69

鳥取銀河鉄道祭のできるまで69

倉吉のワークショップ以降は基本的に合同ワークショップとなり、時にグループワークがありつつ、一緒に合わせていくということの繰り返しでした。
このワークショップの一回め、門限ズから初めの説明があるときにこんな紙が配られました。

始まる前にストレッチなどウォーミングアップしておいてね!
長時間になるので、練習では全力でやったり、ちょっと力をぬいたり、休んだりして大丈夫。
無理しないでいいよ!トイレも行きたい時にどうぞ。
質問意見はいつでも大歓迎!
狭いところに人がいっぱいだからぶつからないように周りに気をつけて!

前日の居酒屋さんで(リハの後遅くなるとお酒を飲む店しか開いていないんです)敷いてあった紙に書いていたので、なぜか船の絵が。そんな時にもみんなで考えている門限ズたち。愛ですね。

この言葉のせいか、だんだん発言が増えていくことになりました。
それぞれが、これはできない、あるいはこういう風にしたほうがいいのでは?と言い始め、門限ズ達に注文をし始める(こうしてラジオジョッキー曲が出来上がりました)など。
このようなワークショップで作る市民劇の多くは外(都会)からアーティストがやってきて、その人が指導するというのが基本形ななか、市民、県民側がかなり意見をぶつけ、また作っていくようになってきました。
時間は正直ないリハーサル期間の中、このシーンどう思う?、どうしたらいいかなあ?と皆に聞きつつ、そこで出てきた言葉を拾い続け、そして出来上がっていきました。
その様子は吉野さつきさん(彼女は門限ズのアートマネジメント担当)の文章(日本海新聞にも載せていただきましたが、元の文章が鳥取銀河鉄道祭ウェブに上がっています)に現れています。
https://scrapbox.io/gingatetsudou-tottori/まちの未来を創る音楽劇

2019年10月27日日曜日

鳥取銀河鉄道祭のできるまで68

鳥取銀河鉄道祭のできるまで68

倉吉は鳥取中部の中心です。東からも西からもきやすいだろうということで、様々な県の会合などが開かれます。ワークショップ会場となった倉吉未来中心は大ホール、小ホールのほか様々な会議室、リハーサル室となしの博物館なしっこ館がくっついている複合施設。すぐ近くに図書館や温水プールなどがあり便利な立地です。倉吉市役所(丹下健三が手がけたというも徒歩圏内。倉吉の土蔵群や打吹公園もすぐ近くで、ここに鳥取県立美術館を作ることになりました。ただ、問題は駅から遠く、タクシーのお世話になることもしばしばあります。
現在47都道府県で美術館のない県は鳥取のみ。(砂の美術館はありますけれども)鳥取県立博物館が美術部門を有しており、県内ゆかりの作家から、エッジの効いた現代美術まで手がけているのですが、所蔵が増え、別に作ることになったそうです。
県内の東と西のどちらに作るかはかなり長い論争だったらしいのですが、中間にしましょうというところが鳥取らしいといえばそういえますが、なかなか行きにくいのが地元の人の感触。これから美術館をアピールする事業が始まっていくようです。

県立美術館設立準備室:https://www.pref.tottori.lg.jp/museumofartpreparatoryroom/
倉吉市役所(丹下都市建築設計):https://www.tangeweb.com/works/works_no-14/


鳥取銀河鉄道祭のできるまで67

鳥取銀河鉄道祭のできるまで67

倉吉で開催されたスペシャルワークショップは公演として行う予定だったもの。公演はできなくなったものの、一般の方も含めて皆で作品作りを行うことにしました。音楽、ダンス、演劇、それぞれ時間をとってそのエッセンスを味わってもらう時間を45分ずつ。そしてそれらをまとめる作業。休憩もほんの少しあるだけであっという間に時間が過ぎていく超濃密な時間になりました。
https://scrapbox.io/gingatetsudou-tottori/門限ズと遊ぼう!~鳥取銀河鉄道祭倉吉ワークショップ~

例えば音楽ではなぜか「ねってい相撲」(兵庫県豊岡市で行われている相撲儀式)をするところから始まり、野村さんの自己紹介「鍵盤ハーモニカイントロダクション」を聞いたり、すでにテーマ曲になりつつある「いつの間にか銀河ステーション」を歌ったり。その前日に西高合唱部さんと作った「渡り鳥」の歌をベースにさらに膨らませてみるグループワークを行ったりしました。なお、この時に出来上がった西高さんの作ったフレーズと倉吉ワークショップ参加者の方が作ったフレーズを全て合わせて、この渡り鳥曲はできています。そう、演奏するだけではなく、作って、歌って、演奏してというのが門限ズワークショップの基本形。
さらにはジャンルにこだわらず、すべてのジャンルをすべての人が行うのが門限ズ流。
なんでもまず試してみる。そして考える。みんながどんどん言葉を発し、主体的に意見を言い合う姿勢ができてきました。

最後にはなぜか「より良く生きることとは」のフォーラムまで開催され(どういうことかは本番をお楽しみに)、参加者の人たちも混ざって一つのシーンが作り上げられたのでした。


2019年10月26日土曜日

鳥取銀河鉄道祭のできるまで66


鳥取銀河鉄道祭のできるまで66

こんな最中、次にワークショップをおこなう倉吉で銀河鉄道の夜を元にした朗読劇を行うという情報を得て行ってきました。倉吉地区で演劇をおこなっているOHKUSさんとキッズ劇団きのこたけのこさんと声優さんのゲストで行う朗読劇。
http://www.apionet.or.jp/~ohkus/main.htm
銀河鉄道の夜は非常に難解で、私たちの作品でも、「一生懸命読もうとするけどねてしまう」という声があるくらい。「でもいいんです!わからなくても大丈夫!」を主義としているゲキジョウ実験!‼︎「銀河鉄道の夜→」なのですが、多くの人がくじけてしまう傾向にあります。
でもいつかその部分でも声に出して読んでみてください。詩のように美しい世界が広がっています。本当は朗読講座をやりたいと話していたのですが、できなかったのが悔やまれます。

この日チラシを撒きに歩いていたら、モダンさん(鳥取では知られたレトロ喫茶店屋さん、昔ながらのクリームソーダが飲めます)で「実は倉吉銀河鉄道祭やり始めたんです、去年から」という話を聞く。7月に倉吉銀座商店街では銀座と銀河をかけて銀河鉄道(ミニSL)を走らせる土曜の夜市をやっているのだそう。これは気になります。

なぜか倉吉でもりあがる銀河鉄道の夜。河本緑石さんのこともあるし、鳥取にはきっと向いていると思います。予算削減もあり、いろんな銀河鉄道を発表してもらえるような機会を作ろうと思っていたのですが、それはできませんでした。賢治作品の面白いところは見方によって多様に捉えることができるということです。そしてイメージ的に美しく、絵的でもあるので、いろんな表現の仕方に応用できるのです。音楽も、ダンスも、演劇も。人によりそれぞれに異なる宮沢賢治イメージがある。これからも少しずつ宮沢賢治思想が広まっていってくれたら嬉しいです。

鳥取銀河鉄道祭のできるまで65


鳥取銀河鉄道祭のできるまで65
演劇のワークショップは実はセリフもあることから一番時間も長くハード。毎回午前中からの長時間稽古になりますが、一緒にお昼ご飯を食べつつ和気藹々。小学生チーム(最近ジョバンニーずなどと新しい名称で呼ばれる)が多くいます。
https://scrapbox.io/gingatetsudou-tottori/レポート|7月19日、演劇ワークショップその1
https://scrapbox.io/gingatetsudou-tottori/レポート|7月21日、演劇ワークショップその2

はじめに自己紹介のためのサインネームを行うところからスタート。数に合わせて集まるゲームなど演劇の前のウォームアップから始めていきます。7月の稽古で作ったのは「家族の団欒」。いろんな家族の団欒を2人ずつ関係性から作ってみました。母と娘(実際に参加者には親子で参加している人もいるのですが、別の人と家族を作って行なっています。親子、恋人(友人?)同士。様々な関係性をかなり時間をかけて作っていきます。このシーンはのちにタイタニックと呼ばれる、今回の作品の見せ場の部分と関係しており、倉品さんは細かく、皆の言葉を選んでいきます。
門限ズは即興要素もたくさん持っているのですが、このシーンのようにかなりかっちり作っている部分もあります。
普段の生活、ダラダラしてたり、口喧嘩っぽくなったり、家族だからこそ見せる側面が実は大事だと、実際のシーンはほんの3分くらいなのですが、みっちり練習。

鳥取銀河鉄道祭のできるまで64

鳥取銀河鉄道祭のできるまで64


音楽チームは実はメンバーが揃わず、練習では苦戦しておりました。ただ、演奏者も何人かおり、みんなで分担して楽器のわりふりなどに当たっています。今回、これまでのクリエーションワークショップで、集まった人が作った歌なども全て野村さんが譜面に起こしてくれ、合唱曲、バイオリンとチェロの曲、トーンチャイムで演奏する曲などに調整してくれました。
合唱団さんたちとの合わせは最後になってしまうので、自分たちでも歌いながら、演奏しながら、踊りながらです。
https://scrapbox.io/gingatetsudou-tottori/レポート|6月9日、音楽ワークショップその2

6月8、9で音楽ワークショップだったのですが、それぞれ自分が演奏できる楽器を持ち寄ってくるところからスタートしました。サックス、ギター、クラリネット、ノコギリ、尺八、リコーダー、会場にあったトーンチャイムなどもお借りして、新しい曲を作ってどんどんいき、中には本番では使われなくなっている曲も。気がつけば10曲。

休み時間も子供たちを中心に常に誰かが演奏しています。

鳥取銀河鉄道祭のできるまで63

鳥取銀河鉄道祭のできるまで63


参加者を公募し、始まった作品作りのワークショップは音楽、ダンス、演劇各チームごとに集合し、シーンを作成、それをつなぎ合わせるという分業型で作られました。しかし応募者の方の希望によるところもあり、どのジャンルに参加するかはその人に任せることとし、音楽とダンスと演劇全てに所属する人も出てきて、それが現在の混ざっている作品作りにも生かされています。演奏者も舞台上で一緒に動きながら演奏するし、踊り手も歌うのです。
それぞれお仕事をしていたりもするので、毎回必ず来れるわけではないですし、短いリハーサルの間に集中して作品作りを行います。
https://scrapbox.io/gingatetsudou-tottori/レポート|5月18日、ダンスワークショップその1
https://scrapbox.io/gingatetsudou-tottori/レポート|5月19日、ダンスワークショップその2
5月はダンスワークショップということで、これまでに行ってきた活版所のシーンを現在のメンバーでブラッシュアップしました。また、「カン!パネルラ~!」などセリフのキーワードに合わせて動く練習などもしてみました。練習回数が少ないものの、すぐに皆が打ち解け、協力しながら作っていきます。
これまでのワークショップや遠田さんのことを聞いて米子などからリハーサルに通ってくるメンバーも多数います。2018年3月の近藤良平さん作品で一緒だったメンバーに再開するなども。

鳥取銀河鉄道祭のできるまで62

鳥取銀河鉄道祭のできるまで62

星のいり口さんと遠田誠さんの初稽古が5月に開催。これまでのとりアートの地区事業での縁などもあり、ぜひ!となったものの、星のいり口さんの稽古は月に1度。特別に合わせていただき、初顔合わせとなりました。
インクルーシブダンスグループとして障がいを持つ人も、持たない人も、様々な人が集い踊っていて、長年活動していることもあり、実は舞台慣れしている皆さん。生き生きのびのび踊っています。
写真はこちら
https://scrapbox.io/gingatetsudou-tottori/レポート|5月17日、星の入り口と初めての練習
星のいり口HP: https://dancecomg.jimdo.com/星のいり口とは/

私の前任、そして今回の銀河鉄道祭の実行委員長である佐分利先生が鳥取に来て40年以上、ダンスコングはその初期から続けてきた団体で、星のいり口はその姉妹分として10年以上前より始まりました。今ではオリパラのこともあり、インクルーシブという言葉が広まりつつありますが、日本ではその最初期から活動している団体です。
ウォルフガングシュタンゲさんの指導を受けたり、JOUさん、松本大樹さんらの作品に出ていたり、幅広く様々な振り付けにチャレンジし、自然に続けてきた団体です。コミュニティダンスという言葉が出回る前から、当たり前にあった、それがまたすごいことで、佐分利先生の努力だと思っています。今回ダンスで参加している長谷川茜さんのように次の世代のファシリテーターも着実に育ちつつあります。

ただ決まった振り付けを覚えたりというのは苦手だったり、できることとできないことがはっきりあります。なので、その様子を見ながら様々な動きを試してみる遠田さん。
最後に椅子を出しながら即興的に動き始めてルールをシンプルにしたことで、皆の動きが生き生きとし始めました。終わった後も踊り続けてしまう子も。つまり、もっと動きたい、踊りたいという思いがそのまま溢れていて、その様子を見て遠田さんはなんだか自由に踊ってもらいたいなと言い始めました。
星のいり口さんは作品の後半で渡り鳥になって舞う予定です。鳥取なだけに。自由に、そして伸びやかに。

遠田さんのワークショップは鳥取大学ダンス部さんでも開催。冒頭のシーンはこの時に作られました。普段はストリートダンスを踊っているのですが、このワークショップの体験は夏に行った自主公演の作品にも生かされ(応用氏というべきか)、コンテンポラリーダンスの作品作りの良い体験になりました。この10月に代が変わり、1、2年生が銀河鉄道には参加します。ダンス部さんについては銀河鉄道のできるまで26を参考に。

鳥取銀河鉄道祭のできるまで61

鳥取銀河鉄道祭のできるまで61


今回リサーチ事業をいくつか提案し、また、すでにある団体によるパフォーマンス機会なども考えていました。それらは予算削減を受けてほぼなくなりました。自分自身のリサーチAmanogawaプロジェクトも無くなっています。しかし、映像リサーチについてはすでに走り出していることもあり、維持することにしました。8mmアーカイブは米子・大山地区での調査を行い(西部)、波田野さんは中部地区で作品を作り、東部の調査として同僚に作品依頼を行いました。かなり悩んでいたのですが、そもそも鳥取の映画文化を調査できないだろうかと言って、この頃からインタビューをとりはじめました。
予告編はこちら
https://vimeo.com/367649733?fbclid=IwAR3KrvKvULhNcpKsexnBFbwvRqO12ifdcoG5A6xboINObTIlkVqTih7p_lo
「スペース」にも言えることですが、映像文化もまた、映画館が3館しかない鳥取としては県民の個人的な努力によってなんとかつないできた芸術文化活動です。いつでもみに行くことができるものではない、そして遠くまで行かなければ(時間的にも経済的にもかなりの負担)見ることができない、そんな中で自分たちでどうしたらいいのか模索し、行動してきた宮沢賢治のような人たちがたくさんいるのです。
調べ始めると、人が人を紹介し、膨大なインタビューになり、佐々木さん曰く、3年計画くらいでまとめなきゃダメかもという超大作になりつつあります。長年コミュニティシネマを牽引してきた重鎮から、大学生で映画作ってみてますという学生まで幅広い層の映画好きたちの言葉です。
真面目な人なので、多分3年かかったとしても絶対まとめます。今回は中間発表になっていますが、年度内に正式な作品化(東部地区を中心にまとめたもの)を行い、中部、西部とまとめていくことになるのではないかと話しています。


ほぼ同期(1ヶ月私より先輩なのです)で同じ製作者なのでよく話しますし、鳥取夏至祭とMobiusの撮影もしてもらっていて、頭が上がりません。(いつも私が無茶ぶっていると正直思います)いつもありがとうございます。
作品のシノプシスが宮沢賢治「農民芸術概論綱要」の続編で、賢治好きの人はちょっとわかるわかるな感じなので、こちらは会場でぜひ手に入れてください。

鳥取銀河鉄道祭のできるまで60

鳥取銀河鉄道祭のできるまで60

私たちの展示とほぼ同じ時期に、鳥取のミニコミ誌「スペース」の会も展示を行いました。1階展示場所は小さかったですが、2階は特別閲覧室で展示を開催、20年にわたる歴史を辿る展示内容と、インタビューの映像展示となりました。(鳥取大学図書館でも展示を行いました)
https://www.library.pref.tottori.jp/exhibition/cat10/cat/cat9/30121431120-1.html
スペースだけではなく関連の市民劇(「渇殺鳥取城」という名の市民劇で600人の劇場を三回満席で埋めたらしい)や現在のZINE文化(汽水空港さんの行なっている活動なども近いですね)やtotto(市民が情報発信をするという意味では現代版スペースの形なのかもしれません)にも触れていただき、現代の鳥取の活動につながっているという感じがします。
この研究会はスペース編集長だった安藤隆一さんが鳥取大の教員にお話を持ち込み、月に1回くらい集まって話すようになったところから始まりました。定有堂で販売していたその冊子をたまたま入手した私(それを貸した同僚筒井さん)も巻き込まれ、その話を聞くうちに手弁当で行なってきたこの活動は鳥取の文化活動のベースにあるのではないかと思ったのでした。ちなみにその関係で作られた授業については地域学部岡村先生の授業にまとめられ、鳥取大学ウェブにて公開されています。


宮沢賢治は全ての人が芸術家だと言って羅須地人協会を開き勉強会を開くなどの活動をしますが、実際の農民たちはあまりついて来ず、断念しています。当時の農民たちにとってピンと来なかったのだと思われます。(賢治はある意味すごいボンボンだったんですね。感覚のズレがある)しかし70年代、80年代の鳥取ではそれに近いことが行われていて、みんなが少しずつお金を持ち出しながら自発的に活動を行ってきた。今はインターネットの発達などもありどんな人も世界に向けて発信することができるようになりました。それも経済的には安価に。賢治の言っていた理想は今、実現しつつあるのかもと思うのです。しかもなぜか鳥取で。

芸術は経済的に豊かな人だけのためのものではない。
全ての人がこの世に存在していてもいいということを証明するためのものです。
暮らしの中で起こっている衣食住だって芸術。自分の周りのちょっと素敵なもの、いいなと思うことを誰かに伝えようとするその気持ちはもうすでにその始まり。
みんなに伝わるものではなかったとしても。


スペースの会の調査の一部は今回のケンタウル自由市場の中でも紹介されます。ぜひ冊子を手にとってみてください。

2019年10月25日金曜日

鳥取銀河鉄道祭のできるまで59

鳥取銀河鉄道祭のできるまで59

県立図書館はある種の県の宝のような施設です。
https://www.library.pref.tottori.jp

というのは片山知事(平井さんの前です)が、この小さな県で、しかしやる気さえあれば世界へと旅立てるようにとかなりの予算を割いて作った場所だからです。正直鳥取大学図書館の何倍も蔵書を持っています。(なので私自身も図書館に行く回数の方が隣のとりぎん文化会館に行くよりも多いくらいです)
司書の高橋さんとお話ししながら書庫も見させていただきました。表に出しているのは20万冊、書庫にはおよそ80万冊。できて以来、今のところ所蔵を捨ててはいないそう。
これはアーカイブ事業と似てすごく重要なことで、一見無駄に見えるものに意味が生まれることがありえるのです。
ちびくろさんぼの絵本の変遷や、戦争時の教科書(すみ塗りも多々ある)や。そういう消えてしまった歴史を振り返る上で大切な資料が残っています。
県立図書館は図書館 オブザイヤーを受賞しており、県内図書館とのネットワークなどもいい感じで作っています。県内の全ての図書館の一括検索や地元図書館への取り寄せも可能です。
民間に委託するなど図書館のあり方も変わりつつありますが、専門知のある学芸員や司書をキープすることで新しい可能性が開いていってほしいと思います。アーティストの端くれとしてはここにある宝何を掘り起こそうか、ということを思います。
実際に何度か図書館の書庫を見学させていただいたのですが、すごいです。これはぜひ皆さん体験して見ていただきたいです!

片山知事は小さい県でも自分で道を切り開けるすべを作ろうとして図書館の充実を図ろうとしたそうです。専門書などは個人では購入しきれない。しかし公的にシェアすることで情報をえ、新しい道を作り出すことができる。そのための場所です。ここでえた知を生かして世界へ羽ばたく鳥取人が増えていくことを祈りつつ。

日本国内トップクラスの蔵書、サービス、ぜひ体験してください。

現在こちらの図書館、2階の特別閲覧室で8mmアーカイブ展示「声をそえる」やっています!ぜひお立ち寄りを。

鳥取銀河鉄道祭のできるまで58

鳥取銀河鉄道祭のできるまで58

ここ数日はプログラムづくりや様々な広報対策に追われていて、全然動けていません。でもこのままだと88トピックスが終われなくなってしまう!のでとにかく書き続ける体育会系モード入ってきました。
5月になり、県立図書館さんで展示をする機会を得ました。図書館のスーパー司書さん高橋真太郎さんにお願いし、入口近くのところにブースを構えさせていただき、宣伝させていただきました。
実は様々なバージョンのある銀河鉄道。絵本や、専門書など宮沢賢治関連書籍を集めていただき、ワークショップ風景の映像などと合わせ紹介させていただきました。
その様子はこちら。


鳥取県立図書館には私が来る前から宮沢賢治コーナーがあり、それは県内の方が、賢治の本を勝って欲しいと寄付を行ったためです。子供のコーナーの横の小部屋にあるためわかりにくいですが、かなりのマニアックさ。(笑、私も結構詳しいですが、なんとこの本がここに!的なものがあります)私が来る前からのものということですが、素地が既にあったということだと思いました。
この展示の前から高橋さんとは色々お話ししていて、書庫ツアーや、音楽コンサート(野村さんは図書館でコンサートを開いた経験あり)、朗読講習会などの企画はあったものの、実現しきれませんでした。
でもいつか、またご一緒できる機会があればと思っています。

そんなわけで、公演日には鳥取大学ダンス部との無茶振りをお願いしてみました。なんと大学生と図書館のコラボレーションです。一緒に遊びましょう。

2019年10月24日木曜日

鳥取銀河鉄道祭のできるまで57

鳥取銀河鉄道祭のできるまで57

リハーサル時の写真は事務局の野口さんが撮ってくれているのですが、本番時の写真は田中良子さんにお願いしています。鳥取東部を中心に活動しているプロの写真家さんで、これまで木野が鳥取で作成したMobius,夏至祭、死者の書全て撮ってもらっています。
私自身は非常にうっかりさんで、記録など気にもとめないのですが、本来このようなみんなで作り上げていくタイプの作品作りはその過程やプロセスも大事。そしてそれをいかにアーカイブし、見せる形にしていくかが今後の作品作りでも課題になっていくと感じています。
同じ人にとり続けてもらうことで見えてくるものもあるだろうと思い、鳥取公演までの旅路を記録していただくことにしました。
つまり、一回公演してよかったねーではなく、その作っていく過程を見直すことができるように残しておくということ。この銀河鉄道祭ではどのように残していけるだろうかというのは課題でもありました。8mmのアーカイブや映像リサーチも記憶や記録をいかに残すかにフォーカスが当たっていますし、鳥取芸住のウェブサイトが消えてしまい、活動アーカイブが残っていないという事件(2019年春に判明、その後文化政策課さんなどにもお尋ねしたが、消えたデータは修復不可能とのことでした。もちろん紙媒体の報告書はあるのですが、そのまま県内のアーティストレジデンス施設を紹介するサイトでもあったので、tottoの2人ともったいなかったと話しています。)もあったので、意識的にはなっていました。とりあえず現状はこれまでのリハーサルは基本的に映像撮影し、youtubeで進行状況をシェアするとともに、ハードディスクドライブに蓄積しています。
またチラシ情報や写真なども同じように残せるようにしています。ウェブサイトも無料でできるもので作成し、この公演終了後も維持できるようにしました。
これまでとりアートでは全体ではウェブサイトを作ったりしていても、個別の作品などではウェブサイト、SNSで発信する作業があまりできていなかったということもあり、少しでも見えるようにしていこうと工夫をしています。
大学生たちによればツイッターかインスタグラムしか見ていないということだったので、急遽スタート。私は未だツイッターもインスタグラムもできていません。。。
鳥取銀河鉄道祭ウェブサイト:https://scrapbox.io/gingatetsudou-tottori/
ツイッター:https://twitter.com/gingatetsudou_t


田中さん、実は料理上手です。鳥取にはかなりの素敵女子たくさんいます。


鳥取銀河鉄道祭のできるまで56

鳥取銀河鉄道祭のできるまで56

この米子公演からオフィシャルの記録の人に入ってもらうことになりました。映像は浜村で浜村温泉湯けむり映画塾と映画祭を開催している荒尾さんご夫妻(ことるり舎)にお願いしました。これまでの作品も見ているのですが、本来、劇映画の作り手だと思い、今回のリサーチではなくこのような形で関わっていただき、そのお金を次の制作費につないでいただけたらと個人的に思いました。
中島貞雄さんの指導を受け、その縁もあって始まったこの浜村温泉湯けむり映画塾、これまでも(私の来る前になりますが)多く鳥大の学生たちが関わり、影響を受けてきた様子。鳥取映画文化を支える若手の1組でもあります。(佐々木友輔さんのリサーチにも登場しています)
今年は連続ドラマになっていて「拝啓砂の国から」と題してこの10月より地元のローカルテレビで上映を開始。

リピートで何回か流れるそうなので、ぜひ見てみてください。

鳥取銀河鉄道祭のできるまで55

鳥取銀河鉄道祭のできるまで55

この米子公演の時の衣装は過去に門限ズとして製作した作品でもきていた不織布のつなぎがベースなのですが、今回アートスペースからふるさんに協力いただき、鳥取版オリジナルバージョンで絵を描いていただきました。門限ズたちが様子を覗きに行ったら、盛り上がり、翌日には4人のイラストも描いてくれました。ありがとうございます。
からふるさんが福祉事業所としてアート活動を行う方々の絵やイラストの一部をポストカードやグッズとして販売していることはすでに13で説明しました。からふる手ぬぐいは銀河鉄道祭でも販売予定なので、よろしくお願いします。(個人的にはカニのえが気になっています)

さらにこの会から美術を担当する藤浩志さんが合流。藤さんも様子を見ながら、衣装にどんどん歯止めをつけていき、通気性を良くしたり、デザイン的にも凝り始めました。
前回えずこホールから関わっているという藤さんは、門限ズ曰く第5のメンバーとのこと。心強い味方が現れました。4回の公演のうちにもどんどん衣装が進化していく、今回の銀河鉄道もそんな会になりそうです。

藤さんと、県内で活動する大久保つくしさんとからふるさんのギャラリーを見せていただき、何が一緒にできそうかのアイデア出しをし、大量の書の作品がいろんなところにふわふわ吊るされているなど様々なアイデアが出されました。最終的にどのようになるかは本番のお楽しみ。

藤さんとお話しする中で、美術を作る拠点が作れないかという提案が出てきて、観客もワークショップをしながら小物を作るようなという話になりました。今回何百人という人が一斉に物を作るというのは難しいかもとは思ったのですが(そもそもどこで?という問題も)美術を作る拠点はアリかもしれないということでいろんなところに働きかけを始めました。それが銀鉄美術部です。
藤さん自身がこれまでも雑がみ部など様々な部活動をオープンさせて、その場に集う人を巻き込んでいくというスタイルの作品作りをしている方なので、きっと面白いことになるだろうと思い、学生さんたちに声かけを行い模索していくことになります。

藤さんのこれまでの活動はこちらから。
https://www.fujistudio.co