2019年10月26日土曜日

鳥取銀河鉄道祭のできるまで60

鳥取銀河鉄道祭のできるまで60

私たちの展示とほぼ同じ時期に、鳥取のミニコミ誌「スペース」の会も展示を行いました。1階展示場所は小さかったですが、2階は特別閲覧室で展示を開催、20年にわたる歴史を辿る展示内容と、インタビューの映像展示となりました。(鳥取大学図書館でも展示を行いました)
https://www.library.pref.tottori.jp/exhibition/cat10/cat/cat9/30121431120-1.html
スペースだけではなく関連の市民劇(「渇殺鳥取城」という名の市民劇で600人の劇場を三回満席で埋めたらしい)や現在のZINE文化(汽水空港さんの行なっている活動なども近いですね)やtotto(市民が情報発信をするという意味では現代版スペースの形なのかもしれません)にも触れていただき、現代の鳥取の活動につながっているという感じがします。
この研究会はスペース編集長だった安藤隆一さんが鳥取大の教員にお話を持ち込み、月に1回くらい集まって話すようになったところから始まりました。定有堂で販売していたその冊子をたまたま入手した私(それを貸した同僚筒井さん)も巻き込まれ、その話を聞くうちに手弁当で行なってきたこの活動は鳥取の文化活動のベースにあるのではないかと思ったのでした。ちなみにその関係で作られた授業については地域学部岡村先生の授業にまとめられ、鳥取大学ウェブにて公開されています。


宮沢賢治は全ての人が芸術家だと言って羅須地人協会を開き勉強会を開くなどの活動をしますが、実際の農民たちはあまりついて来ず、断念しています。当時の農民たちにとってピンと来なかったのだと思われます。(賢治はある意味すごいボンボンだったんですね。感覚のズレがある)しかし70年代、80年代の鳥取ではそれに近いことが行われていて、みんなが少しずつお金を持ち出しながら自発的に活動を行ってきた。今はインターネットの発達などもありどんな人も世界に向けて発信することができるようになりました。それも経済的には安価に。賢治の言っていた理想は今、実現しつつあるのかもと思うのです。しかもなぜか鳥取で。

芸術は経済的に豊かな人だけのためのものではない。
全ての人がこの世に存在していてもいいということを証明するためのものです。
暮らしの中で起こっている衣食住だって芸術。自分の周りのちょっと素敵なもの、いいなと思うことを誰かに伝えようとするその気持ちはもうすでにその始まり。
みんなに伝わるものではなかったとしても。


スペースの会の調査の一部は今回のケンタウル自由市場の中でも紹介されます。ぜひ冊子を手にとってみてください。

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